東力士(あずまりきし)[島崎酒造:栃木県]

江戸末期創業、170年余の伝統蔵

島崎酒造の創業は江戸時代末期の嘉永2年(1849年)で、下野国芳賀郡中川村(現在の栃木県茂木町)において酒造業を始めました。現在地の那須烏山市に移転したのは明治3年(1870年)。170年余りの歴史を刻み、烏山の歴史と文化をともに生きてきた名酒蔵です。

代表銘柄「東力士」の名の由来

勇壮な銘柄の「東力士」は、二代目当主の島崎熊吉氏が無類の相撲ファンだったことに由来しています。

どうくつ蔵で貯蔵

島崎酒造は、第二次世界大戦末期に計画された戦車製造の地下工場跡地を低温貯蔵庫として利用しています。

年間平均温度は約10度前後。約720坪からなる広大な場所で、約20万本の一升瓶の貯蔵が可能です。日光がまったく入らない闇の世界は、熟成した酒を造るのに最適の環境です。現在も約13万本の酒が眠り、1年以上の眠りから覚めた極上の酒「熟露枯(うろこ)」を届けてもらう「オーナーズボトル」という制度もあり、日本酒ファンに好評です。

栃木県東端の自然豊かな城下町

蔵を構えている那須烏山市は栃木県の東端に位置し、城下町として独自の歴史と文化を育んできました。西に日光連山、北に那須連山、東に八溝山地を望み、清流・那珂川が流れています。みかん栽培の北限としても知られており、同蔵元はこうした豊かな自然環境の中で銘酒「東力士」を醸しています。

清流・那珂川の伏流水

「東力士」の仕込み水は、那須山麓より沸き出でて、この地を流れている清流・那珂川の伏流水です。原料米も良質な品種を選り抜き、丹精を込めて酒を醸しています。

いち早く長期熟成酒に取り組む

同蔵元は昭和45年(1970年)から、大吟醸酒を中心とした長期熟成酒の製造に取り組み始めました。以来、約45年の歳月をかけて、貯蔵・熟成の経験と実績を積み重ね、熟成酒を育ててきました。現在では国内屈指の長期熟成酒造りの先駆的存在です。

普通酒からオーナーズボトルまで

その名前の通り、どっしりとした濃厚なうまくちが特徴の「東力士」。定番商品として地元で愛飲されているのが「東力士 本醸造 辛口」「東力士 本醸造 秘伝 旨口」です。うま味の中にもさわやかなキレと後味のよさがクセになります。版画のボトルでお馴染みの「東力士 にごり酒」も味わい深く好評です。どうくつ酒蔵のオーナーズボトル「熟露枯」は、「五百万石」と「山田錦」を原料米にした2種類の「純米吟醸 山廃」と「純米原酒 山廃」があります。長期熟成酒ならではのまろやかな味わいが楽しめます。