飲食店経営に必要な衛生管理知識!殺菌・滅菌・除菌の違いと適した場所・方法

飲食店経営に必要なのが、衛生管理です。食中毒を一度でも引き起こしてしまえば、お店の信頼はガタ落ちし、営業停止命令といった行政処分まで受けることになります。足を運んでくれるお客様のために、いつでも衛生的で調理するのに望ましい環境を整えておかなければなりません。そこで今回は、殺菌・除菌・滅菌の違いを学ぶと共に、いったいどういう場所にどれを行うのが良いか、そしてその方法も覚えていきましょう。

殺菌〜“菌を殺す” こと

殺菌は一番耳にする機会の多い言葉です。石鹸に殺菌効果が付与されているものはよく見かけることと思います。殺菌とは、“菌を殺す”ことを意味しますが、菌を殺せば安心…と解釈をしてはいけません。殺す対象となる菌を定めてはいないので、人体に有害な菌は殺せずに存在している状態の可能性もあるということです。それに、殺した範囲や菌の程度も定めていないので、どの程度の菌をどの範囲殺したかも定かではないのです。したがって、殺菌を厨房の要としてしまっては大変危険だということがわかっていただけると思います。

除菌〜“微生物を減らす” こと

除菌ときくと、殺菌よりも効果が薄いのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、除菌はそもそも“菌”のみを対象にした用語ではなく、ある限られた範囲内に含まれる微生物の数を減らすという意味をもつ用語です。食品衛生法にもその規定が存在しますが、広義で使用されることがほとんどで、様々な法や規定、協会などの規約によって意味がバラけています。洗剤・石けん公正取引協議会が定義する除菌だと、“対象物から増殖可能な細菌の数(生菌数)を、有効数減少させること”となっています。

飲食店で除菌すべき場所は、店内の広範囲にわたります。フロアはもちろんテーブルやイスを毎日除菌しておけば、人体に有害な菌も有害な症状を発生させられるだけの数に至らずに発症を防げますし、蔓延することも予防することが可能です。除菌は手軽に行えて、時間もかかりません。シートでササッと拭くだけでOKの商品もあれば、液体を振りまいておくとその範囲が除菌されるという商品もあり様々ですので、飲食店の広さを建物に使用している素材に応じた使い分けをすると変色を防ぎながら除菌を行えます。

滅菌〜“菌を死滅させる” こと

菌をただ殺すだけではなく、菌を全て殺すという意味の用語です。したがって、微生物や菌、ウイルスといったものを全て殺して除去するので、厨房に一番望ましい処理といえます。微生物の生存率が100万分の1にならなければいけないという規定のところもあり、これを現実的にするためには調理器具に対して滅菌を行うということになります。人の手にはたくさんの菌や微生物が繁殖しており、100万分の1に滅菌するためには手指の細胞まで破壊することになるからです。

滅菌処理を最大限活用すべきなのが、まな板です。毎日生鮮食品が触れるものであり、使用すればするほどに表面が傷つき凹凸が出来ます。その凸凹に菌が付着し増殖を続けてしまうので、滅菌処理を施せる装置を導入したり、滅菌作用のある薬品を使って閉店の際に菌を一度リセットするようにすると翌日安心して衛生的にまな板を使用することが可能です。

その他にも菌に対する用語があります

・消毒〜“害のない程度に減らす” こと

消毒はなんとなく弱いイメージがありますが、菌を害のない程度まで減らすという意味の用語であり菌に対して有効的な対応です。また、純粋に数を減らすという意味とあわせて“菌が害をもたらさない状態にする”という意味でも使用されます。消毒は滅菌に比べて手法が多く、実用的であるので飲食店の衛生面の運用には欠かせない手段です。消毒は、お客様のためにも用意することが出来ます、入り口付近に消毒液を入れたポンプを設置したり、トイレの手洗い場に設置するだけでも信頼度が大きく変わるので実践したいポイントです。

・抗菌〜“菌の増殖を抑制する” こと

微生物を対象にしておらず、細菌の繁殖を防止して爆発的に増殖するのを防ぐ意味をもつ用語です。ほかの用語と違って存在している菌を減らすといった効果ではなく、菌が増殖してしまうのを防ぐ加工であると解釈して良いでしょう。抗菌加工が施された調理器具を使用することによって、仮に菌が付着しても増殖を抑えることが可能です。鍋やフライパンはもちろん、フライ返しやお玉に至るまで抗菌加工のものを選択すると菌に汚染されるリスクを軽減することが出来ます。

いかがでしたか?菌に関する用語の意味をはき違えている人は多いので、注意が必要です。正しい意味を理解したうえで、望ましい菌対策を飲食店に施しましょう。