飲食店で出すべきハードチーズの種類とは?

チーズにはさまざまな種類があります。そしてその「分類分け」をしたなかでも、「食べやすいもの、食べにくいもの」があることもまた確かなことです。今回は、チーズの基本的な分類分けと、飲食店で出すのに向いているハードチーズについて見ていきましょう。

もっとも水分が少ないハードチーズは、コクのある味わい

今回とりあげる「ハードチーズ」は、もっとも水分量の少ないチーズです。水分の含有量は38パーセント以下と定められており、重さもあります。似たような製法で作られるものに「セミハードチーズ」がありますが、一般的に、こちらよりもずっと長い期間で熟成されます。

ハードチーズ自体の味わいは、非常に濃厚であり、コクがあり、重みもあります。食感も硬質であり、チーズの種類や熟成具合によってはアミノ酸の結晶が見られることもあります。アミノ酸の結晶が浮き出たものは、食感に変化が見られます。ハードチーズ自体はほろほろとした食感なのですが、アミノ酸が浮き出たものは、注意深く噛むとショリショリとした食感を味わうことができます。

ハードチーズはこんなお店にも向いている

「チーズと言えばワイン」と思う人もいるかもしれませんが、ハードチーズは実はビールなどにもよく合います。そのため、一般的な居酒屋でも出すことができます。あくまで個人的な感覚ではありますが、お茶や甘いカクテル系との相性はそれほどよくないように思われます。お酒もある程度は「大人向けの」「苦味や酸味のある」ものが合うでしょう。

一緒に合わせる食材としては、炭水化物ではありますが、意外とパンは合います。バケットを強めに焼いて一緒に提供するとよいでしょう。ナッツやドライフルーツとの相性も悪くはありません。これらの「乾き物」は保存がきくため、食材ロスが少ないというメリットがあります。また、ハードチーズもよくもちますから、保存の面からもおすすめです。ただし、ハードチーズはラップなどにゆるくくるんで冷蔵庫に入れておくと、乾燥してしまって固くて食べられなくなります。必ず蓋つきの容器に入れて保管します。

お店で出しやすいハードチーズとは?

それではここからは、「お店で出しやすいハードチーズ」について見ていきましょう。

まず、ぜひ入れたいのが「パルミジャーノ・レッジャーノ」です。これは恐らく、もっとも有名なハードチーズのうちの一つでしょう。そのため、お客様にお出しするときに説明がしやすく、「ハードチーズ」を知らない人にもどんなものかイメージしてもらいやすいというメリットがあります。

飲食店でチーズを出す場合、大切なのは、「味わい」もそうなのですが、「知名度」「インパクト」「どんなものかイメージしやすいものであること」です。そのため、パルミジャーノ・レッジャーノは、ハードチーズを扱うのであれば必ず入れておきたいものなのです。
コストのことだけを考えるのなら、似た味わいであるグラナ・パダーノ(「グラナパダーノ」とも)でも良いのですが、お店で出すことを考えれば、やはりパルミジャーノ・レッジャーノの方をチョイスしましょう。もし、「保管に失敗して硬くなってしまった」ということであれば、すり下ろしてカルボナーナなどに利用してもよいでしょう。

もう一つ、パルミジャーノ・レッジャーノと並んで有名なのが「ペコリーノ・ロマーノ」です。これは羊の乳を利用して作ったものであり、とてもきれいな白色をしています。イタリア生まれのチーズのなかでも最古のチーズと言われており、塩味が強くでます。お酒の肴としても最適です。

パルミジャーノ・レッジャーノは黄色、ペコリーノ・ロマーノは白色…ということで、「ハードチーズの盛り合わせ」に一緒に載せたいものとして、オレンジ色の「ミモレット」を挙げておきましょう。ハードチーズでもまったく異なる色合いをしているこの3つは、並べて供したり、ワゴンサービスをしたりしたときにインパクトが大きいからです。

色鮮やかなミモレットですが、この「色」は、チーズ自体の色ではありません。植物の色素を使っています。クルミ類と特に相性がよく、ビールとの親和性も高いチーズです。ちなみにミモレットは、セミハードチーズに分類されることもあります。サラダなどに使ってもよいでしょう。

ここであげた3つが、飲食店に向いているハードチーズです。飲食店で出すチーズは、「チーズを売りにしている」というところでもない限り、基本に忠実で、よく知られたものを選ぶ方が失敗はありません。

ただ、「せっかくなので、もう少し面白いものを使いたい」ということであるのなら、温めて食べる調理方法で有名になった「ラクレット」や、赤いワックスで覆われた「エダム」などを利用するとよいでしょう。スイスチーズの大御所である「エメンタール」「グリエール」なども、歴史と深い味わいを持つチーズとして有名です。