「○○を抜いて」にはどう対応する?飲食店ではよく耳にする「お願い」

飲食店を経営していると、必ずと言っていいほど、「○○を抜いてほしい」「○○を入れないで作ってほしい」という要望を耳にすることになるでしょう。このような場合にはどうすればいいのでしょうか。それについて、実例を交えてみていきましょう。

アレルギー問題について

「○○を抜いてほしい」という要望を受けたとき、まず真っ先に確認するべきなのは、「アレルギーの有無」でしょう。「○○を抜いてほしい」とお客様がおっしゃった場合、お客様は単純に「メニューの写真」だけを見ている、ということもありえます。しかし飲食店をやっている人ならば誰でも知っていることだと思いますが、わかりやすい形で写真に写っていなくても、実際には料理のなかに入っている、ということもあり得ます。

卵などの7大アレルゲンについては表記がなされているはずですが、「同じライン(同じ調理器具)で料理している」というような場合や、7大アレルゲン以外のアレルゲンの場合は特に注意が必要です。

以前の記事でも触れましたが、アレルギー問題はただの「好き嫌い」とは違います。大事故にならないように、まずはこれを確認してください。

ただの好き嫌いの場合はどうするのか

では、アレルギーではなくてただの好き嫌いの場合はどうすべきなのでしょうか。これについては飲食店ごとで考え方に違いがあるでしょう。「その食材もコミで味を構成しているのだから抜きたくない」と思う人もいるかもしれません。また、「その食材を抜くと、食材の計算が合わなくなる」として、受けたくないと考える人もいるかもしれません。

ただ、現在では基本的には「○○抜き」については「できるだけ要望に添う」としている飲食店の方が多いのではないでしょうか。

ちなみに実例として、「○○抜き、の場合は抜けるものなら理由を問わずに抜いて提供する。抜いて提供しても、店側に損があるわけではないので。ただし、『○○はいらないので、××に変えてください』という場合は、××の方が安ければ可能、それ以外はNGとしている」というお店がありました。この場合は、××の方は店側からは提案せず、あくまでお客様からの希望があったら案内する、というやり方をとっていました。

これだけが解答ではありませんが、一つの基準として考えておくとよいでしょう。

すでに中に入ってしまっている場合はどうするべきなのか

ファミリーレストランなどの場合、すでに調理過程ですでにさまざまな食材が入れられているパウチや冷凍食品が届く、ということもあるでしょう。実例として、「ドリアはすでにチキンライスの上にチーズとホワイトソースがかかった状態で冷凍されており、オーブンで焼くだけになって届く。店舗で使う調理器具はオーブンのみ。チキンライスもホワイトソースも店舗では作らない」としているところがありました。

このような状況で、お客様に「このドリアが欲しいけれど、グリーンピースなしで作ってほしい」と言われたらどうでしょうか。

冷凍食品のなかからグリーンピースをすべて取り除いて作ることはできません。しかしだからといって、店舗の方には、チキンライスもホワイトソースも個別では存在していないわけですから作り直すこともできないわけです。

ただ、お客様の方は、「ドリアというのは、チキンライスをお店で炒めて、チーズとホワイトソースをかけて焼くのだろう。だからチキンライスを作る過程でグリーンピースを除いてもらえるだろう」と考えています。

このような場合、お店側とお客様の側で、「作り方」に対する認識の違いが生じます。そのため、お店側が「できません」と言っても、お客様は納得してくださらないこともあります。

冷凍食品を使っている、というのはマイナス要素にもなりかねないため、なかなか言いづらいことではあるでしょう。しかしお客様のご機嫌を損ねたり、納得できないという感情を抱かせたりするよりは、「実はキットになって届いておりまして、店舗側では調整ができないのですよ……」と説明してしまった方がよいかと思われます。

ちなみに私が実務についているときには、この説明に対してさらに詰め寄ってきたり、不満を仰ったりするお客様はいらっしゃいませんでした。声を潜めて、ちょっとした「打ち明け話」のような感じで言うといいかもしれませんね。

飲食店を経営している以上、このような「○○を抜いてくれ」という注文は必ずあります。イレギュラーな注文ですし、新人のスタッフを抱えている場合は混乱もあるかもしれません。

そのため、注文を受けたホール担当は必ずしっかりと調理スタッフに伝えるようにしてください。もしオーダーした内容がペーパーに印刷される形のシステムであるのなら、口頭で伝えるだけでなく、そのペーパーに「○○抜きでお願いします」などのように書いておくと失敗が少なくなるかもしれません。