〆張鶴(しめはりつる)[宮尾酒造:新潟県]

村上藩の城下町として栄えた地

 新潟県の北端、日本海に面する村上市はかつて、村上藩の城下町として栄えました。文政2年(1819年)創業の宮尾酒造は、同地を代表する造り酒屋の一つです。

老舗蔵元に伝わる秘伝書

 二代目が遺した『酒造伝授秘法之巻』は、酒造りの極意について言及した秘伝書で、宮尾酒造の家宝として代々受け継がれています。

純米酒造りの先駆けとして

 今から45年以上も前の昭和40年代前半、宮尾酒造は全国に先駆けて純米酒造りに着手。旧態依然としていた日本酒業界に一石を投じました。発売した「〆張鶴 純」は話題を呼び、多くの日本酒ファンを魅了。「〆張鶴」の伝説は今もなお語り継がれています。

流通面でも独自性を発揮

 「〆張鶴」をはじめ宮尾酒造の商品は問屋を通さず、契約した小売店のみで販売されています。信頼のおける酒販店を通し、蔵で醸した味そのままに、確実にユーザーに届けたいという強い思いがあるからです。

飯豊朝日山系に源を発する伏流水

 飯豊朝日山系に源を発する三面(みおもて)川は、天然のサケが遡上する清流として知られますが、宮尾酒造はこの川の伏流水で酒を醸しています。

酒造好適米の一大産地で

 三面川流域は特に、肥沃な土壌が広がり米の一大産地として知られ、「五百万石」や「高嶺錦」などの酒造好適米を生産しています。

地元産の酒米「五百万石」を使用

 地元産の酒造好適米「五百万石」のほか、厳選された「山田錦」を中心に酒造りを行っています。

甘味のある軟水を使用

 良質の酒米の味を引き出すのは、三面川から引き込んだ清らかな井戸水です。甘味のある軟水は、洗い水から仕込み水まで多くの工程で使われています。

昼夜の寒暖の差を酒造りに生かす

 昼夜の寒暖の差が激しい地域特性を生かし、低温でじっくりと時間をかけて発酵させる手法は、創業当時から変わらぬ酒造りのスタイル。古くから継承されてきた伝統の技を用い、膨らみのある伸びやかな酒を醸しています。

「〆張鶴」の味わいは「淡麗旨口」

 北国の蔵元が醸す酒は「淡麗辛口」が主流ですが、同蔵元が手がける酒の味わいは、キリッとした辛さの中にうま味を感じる「淡麗旨口」です。特に、代表銘柄の最高峰とされる「〆張鶴 大吟醸 金ラベル」は、原料米の山田錦を極限まで磨いた自信作。華やかな香り、豊かなコク、キレのある味わいなど、「淡麗旨口」の特徴が見事に表現された一本です。