スタッフのこと怒鳴りつけていませんか~お客様が飲食店に来た時に不快に思う指導方法

「お客様に怒鳴られた」「クレームを受ける際に、大声で怒られた」という経験をしたことのある人もいるかもしれません。
もちろんこれはとてもつらいことでしょうし、人によってはお店を辞めたいと考えることもあるでしょう。

しかし、それと同じくらいか、もしくはそれ以上に問題になることがあります。

それが、「スタッフがスタッフを怒鳴りつけること」です。

失敗した人を怒鳴りつけていませんか

飲食店の経営者や指導者のなかには、失敗した従業員を大声で怒鳴りつけるという人が、少なからず存在します。

それにはさまざまな理由があるでしょう。

たとえば、何度言っても部下が同じ失敗を繰り返しているため、ついに腹に据えかねて怒鳴ってしまった。
大切なお客様に失礼なことをしたから、見せしめのために怒鳴りつけた。
大きなクレームに繋がるような接客態度だったから怒った。
何度改善を要求しても、直る気配がない。
また、なかには、単純に忙しさでイライラしていて怒鳴りつけてしまった、というケースもあるかもしれません。

指導する側も人間ですから、何度も同じ失敗をされていたり、不真面目な態度が続いていたりすれば腹が立つものです。また、忙しくててんてこまいの状態なのに、1人のミスで仕事が滞ってしまったということであれば、怒りたくなるのも無理はないでしょう。

しかし、このような態度というのは、決して褒められたものではありません。

部下は萎縮するし、お客様は嫌な気分になる

「怒鳴りつける」という行為は、一見すると、非常に役立つことのように思えます。
怒鳴られた部下はいい加減な気持ちでいられなくなりますし、周りが見ているなかで怒られたということでプライドが傷つきもう同じことを繰り返さないようにしようと考えるでしょう。
また、「従業員に迷惑をこうむった」という人の場合、ケースによっては、しっかりと怒られている従業員を見て溜飲が下がるかもしれません。

しかし、実はこのようなことは悪手だと言われています。それはなぜなのでしょうか。

怒られた従業員が、不真面目な態度で接客をしており、かつそれを言葉で諭しても直らないということであればともかく、「真面目にやっているにも関わらず失敗してしまう」という従業員にとっては、この「怒鳴られる」ということは非常に大きなストレスになります。
怒鳴られることで委縮し、さらに失敗を繰り返してしまう可能性も高くなります。
「何かをやったら怒られる」「怒られたことで頭に血が上っている」という状態ですと、人は冷静な判断ができなくなります。
その結果、また同じような失敗をしてしまう、ということもよくあります。

それに加えて、さらに深刻なのが、「お客様の多くは、従業員が怒鳴られている様子を見ると不快に思う」という事実です。

たしかに、迷惑をかけられた人は、ケースによっては怒鳴られている従業員を見ることで気が済むかもしれません。
ただ、多くの人は「そこまで怒らなくても」「自分がクレームを入れたから、あの人はあんなに怒られてしまったんだ」と感じることでしょう。これは、言ってみれば指導者側に「罪悪感を抱かせられている」という状況に他なりませんので、かなりストレスがたまります。

また、「それ以外のお客様」にとっては、さらに不快なものです。
楽しく食事をしにきたのに、従業員に罵声を浴びせかける姿と声が入ってきます。これを見て、リラックスをして食事をとることができるでしょうか。また、ケースによっては、「ほかのどのテーブルの話し声よりも、罵倒の声の方が大きく、会話などの邪魔になる」ということもあり得ます。
人によっては、「不快に思ったので席を立った」ということもあり得ます。

このように、感情的に怒鳴りつけることは、従業員にとってもお客様にとってもデメリットが大きいのです。

叱りたくなるときはどうしたらいいのか

では、叱りたくなったのならばどうすればよいのでしょうか。

まず、基本は「声を荒げないこと」です。言葉で諭し、欠点とその解決策を必ず伝えるようにします。
また、それでも問題点が改善されない、不真面目な態度が改まらないというようであれば、必ずバックヤードなどに問題の従業員を引っ張っていってください。お客様の目が届かないところで、声量に注意し、従業員を厳しくとがめるのです。お客様に、従業員と指導者の「いざこざ(お客様の場合はこのように感じることが多いでしょう)」を見せないようにするのです。こうしておけば、少なくとも、お客様が不快に思うことはありません。ベストなのは、店がひけたあとでしょう。ただこの場合、リアルタイムでの忠告と指導ができないため、内容によっては厳しいかもしれません。

いずれの場合にせよ、「従業員を怒鳴りつけること」は、長期的に見ると、お店にとって大きなマイナスになります。
それを理解したうえで指導しましょう。