ペット可の飲食店、NGの飲食店

「ペットは家族の一員」という認識も広まり、ペット関連の市場も広まってきている今、「ペットと一緒に食事を楽しみたい」と考える人もいます。しかしこの「ペット」、「飲食店」という枠組みで考えるとき、なかなか難しい問題をはらんでいるのも事実です。

飲食店を営む人が気にしたい、「ペット」の話について見ていきましょう。

食品衛生法から見る、飲食店とペットの関係性

まず、「そもそも飲食店にペットを連れ込むことは、法律に違反しないのかどうか」という観点から見ていきましょう。

食品衛生法の第二、「衛生措置(自動販売機によるものを除く。)」の二「施設の管理」の(七)においては、「作業場には、営業者及び従事者以外の者を立ち入らせたり、動物等を入れたりしないこと。ただし、営業者及び従事者以外の者が立ち入ることにより食品等が汚染されるおそれがない場合は、この限りでないこと。」と定められています。

これを読むと、「ペットはやっぱり連れ込んではいけないんだ」と思うかもしれません。しかしこの文章のなかの「作業場」というのが、重要なキーワードになります。つまり、料理を作ることをメインとする「作業場」には入れてはいけないけれど、ホールに連れ込む分には法律的な縛りは受けない、と解釈することができるのです。

引用:厚生労働省「食品衛生施工条例」
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010895001.html

盲導犬や介助犬の存在について

ドイツでは一般的なレストランに、普通にペットがたくさんいます。日本でも、いわゆる「ドッグカフェ」「猫喫茶」などがたくさんありますから、飲食スペースにペットや動物を連れていく、というのは、現在ではそれほど珍しいことではないのかもしれません。

また、盲導犬や介助犬の存在もあります。
彼らは、体が不自由な人の目となり耳となる、非常に重要な役割を持った犬たちです。かつては「イロモノ扱い」「それでも、動物は動物」と思われてきましたが、現在は彼らの活躍も広く知られるようになり、「動物」ではなく「その人の目(耳)」という認識をもたれるようになりました。

彼らはきちんとした訓練を受け、決して無駄吠えをしません。また、暴れることも騒ぐこともなく、常に忍耐強く、誇りをもってパートナーに付き添います。そのため、彼らが店のなかに入ることは決して責められるべきことではありません。また、岐阜県の出したものでは、「盲導犬などは作業場にいれてもよい」という旨が記されています。

同じ「動物」であっても、介助犬の持つ役割や性質は、一般的な「ペット」とはまったく異なります。
そのため、彼らが店に入ることを断る飲食店はないでしょう。

その上で考えたい、ペット可にする意味、メリット、デメリット

ここまでを前提として、「ペットを入れることを良しとするか、それともNGとするか」について考えていきましょう。

ペットの入店を許可すると、その飲食店にはペットを連れてきたいと考える人が訪れることでしょう。特に夏場の暑い時期などは、「犬の散歩中、疲れたので休みたい。しかし炎天下のなかで犬を外につないでおくのも心配だ」という飼い主にとってはありがたいお店となるでしょう。また、そこに来るお客様同士の交流によって、お店がにぎわったり、評判がよくなったりして、お店にとって経済的なメリットがもたらされることもあります。
場合によっては、連れてこられるであろうペットをあてこんだ商品をつくり、商売につなげることもできるかもしれません。このような観点から、「ペット可の飲食店」をつくることには、メリットがあると言えるでしょう。

ただ同時に、「デメリット」があることも知っておいてほしいと思います。
人間はだれしもが動物好きなわけではありません。大型犬やヘビなどは、飼い主にとっては可愛いペットであったとしても、ほかの人にとっては恐怖の対象となることもあります。特に大型犬の場合、「飼い主には従順だが、ほかの人には威嚇をしてかみつく」ということもあり得ます。
また、ペットにアレルギーを持つ人にとっては、動物はアレルゲンとなり得ます。
心理的に、「ペットがいる飲食店は、衛生的でなくて嫌だ」と感じる人もいるでしょう。臭いが出ることもあります。これらを厭う人にとって、「ペット可」の飲食店は避けたいものとなるでしょう。

ペット可の飲食店も、ペット不可の飲食店も、どちらが良い・悪いという問題ではありません。ただ、すみわけができないことは、ペットを連れて入りたいという人にとっても、ペットのいる飲食店を避けたいという人にとっても不幸なことです。また、

そのため、あなたがペット可の飲食店をやりたいのであれば、そして積極的にペットを受け入れたいというのであれば、お店のホームページや店の入り口にその旨をしっかりと記しておくとよいでしょう。こうすることで、無用なトラブルは避けられます。
また、ペットを招き入れる飲食店にする場合は、普通の飲食店以上に衛生にはこだわりましょう。