その飲食店の味、方向性、考え方に相応しいインテリアエレメンツのあり方

飲食店を経営する人は、「インテリア」に対して無関心ではいられません。そのお店がどのような味の料理を出すのか、どのような人を対象としているのか、どのような方向の料理を考えているかによって、内装も大きく違ってくるのです。

たとえば私たちは、いわゆる「高級店」に入ったときに、非常に安っぽい作りのテーブルや紙皿などでもてなされてしまったら、とても不快に思うことでしょう。これは極端な例ではありますが、内装を考えることは、そのお店の雰囲気全体を決定づけるものでもあります。

それについて見ていきましょう。

インテリアエレメンツとは何か

インテリアエレメンツは「インテリアエレメント」とも呼ばれるものです。
これはごく簡単に言えば、「インテリアをつくる、さまざまな要素」ということになります。

飲食店において欠かすことのできない「テーブル」「イス」は、もちろんインテリアエレメンツの一種です。それ以外にも、料理を照らし出し雰囲気づくりに一役買う「照明器具」、和のお店では季節ごとに切り替えることもある絵画や掛軸もこのインテリアエレメンツに含まれます。

少し意外なところでは、天井部分の処理や壁紙。
これらも「インテリアエレメンツ」に含まれています。
お店の内装全体を構築するあらゆるアイテムを内包する言葉です。

インテリアエレメンツの基本

インテリアエレメンツの基本は、「そのお店の目指すべき方向性とあったものを選ぶこと」です。

たとえば、現在的でモダンな雰囲気の料理、革新的な料理を食べさせたいのであれば、それにふさわしいインテリアエレメンツを配することが求められます。
たとえば、「ヌーベルキュイジーヌ(ヌーベル・キュイジーヌとも。フランス料理の考え方の一つであり、フランス語で「新しい料理」を意味する言葉。古典的なフレンチの手法を踏まえながらも、新しい手法を取り入れたものであり、フランス料理に新たな息吹を吹き込んだ)」の代表格として知られているジョエル・ロブションは、そのインテリアエレメンツも非常に革新的です。料理の皿、黒をうまく使った(店によって違いはあります)店内の内装などは、その料理と同様、新鮮な驚きを私たちにもたらします。

私たちが料理を味わうとき、単純に「味だけ」を味わうのではなく内装などの雰囲気を含めて味わっていると言われていますから、このように、「雰囲気にこだわること」のもたらす力は非常に大きいと言えるでしょう。

逆に、たとえば「500円でランチが食べられる!」というようなことを売りにしているお店で、このように手の込んだインテリアエレメンツを配してしまうと、お客様が緊張してしまいます。気軽な雰囲気で食べられることを目指すのであれば、もっとリーズナブルで、明るい雰囲気を出すことが求められます。

インテリアエレメンツを考える際は、当然ながら、「コスト」を考える必要もあります。
内装は、実はデザインや素材などによって大きくその値段が異なります。イスの場合、高いものと安いものでは桁が2桁違うことすらあります。

経営者としてインテリアエレメンツを考える場合は、「店の方向性」を明確にしつつ、この「コスト」についても意識しなければなりません。

代表的なインテリアエレメンツについて

さて、ここからは、「食事とインテリア」を知るうえで、基本となる代表的なインテリアエレメンツについて学んでいきましょう。

まず、ロココ様式やバロック様式のもの。
ロココ式は「曲線」を非常に大切にする文化であり、特に「金色」を重要視します。
バロックは華やかで美しいデザインをしており、装飾芸術の王様とも言えるものです。
この2つはしばしば混同されがちですが、ロココ式の方が女性的で、そして細やかです。
どちらも高級店にふさわしいものですが、女性をターゲットとするかそれ以外をターゲットとするかで、選び方を考えてもよいかもしれません。

「近代的な美しさ」を出すうえで欠かせないのが、「アールヌーボー(アール・ヌーボー)」でしょう。ミュシャに代表される美しい絵がこの時期によく作られました。
「曲線」がその特徴ではありますが、流れるような美しさを描き出すことに長けており、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて大流行しました。

直線的なデザインを持つ「シカゴ派」のインテリアエレメンツは、非常に機能性に優れています。「男性的なデザインだ」と考える人もいるのがこのシカゴ派であり、華美な装飾とは方向性が異なります。

このように、インテリアエレメンツにはさまざまなものがあります。その一つひとつを挙げていこうとすると、膨大な数になってしまいます。
新しくお店を建てようと考えているのであれば、あるいは大胆に模様替えをしようと考えているのであれば、「どのインテリアエレメンツがどのような特徴を持っているか」を意識して、調べてみるのも面白いものです。