飲食店が調理補助器具を導入することで抱えるリスクとは

調理時間の短縮や簡略化を図るうえで、調理補助器具の導入を検討している方もいらっしゃるかと思います。包丁とまな板だけですべての調理が出来るスキルのある人だけが調理に専念できるわけではないでしょう。万人に調理可能な厨房を整えるために、調理補助器具を導入することはたやすいですが、それに付随するリスクを把握しておかなければなりません。便利なだけではない、調理補助器具にまつわるリスクについて考えていきましょう。

調理補助器具の使い方を教える時間的リスク

包丁を研ぎ、まな板で野菜などをカットする…決まった大きさ、決まった形に行い続けることはとても難しく、調理師免許をもっている方でも出来る人は少ないことでしょう。しかし、キャベツの千切りが出来るフードカッターや、みじん切りなどしてくれるフードプロセッサといった調理補助器具を導入すれば、誰でも食材の下ごしらえが可能になります。

しかし、まず考えられるのが“調理補助器具の正しい使用法”をマスターするまでの時間的なコストです。使用したことのある人であれば、使用法が容易に想像できるのですが、調理業務に従事するのが始めての方だと“どの器具をどう使えばいいのか”がわからないのです。

・ストッパーのつけ方
・カットする食材の向き・持ち方・あて方
・カットするまでの下ごしらえ
・使用後の洗浄法

など、調理補助器具を使う前から使った後まで、使用法も含め一通りの流れを指導し、徹底させるためには時間が必要なのです。そのため、使用法をマスターするまでは時間効率が悪くなってしまうことを想定し、調理人員を増員しておくことや調理従事経験者を必ず一人は厨房で勤務させること、使用期間を設けて満足に調理ができるようになるまでの時給を少額カットするといった対策を講じる必要があります。

衛生的で長期的に使用するための金銭リスク

使用器具が増えることで、それを管理するための金銭的なコストもかかってきます。金銭的なリスクとして一番大きくなってくると思われるのが、フードプロセッサ。使用をする度にカットする部分の刃が消耗していきます。誤った使用法をしたらすぐに破損しますし、刃の部分のみならず水気の多い厨房で乱雑に扱っていると本体がすぐに壊れてしまいます。本体を再度購入するとなると数万円の出費になってしまいますし、大事に使用していても衛生的な問題で買いなおす必要もでてきます。一度導入した調理補助器具をなくしてしまうと、それありきで稼働していた調理が滞ってしまい、調理時間がかかってしまいます。故障の際は急いで購入しなおさなければならないという金銭的なリスクを理解したうえでの導入をオススメします。

また、素材毎に細かな調理補助器具を用意するとなると、結構なお金がかかります。ジャガイモの皮を剥くための器具、キャベツの千切りのための器具…と調理の簡略化を図るためだけに結構な額を費やすことになってしまうということを頭において、どこまでを補助器具に頼るのか、どこまでは包丁のスキルを磨いてもらうのかを明確に設定しておきましょう。

思わぬ深手を負うことになる…ケガへのリスク

使うと便利な調理器具ですが、使用法を間違えると大変なケガを引き起こしかねません。器具は“小さな力で最大限の効果”を発揮できるようにつくられているものです。小さな力でも想像以上に深い傷を負ってしまうことがあるので気をつけなければなりません。包丁であれば自分の力加減でケガの程度も想像がつきますが、調理補助器具を使用した際のケガは想像以上になってしまうことがあります。流血をした場合は、感染防止のために調理作業に従事させることを継続させてはいけません。血液は付着したものを提供することは許されません。ですので、一見安全に見える調理補助器具にこそ最新の注意を払って使用することを徹底させましょう。

調理従事者がケガをした際には、調理に従事する人が減ってしまうことを考えると、ケガのリスクが少ないほうが望ましい状況ですよね。したがって、ケガへのリスク管理を一人ひとりの頭にしっかりと置いておくよう指導を日常的にすすめましょう。

いかがでしたか?より簡単に、より早く…最善の調理環境を整えるために、厨房にどういった調理器具を備え付けるか迷うところでしょう。使用する人の安全面はもちろん、購入や維持に関する金銭的なリスクも考慮したうえで調理補助器具を導入していきましょう。