飲食店の社員割引によるメリットをどう考えるか?

飲食店のアルバイト募集をしている情報誌などによく書かれているのが、「社員割引あり」「まかないあり」の文字です。
社員割引を導入するべきか導入せざるべきか、ほかの飲食店ではどのような社員割引をしているのか、社員割引のメリットとはどんなものか――――こんな風に悩む経営者もいるのではないでしょうか。

今回は社員割引について考えていきましょう。

そもそも社員割引とはどんなものか

だれもが知っている「社員割引」という単語ですが、今一度、これについてきちんと見ていきましょう。

社員割引とは、会社側が社員に対して行う福利厚生制度の一つです。そのため、社員割引の設定は各社に任されています。まったく社員割引がなかったとしてもそれは違法ではありませんし、逆に非常に厚くしていても問題はありません。また、アルバイトと正社員の間で待遇に差があっても問題にはなりません。あくまで福利厚生制度の一つであるため、その設定は経営者の意向によって決めることができます。

なかには、「経営状況がよいときは社員割引を厚くして、そうでないときは薄くする」としているところもあります。このやり方はたしかに賛否両論はありそうですが、社員割引が経営者が自由に設定できるものだと考えるなら、たしかに理論的にはまったく間違っていないと言えます。

飲食店でよくある社員割引とは

ブティックなどの場合は、社員割引として自社製品を買うときには30パーセントほど割引になる、というところもあります。またデパートなどの場合は、そのデパートに入っているお店の商品ならばどの商品でも10パーセント引きになる、としているところもありました。

飲食店での社員割引はどのようなものが多いのでしょうか。

上でも述べたように、社員割引というのはそのお店、その会社ごとで自由に定めることができます。そのため、一概に言い切ることはできません。ただ、一般的には、「メニューの料金から10~30パーセント程度オフにする」というところが多いのではないでしょうか。また、「まかない」として、就業中に食べる食事は全額お店側が負担する、というケースもあります。(ただしこのケースの場合、オーダーミスの商品があればそれを食べなければいけない、などのような制限が加わることもあります)

社員割引が使える範囲というのも、お店ごとによって違います。一例として、「就業中にメニューから選んで食べるのであれば50パーセントオフ、プライベートで来店した場合は30パーセントオフ。ただし、まかないというかたちで無料で料理を提供することはない」としているところなどもありました。

社員割引を設けるメリットとはどこにあるのか

社員割引を作ると、店側は、簡単に言うと損をするわけです。そのため、「できれば社員割引を設定したくない」と考える経営者もいるでしょう。
ただ、社員割引を設けることにはメリットもあります。

社員割引を設けて、それをアルバイト募集の広告などに載せると、応募者が増えることを期待できます。特に一人暮らしの学生などの場合は、「食費のやりくり」「調理の手間」を重んじます。「自分でお弁当を作るのは大変」「だけどバイトのたびにコンビニを使うとなるとお金がかかる」と悩んでいる学生は意外なほどに多いものです。

そして学生の場合は、明確に「絶対にこのお店で働きたい!」という意志を持つケースはそれほど多くなく、「条件にあうところ、条件がよいところで働きたい」と考えていることが多いと言えます。そんな学生にとって、「プライベートで利用しても社員割引が使える、そのうえまかないは0円だ」としている働き先は非常に魅力的に見えるわけです。

実際に、「学費以外は全部自分で稼いでいるので、生活をやりくりするためにはまかないが0円、社員割引があるところではないと働けない」と語っていた学生もいました。

もう一つ、飲食店ならではのメリットとしては、「社員(アルバイト)がお店の料理を食べられる環境を整えられる」ということです。どれだけ丁寧にマニュアルを読んで、どんな味なのかを伝えられたとしても、自分で食べていない人はなかなかうまく料理を説明することができません。「百聞は一食にしかず」とでもいうべきでしょうか、一度その料理を食べておくか食べておかないかで、お客様への説明内容が変わってきます。

社員割引を設ければ、従業員がお店の料理を実際に食べやすくなります。その結果として、より厚く説明ができるようになるので、お店の接客レベルも向上します。

社員割引は、たしかに経済的な面ではお店側に負担が大きいものかもしれません。しかし福利厚生の一環として、より多くの人に募集してもらうための手段として、そして接客技術の向上の方法として役立てることができるのも確かです。従業員との関係を円滑にすることもできますから、一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。