神亀(しんかめ)[神亀酒造:埼玉県]

埼玉県を代表する銘酒:神亀

 江戸時代末期、嘉永元年(1848年)創業の同蔵元は現在、JR蓮田駅近くの住宅街にほど近い場所で酒を醸しています。「トトロ蔵」とも称される緑溢れる環境の中で七代にわたり醸す酒は、埼玉県を代表する銘柄の一つです。

神亀の名の由来

 地酒ファンなら一度は耳にしたことがある代表銘柄「神亀」は、かつて敷地内にあった「天神池」に棲む、「神の使いの亀」にちなんで命名されました。もうひとつの代表銘柄の「ひこ孫」はひ孫の意味で、文字通り3年以上熟成した銘柄に付けられています。

戦後初の純米蔵として

 酒造りに醸造用アルコールが当たり前のように用いられていた昭和62年(1987年)当時、同蔵元はそうした流れと逆行するように、生産する酒を純米酒に切り替えました。全量純米酒の造り酒屋は戦後初となり、革命的ともいえる取り組みは大きな話題になりました。

 ちなみに、七代目当主の小川原良征氏は「全量純米酒を目指す会」の代表幹事を務めています。純米酒を通して日本酒や日本酒業界の在り方を問う活動に全国21の蔵元が賛同。着実に活動の裾野を広げています。

秩父山系に端を発する伏流水

 地下500メートルから汲み上げた仕込み水は、秩父山系に源を発する清流・荒川の伏流水。水質は硬水で、辛口かつ骨太の酒を醸します。

生命力を引き出す、有機栽培の酒米】

 「酒は、米から」の思いを体現するために、神亀は十数年前から有機栽培の酒米を使いはじめました。米と水だけでつくる純米酒は、生命力を感じる仕上がりに。その珠玉の一滴は、蔵人の酒造りに対する真摯な思いそのものです。

高度な熟成技術を有する純米蔵

 製造のみならず熟成にも重きを置く神亀酒造は、全国でも指折りの熟成技術を有する純米蔵です。3年以上熟成させた「ひこ孫」がその代表格ですが、例えば、火入れをした銘柄でも最低2年以上は寝かせるというこだわりよう。日本酒の持つポテンシャルを、熟成技術により存分に引き出しています。

燗酒でわかる蔵元の実力

 辛口の純米酒は燗酒にすることで、うま味や香り、口あたりのよさが引き出されます。同蔵元は「神亀」に代表される純米酒を柱としながらも、長期熟成酒、無濾過生原酒、活性にごり酒などを手がけ、ラインナップの充実を図っています。