飲食店で料理をこぼしてしまった場合にどうするか?

飲食店では毎日、さまざまなトラブルが起こります。レジトラブルや接客態度が悪いというのもそのトラブルのうちの一つでしょう。ただ今回は、「料理をこぼしてしまった」というトラブルについて見ていきましょう。

料理をこぼしてしまった!4つのパターン

「料理をこぼしてしまった」と一口にいっても、そのパターンは大きく4つに分けられます。
1. 運んでいる最中に、誰もいないところでスタッフが転倒、もしくは料理を落とした
2. お客様の席に料理を置くときにこぼした。ただし、誰にもかかってはいない
3. お客様の席で料理をこぼした。お客様のカバンなどに料理がかかった
4. お客様の席で料理をこぼし、それがお客様の体にかかった

それぞれで対応が違うので、対処策を見ていきましょう。

1と2は迅速に対応すれば問題はない

1のケースは、もっともトラブル度数が低いケースです。この場合、周りにお客様が座っているのなら、(かかっていないとわかっていても)まずはお声をおかけします。そのあとに、本来ならば料理を提供するはずだったお席のお客様に、「大変申し訳ございません、おつくり直しをいたしますので、もう少々お時間をいただけますでしょうか」と丁寧にお詫びをします。

こぼした料理を片付ける際は、単純に料理を片付けるだけでなく、しっかりモップなどをかけるようにしてください。特に、肉料理などは要注意。油が飛び散っていて、それを踏んだお客様がこけてしまうこともあります。

料理の作り直しは、ほかのオーダーを差し置いてでもすぐに行います。

2の場合は、まずはお客様に火傷などの有無を確認します。大丈夫ということであり、席に余裕があるのなら、席を移ってもらいます。またそのタイミングで、料理のオーダーをし直しましょう。そのあとでテーブルを片します。もちろん、丁重なお詫びは忘れずに。その場だけでなく、お会計のときにもきちんと謝罪しましょう。

3と4は一大事

大変なのは、3と4の方です。この場合、状況は大きく変わります。

3の場合は、よくよく謝った後、クリーングなどを申し出ることになります。その際は、「弁償します」ではなくて「クリーニングをします」という態度を貫くことです。「弁償します」と言ってしまうと、相手が悪質なクレーマーの場合大きな問題になります。

クリーニングに出す際は、原状復帰を目的とします。もちろんクリーニング代は店側の負担です。このとき気を付けてほしいのが、「クリーニング費用以上の値段は払わない」という姿勢です。クリーニングで完全にきれいになってしまえば、もう店側の責任ではありません。これはのちのちの恫喝やクレーマーを量産しないためにも徹底しなければならない姿勢です。

またこの際は、お客様のカバンや洋服が新品であるかどうかなどは問題に問われません。

ただし、なかにはクリーニングをしても落ちない汚れもあるでしょう。その場合はお客様と話し合って、お客様が求められるようなら買い取りをしましょう。そのカバンの査定金額なども把握しておいた方がよいでしょう。

4の場合は、熱い物ならばすぐに冷やしていただくようお願いいたします。また、そのあとすぐに清潔なタオルをお渡ししてください。氷水などを用意して、とにかくすぐに冷やしてもらいます。また、お客様の火傷などの状態にもよりますが、病院に行くことをお願いしてください。その際はスタッフが送っていったり、タクシーを使ったりします。

治療費などについては、当然のことながらお店が負担します。保険会社を使っているのであれば、そこに委任します。

3と4においては、特に初動が大切です。最初にお客様のお体を気遣うことから始まり、その次に荷物……と考えます。このときに、「早く片づけなければいけない」と料理の方に割きに手を付けてしまった場合、お客様から、「料理の方を優先した」と受け止められる確率が非常に高くなります。そのため、この順番は必ず守ります。

3と4の場合、お客様に損害を与えているわけですから、それを解消するための方法もとらなければいけません。クリーニングをします、というのが基本ですが、現状復帰が難しいと考えられる場合買い取りを提案しましょう。ただ、クリーニング費用の料金を請求された場合はその要求に応じる必要はありません。

お客様によって、「大したことはないから気にしないで」という方と、そうでない人がいます。ただいずれの場合でも、レジ前で必ず頭を下げてお見送りをしましょう。また、3と4のときは店長も一緒に謝るべきです。とにかく、本来はやってはいけないこと、快適な食事の時間を邪魔しただけでなく、病院にいく手間や「火傷が残るかもしれない」という不安を与えてしまうことにもつながります。それにしっかりよりそい、お客様の立場にたって謝罪するように心がけます。

3や4の場合はスタッフだけで解決しようとせず、必ず上の人間に報告するように教育もしましょう。