醸し人九平次(かもしびとくへいじ)[萬乗醸造:愛知県]

小仕込みに徹する吟醸蔵

正保4年(1647年)に創業した老舗蔵の酒造りは、かつてモデルや劇団員として活躍した十五代目「九平治」に引き継がれました。平成14年、低迷を続ける日本酒業界の価格競争からの脱却を目指し、吟醸酒・大吟醸酒に特化した酒蔵にシフト。以来、小仕込みに徹し、飲み手の五感を刺激する酒「醸し人九平次」を醸してきました。

当主の名にちなんだネーミング

ユニークな名称がひときわめをひく「醸し人九平次」の名は、代々継承されてきた当主の名にちなみ、十五代目の発案によって平成9年に誕生しました。

パリの三つ星レストランで提供

「醸し人九平次 純米大吟醸 別誂(べつあつらえ)」は、厳選した山田錦で醸した純米大吟醸酒です。蔵人渾身のこの一本は、パリの三つ星レストランのワインリストに加えられました。本場の白ワインと肩を並べるクォリティーの高さは、フランス人の相好を崩しました。

酒米「山田錦」を自ら育てる

平成22年より、同蔵元は自ら、兵庫県西脇市黒田庄町の地で酒造好適米「山田錦」を栽培するようになりました。期間中は数人の蔵人が現地に移り住み、田植えから稲刈りまですべてを自分たちの手で行うといったこだわりよう。

翌年、収穫された山田錦100%で醸した「醸し人九平次 純米大吟醸 黒田庄に生まれて、」を商品化。香り、コク、キレともにインパクトのある個性的な味わいは好評を博しています。ちなみに、ラベルに箔押しされた数字「35.039,135.034」は田んぼの緯度・経度を示しています。Google mapを使うとその場所が確認できるなど、ユニークな取り組みは枚挙に暇がありません。

「醸し人九平次」の仕込み水

愛知県名古屋市緑区で酒を醸す萬乗醸造は、仕込み水を遠く長野まで汲みに行っています。山に降り積もった雪解け水が地中の奥深くまで浸透し、涵養され、およそ300年かけて沸いてくるという天然水は、こだわりの酒づくりに欠かせません。

ワイングラスで味わいたいエレガントな酒

飲み手の五感を刺激し、エレガントな酒造りをモットーとする萬乗醸造は、日本酒の新たな価値を創造するための酒造りを実践しています。

先に触れた「醸し人九平次 純米大吟醸 別誂」は、パリの食通たちも認めた味わいで、クリームソースにも合うフルーティーな仕上がり。ほのかな甘味と酸味のバランスはまるでワインのよう。ぜひワイングラスで味わいたい銘柄です。