天吹(あまぶき)[天吹酒造:佐賀県]

300年以上の歴史を有する老舗蔵

元禄元年(1688年)創業の天吹酒造は、300年以上の歴史を有する県内でも老舗の酒蔵です。

天吹山の名にちなんで

屋号と代表銘柄に使われている「天吹」の名は、蔵元の北東方向に屹立する天吹山にちなんでいます。

天吹酒造の建造物が文化財に指定

平成25年、佐賀県三養基郡みやき町にある天吹酒造の建造物が「佐賀県の22世紀に残したい建造物」と「国の登録有形文化財」に指定されました。

国指定を受けたのは、主屋、離れ座敷、焼酎貯蔵庫、仕込み蔵、煙突など。築300年以上が経った建物は威風堂々とした佇まいで、地域のシンボルとして観光名所にもなっています。同蔵元では随時、酒蔵見学を受け付けています。

脊振山系の伏流水を仕込み水に

脊振(せふり)山系(標高1054メートル)に源を発する伏流水は、角の取れたまろやかさが特徴です。天吹酒造はこの伏流水を仕込み水に銘酒「天吹」を醸しています。

佐賀平野で収穫された酒米で醸す

県下一の米処・佐賀平野で栽培された酒造好適米が中心。純米吟醸酒などを醸す酒米は自家精米しています。

「花酵母」で醸した「天吹」の味わい

酒造業界が一目を置く「花酵母」の生みの親・中田久保氏は、東京農業大学短期大学部醸造学科の教授を務めています。天吹酒造は、中田氏らが自然界から分離した花酵母を自らの酒造りに取り入れています。その種類は多種多様で、アベリア、イチゴ、月下美人、つるバラ、シャクナゲ、なでしこ、ひまわり、ベゴニア、マリーゴールドなどです。

「限定吸水」で酒米の持ち味を引き出す

酒造りの中で、精米した酒米を水に浸す「浸漬」の工程がありますが、白米が水を吸収しすぎないように時間を推し量り、吸水を制限することを「限定吸水」といいます。同蔵元は、漬浸時間を意図的に短縮するこの方法で高級ラインの「天吹」を醸しています。

冷蔵庫や地下貯蔵庫でじっくり熟成

近年、タンク貯蔵よりも瓶貯蔵に重きを置く同蔵元は、その分、味や風味を保つための貯蔵にも余念がありません。純米酒などは冷蔵庫で保管し、夏場は20℃以下の温度帯を保っています。また、年間を通して気温変化の少ない地下貯蔵庫を利用し、じっくりと長期熟成。コクとうま味を引き出しています。

山廃造りで醸した意欲作

「天吹 山廃仕込純米酒 雄町」は、櫂(かい)入れをせず、割り水や濾過も行わない古式製法「山廃(やまはい)造り」で醸した意欲作です。しっかりとした味わいとキレの良さが特徴です。