飲食店での食材のロスを改善するための方法

飲食店を経営するうえで考えておきたいのが、「食材のロス」です。食材をロスすることのデメリットとその対策についてみていきましょう。

「食材のロス」がもたらすもの

食材のロスとは、文字通り、使われなかった食材を破棄することを言います。これにはさまざまな問題があります。

まず一つめに、「食材の費用が無駄になる」ということ。食材を購入するには当然お金がかかりますが、これが無駄になります。次に考えたいのが、「地球環境への配慮」です。現在は飲食店でも、イメージ戦略もかねて、「ゴミを削減しよう」とする動きが広まっています。食材を捨てるということは、ゴミが増えることに繋がり、地球環境を考えたうえでも決して褒められたものではありません。

ゴミが増えるということは、それを入れるゴミ袋や、回収する手間暇や料金がかかるということでもあります。これは1回1回はそれほど大きなものではありませんが、飲食店ででる食材のロスは、一般家庭のそれとは比べものになりません。チリもつもれば……ということで、徐々に負担が増えていきます。

このように、食材のロスは、地球環境的にも経済的にも決してよいものではないのです。

飲食店での「食材のロス」は何が原因か

では、飲食店での「食材のロス」はいったい何が原因なのでしょうか。

農林水産省のデータによれば、飲食店で出る食材のロスのうちの58パーセントが「お客様の食べ残し」であると言われています。よく残される代表格の「パセリ」、口にあわなかった、おなかがいっぱいだった……ということででる廃棄物が問題となっています。もっともこれらは、「費用」はいただくわけですから、「食材の費用が無駄になる」ということはありません。地球環境やゴミの削減によくないというだけではあります。

次に大きいのが、「飲食店側での仕込みすぎ」です。これが39パーセントを占めています。流通や保管過程、あるいは仕入れ過程ででる食材のロスというのは、実は、2つあわせても5パーセント以下にすぎません。

具体的な対応方法

では、ここからは「具体的な対応方法」について見ていきましょう。

「お客様の食べ残しによって食材のロスが出る」というのは、店側では対応がなかなか難しいところではあります。どんなものが口にあうのか、どんなものが嫌いなのかは人それぞれ違います。料理がおいしければ残される可能性は低くなるかもしれませんが、おなかの許容量や味の好みは人それぞれ違うからです。

ただ、予約を受け付ける段階で、「アレルギーや嫌いな食材はありませんか」とお尋ねしておくことは有効でしょう。こうしておけば、「残す理由」の1つを減らすことができます。お客様の方でも、「気の利くお店だ」と好感触を抱くでしょう。また、アレルギーによるトラブルを防ぐことにも役立ちます。仕込みの段階では大変になるかもしれませんが、まずはこれをやってみましょう。

飲食店側が特に気にしたいのが、「仕込みすぎ」の方です。仕込んだはいいけれども、当て込んでいたお客様の数がこなくて、結局賞味期限がきれてしまった……というもの。これも、お客様の出入りのすべてを把握できない以上、完全にコントロールすることは難しいでしょう。

ただ、普段のお客様の数や注文の統計をとっていき、できる限り正確に、「必要な数」をはかりましょう。まったく食材のロスを出さない、というのは難しいかもしれませんが、これによって絶対量は減らせます。また、「どんな食材のロスが多いか」をしっかりとチェックしていけば、それの仕込み量を減らすこともしやすくなります。「食材のロス帳」などを職場に用意して、捨てることになった食材をメモさせるとよいでしょう。

店側のミスによる食材のロスは防げる

最後に述べたいのが、「飲食店側のミスによる食材のロス」についてです。

上であげた2つは、どうしても不確定要素が絡んできます。しかし、「飲食店側のミスによる食材のロス」は、経営者がきちんと教育をすることでリスクを減らすことができます。

・オーダーミスによる料理の廃棄。
・後出しや先出しをしっかりと確認できなかったことによる大量廃棄。
・一食に使うべき食材の量が、マニュアルに比べて多すぎる。
・食材がきちんと管理できていなかった。
などのような例です。

オーダーミスは、正式名称の復唱によってリスクを下げることができます。また、お客様からの特別な注文(「バニラアイスを抹茶アイスに変更して」など)は、キッチン側とホール担当側でしっかりと認識を共有してください。

後出しや先出しは、「新しく配送された荷物や作ったポーションを、奥側に入れる」というごく単純なことで防止できます。

マニュアルは、一度読むだけでなく、何度か見返すように指示します。もし、たびたび多く盛りすぎるスタッフがいる、という場合は、一度きちんとした量の料理を目の前で作って見せましょう。それでもダメな場合は、計量カップなどを使用するように指導します。

食材の管理は大切です。冷たいものは冷蔵庫に、というのはだれもが当たり前にやっていることですが、それに加えて、「蓋を必ず閉める」「冷蔵庫などの清掃をしっかりし、どこに何があるのかを把握しておく」などの行動が必要です。