元文(げんぶん)[布屋原酒造場:岐阜県]

清流・長良川のほとりで

元文5年(1740年)創業の布屋 原酒造場は、霊峰・白山連峰を遠くに望む、清流・長良川沿いで「元文」を醸してきました。現在は十二代目当主が伝統の酒造りを継承しています。

創業時に建てられた蔵は今なお現役で、仕込みなどの工程で使われるほか、その風雅なたたずまいは地域のランドマークにもなっています。

名前に秘められた長大な歴史

「布屋」の屋号は平安時代の混乱期に、藤原姓を名乗っていた先祖が源氏に追われ、その時、布をまとって身を隠したことに由来します。代表銘柄「元文」の名は、創業時期の年号「元文」を引用しました。

長良川の伏流水で醸す「元文」の味わい

岐阜県のほぼ中央に位置する郡上市は、周辺を深い山々に囲まれた内陸地で、北の端を位山(くらいやま)分水嶺が走っています。

布屋 原酒造場のある白鳥地域は大日ヶ岳(標高1709メートル)の麓に位置し、大日ヶ岳は長良川の源流として豊富な水を湛えています。奥美濃の銘酒「元文」は創業当時より、この白山水系の清冽な伏流水を仕込み水に使ってきました。

手づくりにこだわればこそ

同蔵元は、蔵周辺に広がる広大な自社田に長良川の水を引き込み、酒造好適米「あきたこまち」などを生産しています。

花酵母で仕込むこだわりの酒

東京農業大学出身の十二代目当主・原元文氏は、在学中に天然の花酵母を分離する際に不可欠な抗菌性物質「イーストサイジン」の研究に没頭していました。当時、担当教授が世界で初めて天然花酵母の分離に成功。以降、自らの酒造りに天然の花酵母(サクラ、菊、カトレア、月下美人など)を使うようになりました。「郡上乃地酒」と称される「元文」は、数種類の花酵母を使い分け、醸されています。

芳醇な香りを楽しむ新世代の酒

天然の花酵母で醸された「元文」は、これまでの日本酒では表現できなかった芳醇な香りと、すっきりとした味わいが身上です。その「きれいな味わい」は、女性を中心に新たな顧客層の拡大に貢献しています。

菊の花酵母で仕込んだ高貴な酒

菊の花言葉は「高貴」「高潔」「真の愛」。菊の花酵母で仕込んだ「元文 菊 大吟醸 花酵母仕込み」はその言葉通り、菊の花由来の高貴な香りと、キレのある味わいが身上の大吟醸酒です。冷やはもちろん、ぬる燗(人肌燗)もおすすめです。