飲食店でのお米の取り扱い方(保管場所・美味しい炊飯、保温)

飲食店を開業するにあたって、提供する料理のおいしさを向上することは必要不可欠です。日本人の主食である“お米”について、正しい保管法や炊飯方法をご存じでしょうか。白米は保管方法や期間によって大きく風味や味に差が出ます。提供までの時間、保温も必要になりますが、保温についてもどのように行うのがベストなのかを知っておくことが大事です。早速、飲食店でのお米の正しい取り扱い方について、学んでいきましょう!

保管場所と期間の目安

まず知っておかなければならないのは、お米は野菜であるということです。“米は腐らない”と思っている方もいるかと思いますが、お米だって時間が経過してしまえば劣化してしまいます。ですから、仕入れるときに注意しなければならないのが“購入してからどれくらいで、購入した量のお米がなくなるのか”を知っておかなければならないということです。

開業前は、毎日何食程度が売れて、何キロ(何升)のお米が必要なのかを推測することとなります。お米の保管期間として、一般的な目安は夏の暑い時期ですと大体2週間、比較的涼しい他の季節でも3~4週間が限度だと考えられています。ですので、おいしいお米が安いからといって大量に仕入れてしまうことのないように気を付けましょう。

お米はニオイが移ってしまいやすい野菜でもあります。精米していないお米(玄米の状態)であっても、玉ねぎといったニオイの強い野菜の側で保管してしまった場合や、風通しの悪い場所での保管を長く行っていた場合、不快なニオイがお米にしみこんでしまうのです。生米の状態ですと、嗅いでみてもそこまでニオイがしないことがありますが、炊飯後に不快なニオイがプンプンしますので、お客様に提供できるような状態ではなくなってしまいます。したがって、保管は“風通しがよく、ニオイの強い野菜とは別の場所”で行いましょう。

正しい保管を行っていないと、虫が湧いてしまいます。気温15度以上の場所で湿度もあると、一気にお米に虫が湧いてしまう場合があります。“冷暗所”での保管がかなわないという調理店ではお米に不安を抱えたままの稼働になってしまいますので、米用に野菜室の大きな業務用冷蔵庫を用意したり、鮮度保持専用の袋やケースといったものも販売されているので導入を検討したりしましょう。

お米のおいしい炊き方について

お米の炊飯についてどのように行っていこうかお悩みの方もいらっしゃることでしょう。市販の炊飯ジャーであれば、だれにでも簡単に扱えます。しかし、それでは量を確保できないことで何台も購入し設置する必要があります。お店の規模にもよりますが、飲食店では一般的にガス炊飯器を使用しています。お釜いっぱいにして炊かないことを徹底しておけば、強火力でふっくらモチモチに仕上がります。炊飯可能な分量の6~7割程度を目安に炊飯するとよいでしょう。

また、炊飯する際には少々油を入れたほうがツヤが出るというところや、にがりを入れると風味がよくなるというところがあります。どちらも入れるとなると、大さじ1~2杯程度で良いのですが、好みの問題もありますので無くても大丈夫です。開業前に一度、炊飯をしてみて好みのものを選択しましょう。

お米のとぎ方については、白く濁らなくなるまで水をかえてしまってはお米の持っている栄養分まで捨ててしまっているようなものなので絶対にやめましょう。でんぷん質と一緒に栄養素も流れ出ていってしまうため、量が多くなっても優しく素手で押し(揉み)洗いをする感覚で研ぎましょう。バケツ等で一気に大量のお米を、泡立て器を用いて研ぐところもあるのですが、それだと米が砕けて風味も味も見た目も損ねてしまいますから注意しましょう。

保温方法と保温可能な時間の目安

ガス炊飯器には保温機能がついていないので、保温のために保温釜を購入しておく必要があります。炊けたお米をガス炊飯器の中に放置しておいてしまっては、ふっくらした状態から徐々に水分が抜けていき、熱が冷めて劣化するお米の“β化(糊化)”が進むのでやめましょう。保温釜であっても、何時間でも入れておいて良いワケではありません。

メーカーによって差がありますが、だいたい4~5時間程度の保温を考えて制作されている製品が多いです。ガス炊飯器で炊飯したら、4時間程度を目安に保温をしましょう。時間が過ぎた場合は、まかないとして従業員に提供するなどして消化し、お客様に提供するために再度炊飯を行う必要があります。

いかがでしたか? 案外管理と調理、そして調理後の保温に手間がかかるお米。しかし、飲食店には必要な存在である“お米”。いかに正しく扱って、美味しいお米を提供できるか…それによってお店の評価が大きく分かれることもあるので、気を配っていきたいですね。