飲食店でお客様がお皿を割ってしまった!さてどうする?

ガシャン!と音がして慌てて駆け付けるとそこには散乱したお皿の破片……。

飲食店を経営している人にとっては、「お客様が食器を割ってしまった」というトラブルは比較的身近なものだと言えるでしょう。
さて、このような場合は、店側としてはどのように対応をしていけばいいのでしょうか?

まずはお客様にけががないかを確認しよう

食器の割れた音を聞いた、あるいはお客様からのお声掛けがあって食器が割れたことに気づいた、となれば、従業員が真っ先にすべきは、まずはお客様の安否確認です。「おけがはございませんか」とお聞きし、お客様の状態を確認しましょう。

もしけがをしていれば、応急手当のためのタオルやばんそうこう、消毒液などを用意してすぐに手当てをしてもらうように指示をします。大きなけがをしていたり、出血がひどかったりするようなら、場合によっては救急車を呼ぶ必要があることもあるでしょう。

この初動を誤ってしまうと、大きなトラブルになりかねません。まず心配するべきは、食器や後片付けではなく、お客様のことです。また、中身入りの食器を割ってしまったという場合は、火傷などがないか、洋服に汚れはないかなども確認します。

席に余裕があれば席をうつってもらおう

多くのお客様は、食器を割ってしまうとそれを自分で片付けようとします。ただそのときにけがなどをされては困るので、従業員がやりますので、として従業員が片付けをやるのがよいでしょう。また、席に余裕があるのならば、「破片が飛び散っていると危ないので……」と、お席を移ってもらう方がよいでしょう。

また、東京などの場合は席と席の間が狭く、ほかのお客様のところにまで破片が飛び散っている可能性も考慮しなければなりません。これも従業員が片付けましょう。また、「破片は大丈夫でしょうか」などの心遣いができれば、さらによいと思われます。

片付けは迅速に。まずはちりとりとホウキで大きな破片をとります。その後、可能ならば掃除機を丁寧にかけましょう。ただ掃除機に関しては周りのお客様が不快に思われる可能性もありますから、周りのお席に事情を話して許可をとってからの方がいいかもしれません。

万が一にでも破片が残っていては、次のお客様がけがをしてしまう可能性もあります。特に椅子や机の上は念入りに掃除をしてください。

お皿の弁償について

大多数のお客様はお皿を割ってしまった時、「すみません、弁償させてください」とおっしゃるでしょう。ただ、これに対して実際に弁償をお願いするケースというのは、極めてまれです。

民法709条においては、皿などを割られた場合は損害賠償責任を負わせられる、とされています。ただ、その場合も全額を払う必要はないと考えられています。また、飲食店においては、食器が割れてしまうなどというのは想定内の話です。基本的には断ることになるでしょう。

仮に、非常に高額な食器を使用していたとしても、原則としてはこの対応になります。「おけががなくてよかったです。弁償などは本当、お気になさらないでください。よくあることですから」と言えば、お客様も安心されるかもしれませんね。

ちなみに、「特別に高額な食器ですから、十分に気を使って扱ってください」などのような申し送りをしていた場合は、一応協議の元で金額を決めて賠償してもらう……という可能性もありますが、飲食店において、このような申し送りがされることはまったくといっていいほどないでしょう。

相手がふざけて割った、悪ノリしていて割った、という場合は毅然とした態度を

このように、一般的なケースでは、「まずはお客様のけがを心配して」「従業員が片付けて」「お客様からの申し出があったとしても、弁償などはしてもらわない」というようなかたちになるでしょう。

ただし、相手がふざけて割った、悪ノリしていて割った、という場合は話は別です。

あまりない話ですが、なかには「お客様だ」という立場にあぐらをかき、無茶苦茶な行動をする人もいます。大声で騒いだり、わざと食器を乱暴に扱ったり、カトラリーを落としてわざと従業員に拾わせたり……などの蛮行は、実例としてもあがってきています。

このような行動のなかで食器が割られてしまった場合は、法律的にも、全額賠償を求めることができます。あまりにも悪質でほかのお客様にもご迷惑になってしまうという場合は、出入り禁止処分も含めて検討するとよいでしょう。

飲食店にとって、「皿が割られること」はよくあることです。それに対してきちんとした対応を取ると、お客様は「心配してくれているんだ」「こちらのミスなのに、フォローしてくれるんだ」と感じますし、お店の好感度もあがります。息の長いリピーターになってくれたり、良いクチコミを広めてくれたりする可能性もありますから、お店側にもメリットがあります。

また逆に、悪ふざけによる損害に対して毅然と向き合っていくことは、トラブルメーカーを遠ざけ、お店を守ることに繋がります。