飲食店で会計ミスを起こしてしまった場合にどう対処する?

長くお店をやっていると、さまざまなミスやトラブルが起きます。今回はそのなかの一つである「会計ミス」に着目してお話していきましょう。

間違って少なくお伝えした場合

会計時に間違って少ない金額を提示してしまい、それに従ってお客様がお支払いをされた、という場合はどうなるのでしょうか。

すぐに打ち間違いに気づいたのならば、訂正と謝罪をして終わりです。時価のお店でない限りその値段はきちんとメニューブックに書いてありますから、「誤って打ち間違えをしてしまいました。正しい金額はこちらです。誠に申し訳ございません」と頭を下げて、正しい金額をいただけばよいでしょう。もめることはほとんどないでしょうが、説明を求められることはありますから、きちんと言葉を尽くしてお話します。一度少ない金額を告げられてから多い金額を言われるのですから、お客様としても気持ちはよくありません。そのことを理解したうえで、丁寧に謝りましょう。

ただ、すぐには気付かずにそのままお客様がお帰りになった、という場合は話は別です。

この場合、お客様を追いかけて新たにお金を払っていただくということはまず無理でしょう。顧客制の飲食店ならばともかく、そうでないところはお客様の電話番号などもいただきませんから、追跡することもできません。居酒屋などの場合はお客様もお酒を召し上がっていますから、はっきりと金額を確認せず、言われた金額をそのまま支払うことも多いのでこのようなトラブルは起こりがちです。

こうなった場合は、店側で処理をするほかありません。不足金として計上することになります。

とても危険! 多めにいただいてしまった場合はどうする?

「本来受け取るべき金額を、店側のミスによって受け取りそこなった」というのは、実はそれほど大きな問題にはなりません。お客様には迷惑をかけていないし、結局のところお店側の損失だけで済むからです。

それより危険なのは、「お客様から多めの金額を頂いてしまった場合」です。

この場合は非常に話が厄介です。その場ですぐに気が付いて訂正と謝罪ができればまだ問題はありませんが、そのままお客様が帰られて、家についてから気づいた…という場合は大きなトラブルになりかねません。(もちろん、その場で気付いた場合も丁寧にお詫びします。「この部分に間違いがありました、誠に申し訳ございません」と頭を下げましょう。場合によっては店長も臨席します)

このようなケースの場合、ほとんどが「電話が掛けられてくる」といった形で発覚するでしょう。電話を受けた人が本人や店長でないのなら、まずは責任者に電話を回すように徹底します。

お客様の仰っていることの正誤は、この時点ではあまり重要視されません。きちんとレシートを手元に用意して、具体的な間違いを指摘して話してくるお客様の場合、そのほとんどを「正しい」と認定することが基本的なスタンスとなるからです。

たしかに、「本当はお客様の勘違いかもしれない」という可能性も残っています。しかしよほど明確な証拠が残っているとか、以前も似たようなことでトラブルを起こしたお客様であるとかでない限り、その証明は限りなく難しいでしょう。法律的な観点は横においておくとして、お客様の仰っていることが「絶対に間違いだ」と言い切れないのであれば、弁済するのが普通です。「正しい」「正しくない」は水かけ論になりますし、ヘタをすれば「会計を間違ったうえに、そのミスを認めようともしないぼったくりのお店」という評判が広がってしまいかねないからです。

もちろんその後に担当者(分かれば)に事実確認をすることは大切です。その上で、返金処理の方法を考えましょう。お客様にお店に再度ご足労いただくことは基本的にNGです。店長や店員が差額分を封筒に入れて、お客様のご自宅に伺って、きちんとお詫びするのが当たり前の方法です。もちろんスーツで伺い、頭を下げて丁寧に謝罪し、ご迷惑をおかけしたこと、再発防止に努めることをお伝えしましょう。

「遠方なので、来ていただくのは難しい」ということであれば、銀行振り込みなどで対応します。その場合は、電話だけでなく、詫び状などをお送りするとよいでしょう。

お客様が帰られた後に店員が自ら気が付いた場合

「お客様が帰られた後、店員が自分で気付いた」という場合は、お客様からの申し出がない限り、店側には返金する手段がありません。そのため、多くの場合は経理上のミスとして処理することになります。

ただ、このような報告を受けているか受けていないかで、処理のしやすさは大きく違ってきます。そのため、何かあったらすぐに報告できる環境を整えておきましょう。

会計のミスは、非常に大きな問題につながります。場合によってはお店の存続自体にも関わりかねません。
現実的な対策を知っておき、慌てないで対応しましょう。