飲食店でのクーポン券発行、その利用方法とスタイル、メリット

現在は多くのお店が「クーポン券」を発行しています。このクーポン券にはさまざまな特徴と形態、そしてメリットとデメリットがあります。それについて見ていきましょう。

クーポン券の現在の形態について

クーポン券の形態というのは、実にさまざまです。現在のインターネットの高い普及率を生かしたネット上で取得できるクーポン券もあれば、紙媒体のクーポン券もあります。また、来ていただいた人に「招待券」という形でクーポン券を配る、というところもあります。

インターネット上で取得できるクーポン券は、そのお店のホームページだけでなく、グルメサイトなどでもよく載せられています。今までは「印刷して持ってくる」というタイプが大半でしたが、印刷するにも労力がいります。そのため現在では、「かざして使えるクーポン券」「見せるだけで使えるクーポン券」も使われるようになりました。

紙媒体のクーポン券の場合、「○パーセントオフ」のように印刷されていることが多いようです。またそのお店で使える金券のような形をとることもあります。

クーポン券のメリットについて

クーポン券のなかには、「20パーセントから50パーセントオフ」「幹事様の分がタダになる」といったように、かなり優遇措置の大きいものもあります。これはお客様にとってはかなり大きなメリットとなるのですが、店側にとってはどうでしょうか。

飲食店の原価率は、お店によって違います。ただ、イタリアンを例にとれば、その原価率は30パーセント~60パーセント程度が相場だと考えられています。「20パーセントオフ」ということであればまだ利益は出ますが、「50パーセントオフ」になると、利益面ではかなり厳しくなるでしょう。(もちろん、「20パーセントオフ」としていても、「アルコールの飲み放題は別途」「○円を超えた、もしくは超えない場合は使えない」などの制限を設ける場合もありますが)

それなのに、なぜ飲食店の多くがクーポン券を発行しているのでしょうか。これを考えることは、自分が飲食店をやっていくうえでも大きなヒントになります。

クーポン券を発行することによって飲食店が得られるメリットは、大きく分けて、「新規顧客の獲得」と「リピーターの確保」の2つです。

私たちは、「どこのお店にしようかな?」と迷うとき、その多くの場合でグルメ雑誌やグルメサイトを回ることになります。そのときに最後まで候補に残った2つの店舗があったとしましょう。

「どちらにしようか決定できないなぁ…」と思ったとき、片方にはクーポン券がついていて、片方にはクーポン券がなければどうでしょうか。多分多くの人が、「クーポン券があるのなら前者にしようかな」と傾くはずです。たとえそれが、「10パーセントの割引」「クーポン券を持ってきた人にはアイスがつく」という物であっても、です。

1000円の10パーセントは100円、3000円では3000円、10000円でも1000円です。アイスも店によって違いはありますが、1000円を超える価格設定がなされていることは珍しいでしょう。ただそれでも、「クーポン券がある」ということが決定打になりうるのは確かです。

また、「リピーターの確保」にクーポン券は極めて有効です。

会計のときに出される、「次に来た時にはパンをプレゼント」「次回に使える5パーセントオフのクーポン券です」と出されれば、多くの人はちょっと興味が引かれます。特にそれが、「来月末で有効期限が切れる」という場合などは、「クーポン券を無駄にするのも嫌だから、ちょっと寄ってみようか」ということになるでしょう。こうしてリピーターを確保していくのです。

もちろんこれは、1回目の来店である程度満足して頂けた場合の話ではありますが、このようなメリットから、多くの飲食店がクーポン券を発行しているのです。

気を付けて!クーポン券の出し過ぎで客足が遠のく

しかしクーポン券の出し過ぎは、客足を遠のかせ、店を危機的な状況に陥れてしまうこともあります。

「あそこのお店はいつでもクーポン券を配っている」「いつ行ってもお買い得のキャンペーンをやっている」ということになれば、お客様は「期間限定というわけでもなさそうだから、また今度でいいか」と考えてしまいがちになります。その結果として、客足が遠のくということもあり得ます。

また、クーポン券を乱発しすぎると、それが現金収入減につながることもあり得ます。短期的にはお客様を獲得しても、儲けが薄くなってしまうこともあるのです。

そのため、「どのようなタイミング(どのような条件)でクーポン券を発行するか」「クーポン券のサービス内容はどんなものにするか」を、発行の前の段階でよく考えておかなければなりません。短期的な視点だけでなく、長期的な見方をしてクーポン券の発行を決めていくことも大切です。

「オトクさを残しつつも利益が下がるのを避けたい」ということであれば、原価率を低く抑えられる飲み物などに限ったクーポン券を出すのも有効です。