飲食店における「座席の時間制限」の賛否

自分が「お客様」としてお店に足を運んだとき、「時間制限があります」「90分での入れ替わりとなりますが、よろしいでしょうか」などのように案内をされたことのある人も多いのではないでしょうか。

飲食店における「座席の時間制限」について考えていきます。

居酒屋やビュッフェ形式のところでは時間制限を設けているところが多い

まず先に、「そもそもどんな飲食店が時間制限を設けているか」ということについて考えていきましょう。

真っ先に挙げられるのが、「居酒屋」なのではないでしょうか。居酒屋の場合、多くは2時間での制限を設けています。ただし、これはコースなどを申し込んだ人の場合であり、特に予約などをとらないで行った人に対して時間制限を設けるケースは多くないと言えます。(その理由については後述します)

もう一つは、「ビュッフェ形式」のところでしょう。ランチタイムであれディナータイムであれ、ビュッフェ形式のお店は、「時間は無制限です」と言っていない限りは1時間半~3時間の制限が設けられていることが普通です。

時間制限のメリットとは

飲食店を経営している人からすれば、飲み放題や食べ放題の形態のお店で「時間制限を設けること」はある意味では当然だと言えます。

飲み放題や食べ放題のお店で時間制限を設けなければ、理屈上では「どれだけでも食べられてしまう」という状況になってしまうからです。たとえば11時に来店して2時くらいまでランチを楽しみ、さらに6時くらいから夕飯を食べる……ということが可能なのです。もちろんこのような「暴挙」に出るお客様は少ないと思われますが、このようなことをされてしまうと、お店としてはかなりダメージが大きいのではないでしょうか。それを避けるためにも、飲み放題や食べ放題のお店の多くで時間制限を設けていると考えられます。

「女子会のときは3時間、男性のときは2時間」としているお店が多いことも、これの傍証となっているでしょう。一般的に、女性の方が男性よりも食べる量(飲む量)が少ないので、ある程度時間を伸ばしても店側の負担が少ないのです。

もう1つのメリットは、「回転率を挙げられる」ということでしょう。

時間制限を設けることによって、お客様に退席を促すことができます。コース料理で予約をしているお客様の場合、単品などで追加注文をする可能性はそれほど高くありません。そのため、食べ終わってある程度時間が過ぎたらお帰りいただいてほかのお客様を入れる方が、店側の利益につながりやすいわけです。

この「回転率を挙げられる」というのは、時にはお客様側にとってもメリットになります。

人気店などだと、待ち時間がとにかく長くなります。時間制限がないお店の場合、すでに食べ終わったお客様が長々と席を占拠していて、待っているお客様をご案内できない、ということもあります。しかし時間制限があれば、お待ちになっているお客様のご入店を促すことができます。「待ち時間を少なくする」という意味では、お客様にとってもメリットが大きい方法だと言えるでしょう。

加えて、お客様の出入りをある程度お店が管理しやすくなるため、予約を受けやすくなるというメリットもあります。

時間制限を設けることのデメリットとは

では、時間制限を設けることのデメリットとは何なのでしょうか。

まず、「お客様の追加の注文がほとんど入らなくなる」ということです。コース料理やビュッフェ形式以外のお店で時間制限を設けてしまうと、「お酒をゆっくり楽しみながら、気になったつまみを追加で注文する」ということができなくなります。そのため、客単価が落ち込んでしまいがちです。

もう一つのデメリットは、「この店は落ち着けない店だ」と判断されてしまうということ。喫茶店や、女子会でよく使われる居酒屋などの場合はこれについてよく考えなければなりません。

のんびりとコーヒーを楽しみながら文庫本を広げたい、できればずっと通い続けていきたいと思っている「常連予備軍」のお客様を排除することに繋がったり、「雰囲気はいいけど、1時間半で追い出されちゃうからあのお店で女子会をするのは難しい」と判断されて敬遠されてしまったりします。

時間制限は、「○○放題」のお店には向いていますが、時間をかけてゆっくり楽しむようなお店ではあまり適していません。

あくまで個人的な感覚ですが、飲み放題のお店で2時間制限はやや短く感じます。3時間制限だとゆっくり楽しめるイメージですね。お店のなかには、「平日のみ時間無制限(もしくは、金土日祝日は2時間のところを3時間に延長)」「プラス500円で時間延長が可能」「プランによって3時間に変更する」「女性客のみのときは、通常は2時間だが3時間に延長」としているところもあります。

時間制限にはメリットとデメリットがあり、どちらかだけが優れているとは言えません。
自分のお店にあったやり方を模索するとよいでしょう。