飲食店なら絶対知っておくべき!食中毒についての知識

「食物アレルギー」と同じくらいに警戒すべきもの。それが「食中毒」です。

飲食店で起こる食中毒は、飲食店がもっとも多い

食中毒は、発生場所が特定できたものとできていないものがあります。年によって違いはありますが、全体の25パーセント程度は、原因となった施設が不明です。

ただ「この場所で起きた」と判明している案件については、「飲食店」がもっとも多く、全体の50~60パーセントほどを占めています。飲食店を経営する人にとって、食中毒は非常に身近なトラブルであることが分かるでしょう。

意外に思われるかもしれませんが、食中毒が一番起こりやすいのは、実は冬の時期です。1年でもっとも食中毒が起こりやすいのは1月で、その後に2月、3月と続きます。食べ物が腐りそうな夏、特に8月などは、実は1年のなかでもっとも食中毒が起こりにくい月であり、その発生件数は1月の2分の1以下となっています。

食中毒の分類について

食中毒は、大きく分けて、「細菌性」「化学性」「ウイルス性」「自然毒性」の4つに大別されます。冬場はウイルス性の食中毒が増え、夏場は細菌性の食中毒が増えます。細菌性はさらに2つに大別されます。サルモネラ菌や病原性大腸菌といった「感染型食中毒」、ボツリヌス菌などの「毒素系食中毒」です。

化学性食中毒は、確かに「食中毒」の一種ではありますが、これはヒ素などによるものであるため、飲食店ではそれほど問題にならないでしょう。自然毒の食中毒はフグやキノコなどが代表ですが、飲食店の場合はこれらを専門に調理する人間がいるはずですから、やはりリスクはそれほど高くはないと思われます。

食中毒の症状について

食中毒の症状は実にさまざまです。下痢や腹痛、そして吐き気(実際に嘔吐を伴うこともあります)が主な症状ではありますが、それ以外にも発熱などが起きる場合もあります。

ボツリヌス菌による食中毒は、特に悪質です。これは、手足のしびれや呼吸困難、あるいは神経のマヒなどのように非常に重篤な症状を伴うことが多く、とても危険です。日本では、「飯鮨(いずし。なれずしの形態の一つ)」に発生することがあり、注意が必要です。

飲食店で起こる食中毒は、その形態上、家庭で起こる食中毒よりも大規模になることが普通です。食中毒が起きたことで営業停止になったレストランもあります。

食中毒を予防する方法について

食中毒は一度起きてしまうと、非常に大きな問題になります。そのため、何よりも予防が大切です。

食中毒を起こさないためには、まずは保存に気を配ることが大切です。生物は必ず冷蔵庫に入れて保管します。冷凍食品はマイナス18度以下で管理しましょう。

きちんと温めることで、多くの細菌は死滅します。そのため、加熱用の魚や肉などは、65℃以上の温度を保ち、しっかりと加熱しましょう。なかには加熱ではなかなか死なないものもありますが、それでも加熱が有効な対策の一つであることには間違いありません。

体調の悪いスタッフは出勤を禁止します。また、出てきたスタッフにも、手洗いを徹底させるようにしてください。トイレの後や食品を触る前だけでなく、休憩から戻った後も爪のなかまでしっかり洗うようにします。アルコールでの除菌も有用です。服が不潔であると、衛生状態が悪くなります。洗濯をこまめに行い、きれいな状態を保ちましょう。

盛り付ける器にも気を配ります。きちんと汚れが落ちているか、食器棚などに片付けるときはきちんと水がきれているかなどを必ずチェックします。不安要素があるようならば、もう一度洗いましょう。食洗器を使っている飲食店も多いと思われますが、食洗器のなかの洗浄も充分に行います。

それでも食中毒が発生してしまったら

食中毒は、もちろん起こさないようにすることが一番大切です。ただ、長く飲食店を続けている途中で、「食中毒になった」というクレームが入ってくる可能性は否定しきれません。

その場合は店側が医療費を負担し、すぐに病院に行ってもらいます。この際は店の人間がついていくことが望ましいと言われています。店側の誠意の表れでもありますし、悪質なクレーマー(医療費を水増しして請求するなど)を防ぐためでもあります。

クレームがあったことは共有し、すぐに原因の追究に努めます。その結果として、たしかに店側に責任があったのならば、速やかに店を一度閉めます。また、それを隠すことなく通知します。お客様にはしっかりと謝罪をしてください。また、店側に責任がなかった場合でも、一度はお客様のお宅にまで足を運びましょう。

さまざまな飲食店トラブルがマスメディアやインターネットの世界で取り上げられています。しかしその多くのケースは、「何か問題が起こったこと」ではなく、「起こった問題にきちんと対応できなかったこと(特に隠滅しようとしたケース)」が問題になっています。

万が一、店側の責任で食中毒が起こった場合であっても、それにきちんと向き合い誠実に対処していけば、被害は最小限に抑えられます。