飲食店でのワインやお酒の値段の付け方について

飲食店でワインやお酒を出すというところは多いのではないでしょうか。居酒屋やレストランだけではなく、ファミリーレストランなどでもお酒を扱うところがあります。

飲食店の責任者がもっとも気にするのは、やはり「経営」「売り上げ」「利益率」でしょう。
今回はそれを、「ワインなどのお酒」という観点からお話していこうと思います。

お酒は原価率が低い、というのは本当か

よく、「お酒の原価率は低い」と言われていますがこれは本当でしょうか。

飲み放題のプランを設けている飲食店は少なくはないはずです。しかしこれについて、「お客側の立場」から疑問を抱いた人もいるのではないでしょうか。「なぜ飲み放題のプランなどを作っているのに、もうけが出るのか」ということです。

これは、飲み放題のプランを設定しているところは原価率の低いお酒などを扱っていることが多いことが関係しています。女性に人気のサワーなどは原価率が10パーセント程度であり、非常に「稼ぎやすい」お酒だと考えられます。対してビールなどは原価率が30パーセント台になっています。

ワインはもともと高価です。そのため、提供するときの金額も高くなります。これも原価率は30パーセント程度でしょうか。ただ、私の実体験ですが、以前お店で出されたワインがおいしくて家で調べたところ、原価率が50パーセント程度だったこともありました。(もちろん大量発注などで安くなっている可能性はありますが)

このため、「お酒の原価率は低い」というのは実は必ずしも正しくないとわかります。正確に言えば、「原価率が低いお酒もあれば、原価率が高いお酒もある」ということになるのです。

原価率は現在上がってきている

原価率を下げることで、店は短期的に利益を出すことができます。飲食店を経営するなかで一つの目安となっているのが、「原価率は30パーセント」というものです。これくらいに抑えておけば、利益はあがり、店は順調に回ると言われていました。

しかし現在はこのような考え方は時代遅れと言われています。

一説には、「良い成績を挙げている飲食店の原価率は50パーセント近く、そうではないところの場合は40パーセント程度だ」といわれています。

原価率を上げることは、たしかに店にとってはリスクとなり得ます。しかし料理やお酒がおいしく、コストパフォーマンスが良いとお客様が判断されれば、そのお店の評判はあがります。そしてこのようなお客様は常連になり、さらにたくさんのお客様をつれてきてくれます。

料理やお酒を評価するとき、お酒を飲める年齢の人であるのなら、単純に「安さ」だけでなく、「安さと品質のバランス」も評価します。どれほど安いものであってもおいしくないものは「高い」と感じますし、多少値段がはるものであってもおいしいければ「安い」と感じます。

そのため、お店のなかには、「ワインの料金を設定するとき、安いものの方が原価率が安く、高いワインの方が原価率を高くしている」というところもあります。

お酒の値段設定について

このようにして理論立てて考えていくと、飲食店で出すお酒の値段を決めやすくなるのではないでしょうか。

たとえば、サワーやチューハイ。これらは1杯あたり200円以下でも十分元がとれます。お店によっては、一つのウリとして、これらを100円という「ワンコイン」に設定しているところもありますね。

ビールなどはなかなか原価率を下げることが難しいでしょう。しかし安さをウリにしているお店では、生ビールを200円で提供していました。なお、そのお店では、従業員がお客様に「瓶ビールを出してくるんでしょ? 生ビールで200円なんてありえないもんね」とよく聞かれていたとか。

ワインに関しては値段設定が難しいと思われます。ただ、仕入れ値が1000円であるのなら、3000円程度までで抑えるケースが多いのではないでしょうか。ワインを一つの目玉にしているところの場合は、「ローコストだけれどもおいしいワイン」を選んで仕入れて、お客様にオトク感を持ってもらうのも一つの手です。これはうまくいけば、お店にとってもお客様にとっても非常にメリットが大きい方法と言えるでしょう。

お酒の値段設定は、お店の経営にも大きく関わってきます。居酒屋やワインバーの場合は、特にその傾向が顕著です。また、同じお酒を途中で値上げをしてしまうと、常連のお客様などから「ああ、値段があがったんだな」とすぐに気付かれてしまい、客離れを生んでしまいます。そのため、一度設定した値段を何度も頻繁に変えるのは考えものかもしれません。そのため、初めの値段設定がとても重要です。

もっとも、「平日はお酒が安くなる」などのキャンペーンを行うのはいいかもしれません。お酒を出す店というのは、平日はどうしても客足が遠くなりがち。しかしお酒の値段を平日だけ割引にすることで、お客様がきやすい環境を作ることもできます。