飲食店における異物混入〜誤ってほかの食材が入ってしまった

「飲食店におけるトラブル~異物混入、髪の毛や虫」でも紹介しましたが、「本来は入っていてはいけないものが、料理に入り込んでしまうこと」というのはままあります。
今回はそのなかから、「飲食店におけるトラブル~異物混入、誤ってほかの食材が入ってしまった」についてとりあげましょう。

大きな問題になることは比較的少ないが……

「ほかの食材が入ってしまった」というケースには、大きく分けて2パターンあります。

1つめが、「そもそもソースなどを間違っていたケース」です。
たとえばハンバーグステーキで、照り焼きソースをかけなければならないところをトマトソースなどをかけてしまった、というようなケースです。このようなケースではお客様の方でも気づきやすいですし、料理が出てきた段階でホール担当者が気付く場合もあるでしょう。

「気づかなかった」というケースでは、以下のようなものが考えられます。
飲食店のなかには、デザートは厨房担当者ではなく、ホール担当者が作るというケースもあります。そしてそのホール担当者が、まだ入って間もない人間であったため、間違ってしまったということもあるかもしれません。
また、お客様ご自身も特に気付かずにそのまま食べてしまうこともあるでしょう。このような場合、下げてきた皿などでほかのスタッフが気付くこともありますが、基本的には問題は起こりにくいと思われます。

もう1つのケースでは、「トングの使いまわしをしていたり、料理を盛り付けている横で仕込みをしていたりしていて、本来は入るべきではないものが入り込んでしまった」というものです。
これも、生で食べられる食品同士、あるいは両方とも加熱して出す料理の場合はあまり大きく取り上げられることはありません。

「問題にならないから」「言われないから」大丈夫、ではない

「ほかの食材が入ってしまった」という場合、髪の毛や虫とは違い、「食品同士」であるため、上記でも述べたように大きな問題になる可能性は低いと言えます。多少違和感を覚えても、「まぁいいか」と店員に言わずに食べる人も多いでしょう。

ただ、「問題にならないから」「言われないから」大丈夫だ、というわけではありません。

なぜならそこには、アレルギーの問題があるからです。

ここでも何度かとりあげていますが、「アレルギー」は非常に大きな問題です。人によっては命までを奪われてしまいかねないものです。「この料理にはアレルギーの食材が入っていないから安心だ」と思って注文をしているのに、いざ頼んだものにアレルゲンが入っていた……ということになると、そのリスクは計り知れません。

「ソースが違う」などのように表面化しやすいものならばまだしも、厄介なのは後者のケースです。トングについていた食材を十分に落とさずにほかの食材の盛り付けに使ってしまった場合、「トングについていた食材」が少量混入することがあります。量が少ないためお客様も店員も気づかない、ということも考えられます。このような状態でアレルギー症状が起きた場合、お客様も店員も理由が分からずパニックを起こしてしまう可能性もあります。

また、生肉などを包丁でたたく作業などがある場合、その生肉が「仕込んでいる最中の生食用のサラダ」などに入ってしまうと、これもとても危険です。

対策はどうすればいいのか

このような「異物の混入」を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。

まず徹底したいのが、「調理器具の洗浄」です。これは多くの飲食店でやっていることであり、清潔に手入れした調理器具を使うことで異物の混入を避ける、というもの。デザートの場合は、「バニラアイスの盛り付けはこれを、チョコレートケーキのトングはこれを」というように、用途ごとで分けておくと安全性も高まるでしょう。

生肉など、加熱をしなければいけない食材は、生食用の食材とは分けて管理をします。
また、何よりも徹底したいのが「手洗い」です。
「これくらいいいだろう」「時間がなかったから」「早く作らなければと焦ってしまって」と言いたくなる気持ちもあるかもしれませんが、手洗いをすることで異物の混入リスクを減らすことができます。また、生肉などを触った手は、目には見えませんがたくさんの菌がついています。食中毒を防止するためにも、必ず手洗いを行うようにしてください。

加えて、「異物混入によるリスク」を従業員教育のなかに織り交ぜることも重要です。アレルギーのない人の場合、アレルギー症状が怖いということをなかなか理解しにくいかもしれません。このような考えを矯正していくことも、従業員教育の務めです。

「食べられるものだから」「多少入っていても大丈夫だろう」「食材が少し混じってしまったところで……」という考え方を持つ人もいるでしょう。しかし、アレルギーがある以上、そのような考えは危険です。また、生食用と加熱用の食材の使い分けを徹底するという意味でも、異物混入に対しては対策を講じるべきです。