玉乃光(たまのひかり)[玉乃光酒造:京都府]

純米酒ルネサンスの牽引役

延宝元年(1673年)、玉乃光酒造の初代が和歌山市寄合町で酒造りをはじめ、戦後になって京都市伏見区に移転しました。

昭和39年(1964年)、十一代目当主・宇治田福時氏は業界に先駆けて米100%で醸した純米酒(当時は「無添加清酒」と言った)を発売。アルコールを添加した酒が当たり前だった当時、純米酒の穏やかな吟醸香と、品のある芳醇な味わいが愛飲家の支持を集め、その名を広く知らしめました。以来、同蔵元は「日本酒は純米酒でなければならない」をモットーに、純米酒をはじめ純米吟醸酒や純米大吟醸酒などの酒造りに徹しています。

桃山丘陵に源を発する伏流水で

標高100メートル程度の小高い丘陵が連なる「桃山丘陵」は、伏見区の南部に位置し、かつてここには伏見城がありました。玉乃光酒造の仕込み水は、桃山丘陵に源を発する伏流水で、古くは豊臣秀吉が催した茶会で使われた御香水と同じとされています。現在は、環境省の「日本名水百選」にも選ばれるなど、昔も今も水質の高さはお墨付きです。中硬水の清冽な天然水は、京都伏見の銘酒「玉乃光」づくりに欠かせません。

こだわりの酒米で醸された「玉乃光」

「酒米の個性を引き出す酒造り」を実践する同蔵元は、1種類の酒米だけを100%使う「シングル酒米酒」にこだわっています。仕込みに使われる酒米は「山田錦」や「備前雄町(びぜんおまち)」を始め、京都府オリジナルの酒造好適米「祝」などです。

製造工程のトレーサビリティーを確立

玉乃光酒造は、酒造りにおける品質の安定を図るために、生産者の名前と酒米の種類などをデータ化して管理するトレーサビリティーを確立しました。それらのデータには洗米、蒸し米、麹造りなど工程ごとの詳細が落とし込まれ、管理されています。

高い技術で酒米を磨く

一般的に酒造りに使う米は、全体を均一に磨いて「球状」にしますが、同蔵元では長年培った精米技術により「扁平」で磨いています。流線型の米粒の形に合わせた磨き方であり、こうすることで磨き残しが格段に少なくなり、原料米としての潜在力を引き出すことができます。結果として雑味がなくなり、味わい豊かな酒に仕上がります。このような磨き方を「扁平精米」と呼んでいます。

「玉乃光」ブランドの傑作

「玉乃光 純米大吟醸 備前雄町100%」は、同蔵元が手がけた「玉乃光」ブランドの中でも傑作とされています。果物のようなフルーティーな吟醸香と奥深い味わいは、まさに珠玉の一滴です。