水尾(みずお)[田中屋酒造店:長野県]

小仕込みに徹する

明治6年(1873年)創業の田中屋酒造店は、かつては「金瓢養老(きんぴょうようろう)」の銘柄で知られる造り酒屋でした。現在も昔と変わらず小仕込みに徹し、「水尾」を筆頭に年間約500石の酒を醸しています。

「水の源」という意味を込めて

代表銘柄「水尾」の名前には、「水の源」という意味が込められています。

雪を味方にした酒造り

長野県の最北端に位置する飯山市は、冬季の積雪が2メートルを超える県内有数の豪雪地帯です。降雪によって浄化された空気と、凍てつく寒さは酒造りにうってつけ。同地では雪を味方にした酒造りが行われています。

山の麓から湧出する天然水で

よりクォリティーの高い酒を目指し、平成4年に仕込み水を替えた同蔵元は、蔵から20キロほど離れた水尾山(標高1044メートル)の麓から湧出する天然水を、使う度ごとにトラックで蔵まで運搬し、仕込み水として使用しています。「水尾」ブランドは仕込み水の変更を機に誕生しました。

オール長野県産の酒造りを実践

原料米は全量を県内産でまかなっています。酒米の7割は蔵から5キロ圏内で栽培されたものを使うなど、こだわりは徹底しています。地元で生産される希少品種「金紋錦」をはじめ、長野県オリジナルの酒造好適米「ひとごこち」や「しらかば錦」など、同蔵元はうまい酒を醸すために努力を惜しみません。

また、使用する酵母は県内で見つかった「K7号酵母」を主力とするなど、オール長野県産にこだわり続けています。

基本に忠実な酒造りをモットーに

田中屋酒造店は多くの工程を手作業で行っています。例えば、酒米の漬浸工程は全量を「限定吸水」(漬浸時間を意図的に短縮する手法)とし、また、製麹は全量を「箱麹法(はここうじほう)」で行うなど、手づくりを徹底しています。

その他にも、温度管理を均一にするために仕込みの単位を1.5キロまでとするなど、こだわりは細部まで。基本に忠実な酒造りを実践しています。

「水尾」は長期低温発酵でていねいに

田中屋酒造店が手がける最高グレードの酒「水尾 純米大吟醸」は水尾ブランドの代表格。隣村の木島平村で栽培された希少品種「金紋錦」を100%使用した自信作です。原材料にこだわり、長期低温発酵でていねいに熟成した酒は、ふくよかで奥深い味わい。キレのある口あたりは飲み飽きない酒として評価が高く、日本酒ファンに珍重される銘柄の一つです。