飲食店での「勉強」どこまで許すのか

プライベートな時間、カフェなどに足を運ぶと、そこの席で勉強をしている人を見ることもあるのではないでしょうか。
このような「飲食店での勉強」についてどのように考えるべきか、について考えていきましょう。

「勉強してもよい」「してはいけない」を考える

「飲食店での勉強」について考えるとき、よく取り上げられるのが「スターバックス」なのではないでしょうか。
ここの店舗が、勉強をしている学生を追い出したということで一時とても有名になりました。

これについては賛否両論があるため、ここではその「是非」については問いません。ただ、「勉強してもよい」とする説と、「勉強してはいけない」とする説を、飲食店側から見ていくことは、経営方法を考えるうえで、非常に有効なこととなるでしょう。
(なお、お客側の視点である「気分転換によい」などはここでは取り上げません)

勉強してもよい、と考える向き

まずは「勉強してもよい」と考える方の意見をとりあげてみましょう。

これのもっとも大きなメリットは、「喫茶店などにおいて、ある程度の売り上げを見込める」ということです。
たとえば知人で実際に喫茶店にこもって勉強をしているという人がいますが、彼は8時間の間にコーヒーを3杯飲み、昼食をとり、ケーキを食べているそうです。もちろん「休憩がてら楽しんでいる」という意図もあるそうですが、その基本となる考えは、「やっぱり長時間お店に居座るのは申し訳ないから」なのだそうです。

喫茶店は、勉強する・しないに関わらず、2時間以上滞在する人も多いと言えます。コーヒー1杯でこれくらい滞在されることを考えれば、8時間の間に、コーヒー3杯・昼食・ケーキを食べてくれるお客は、かなり売り上げ的にはおいしい存在だと言えるでしょう。しかも彼は常連ということでしたから、土日はほぼ確実にこの売り上げが確保できるわけです。

たしかに回転率は落ちるものの、1人で十分な売り上げを出してくれることを考えれば、このような「勉強客」は歓迎するべきと言えるでしょう。

勉強してはいけない、と考える向き

対して、「勉強してはいけない」と考える人もいます。

「4人~5人で来てタパスを1皿だけ。人がいないのをいいことに、客席6つにわたって勉強道具を広げてレジュメをつくり、3時間以上も居座った」というケースもあります。
この場合、お客の立場から考えれば、「人がいないのだからいいだろう、どうせ深夜帯なのだから」ということになりますが、飲食店側からすれば、彼らが使ったテーブルをすべて清掃するという手間がかかります。また、このようなケースの場合、総じて騒々しく、新しいお客様が入ってくるのをためらってしまうということにもつながります。

回転率が悪く、マナーが悪く、清掃の手間が増え、しかも売り上げは悪い……。
このようなことに悩まされた結果、飲食店側が「勉強禁止」を打ち出すこともあります。

また、現在はパソコン作業が多くなりましたが、シャープペンシルと消しゴムを使う場合、たとえ席が離れていたとしても、食事をしているテーブルの近くで、折れた芯や消しゴムのカスが舞うわけです。
これは、「実際に、食事にそれが入り込んでしまう」というリスクだけでなく、「入り込むかもしれない」という不快感を生み出すことにもつながります。
ちなみに私は店員時代、実際にこの類のクレームを受けました。「食事をしている横のテーブルで、学生さんが消しゴムをまき散らしていて困る。ファミリーレストランといえどもレストラン、食事をする客を優先してほしい」という意見でした。

この2つをどう考えていくべきか~従業員に求められる勇気

このように考えていくと、「勉強を禁止するべきか、しないべきか」というのは、一概に言い切れることではなく、「勉強をしているお客様の質」によるところが大きいと言えます。

たとえば店の一番奥の片隅で、1人掛けの席を使い、「人が隣に座っているときは消しゴムは使わない。教科書を読みこむだけにする。そのうえで注文もきちんとする。混雑して来たら退店する人」などは、お店にとって歓迎すべきお客様です。

しかし上でもあげたように、「大勢で来て1皿しか頼まない。店をわが物顔で使い、ほかのお客様がいても構わずに筆記をして、しかも長時間居座る人」はとても迷惑なのです。

ただ、このような「分類分け」はなかなか難しいと言えます。特に、前者の人がいる前で後者の人を注意した場合、「あっちの人は注意されていないのに!」と逆に切れられてしまう可能性もあります。このトラブルを避けるためには、全面的に勉強を禁止するというのも一つの手です。もしくは時間制限を設けるなども有効です。

「全面的に禁止にはしたくない、しかし迷惑は困る」という場合は、明確な理由をもって、従業員がしっかりと注意してください。「大人数で席を占領しないこと」「ほかのお客様がいらっしゃるので、消しゴムのカスは出さないようにすること」などを、きちんと口頭で、勇気を持って告げてください。