清泉(きよいずみ)[久須美酒造:新潟県]

良寛が晩年を過ごした地

同蔵元の創業は天保4年(1833年)。曹洞宗の僧侶であり、詩人・歌人・書家としても知られる良寛(1758~1831年)が晩年を過ごした地、長岡市(旧・和島村)小島谷で酒を醸しています。

この地は、良寛をして「水善き、緑の里」と言わしめたほど米づくりが盛ん。良質の酒米の一大産地としても知られています。

「夏子の酒」のモチーフに

六代目・久須美記廸(くすみ・のりみち)氏が、戦前に途絶えた幻の酒米「亀の尾」の種子を県の試験所で偶然にも発見。残っていた1500粒の種もみを自家栽培で復活させ、伝説となった純米大吟醸酒「亀の翁(かめのお)」を醸しました。

この一連のストーリーは漫画「夏子の酒」のモチーフとなり、後にテレビドラマ化され、その名を全国に轟かせました。同蔵元にとって「亀の翁」は、「清泉」と人気を二分する代表銘柄です。

県の名水指定を受けた「酒屋の清水」

同蔵元は、敷地内にある井戸から沸き出でる水を仕込み作業の全工程で使っています。こんこんと湧出する自然水は、「酒屋の清水」として新潟県の名水にも指定されています。「清泉」の名そのものです。

蔵人によって栽培される幻の酒米

先に触れた幻の酒米「亀の尾」は、現在、蔵人や地元農家の人たちを中心に組織された「亀の尾生産組合」によって栽培されています。品種特性としては米粒が大きいため倒れやすく、また、害虫の被害を受けやすいなどのデメリットがあり、栽培の難しい品種とされていますが、蔵人たちの努力で高付加価値の酒米として珍重されています。

越後杜氏の卓越した技で醸す「清泉」

代表銘柄「清泉」は、良質の地下水と選りすぐった地場産の酒米を原材料に、越後杜氏の卓越した技で仕込まれています。

味わい豊かな各種銘柄

代表銘柄「清泉 大吟醸酒」は長期熟成によって生み出される角の取れた味わいと、気品溢れる豊かな香りが身上です。日本酒ファン垂涎の「亀の翁 純米大吟醸酒」は、米本来の味わいを存分に生かした自他ともに認める自信作。香り・味わい・喉越しなど、卓越したバランスは「名品」とも称されています。

毎年2月に限定販売される「夏子物語 吟醸酒」は、人気漫画「夏子の酒」にちなんだ新銘柄。フルーティーな吟醸香とまろやかな口あたりが人気です。コアな日本酒ファンのみならず、女性層の支持も厚い銘柄です。