吉乃川(よしのがわ)[吉乃川:新潟県]

越後の虎・謙信の時代から酒を醸す

銘酒「吉乃川」の醸造蔵の創業は天文17年(1548年)。ときは戦国の世であり、越後の虎と恐れられた上杉謙信が歴史の舞台に登場したときからの歴史を持ち、実に460年という長い歳月の間、良酒を醸してきました。

社名の歴史と変遷

創業当時の屋号は「若松屋」。慶応元年(1865年)に「泉屋」と屋号を変えたのち、大正年間に中越醸造株式会社に組織変更しました。さらに中越酒造株式会社と社名を変え、現在の「吉乃川株式会社」に落ち着いたのは、昭和48年(1973年)のことです。

敷地内に資料館を併設

同蔵元の敷地内には、酒蔵資料館「瓢亭(ひさごてい)」があります。ここでは、昔使われていた酒蔵用具や伝統的な酒造りの様子を写真などで展示。このほかにも、酒造りの様子をビデオで紹介しています。施設は完全予約制ですが、入場は無料。「吉乃川」の試飲や販売も行っています。

米どころは酒どころ

同蔵元のある新潟県長岡市は、越後平野が広がる日本有数の米どころであり、酒どころでもあります。蔵元の敷地内は旧三国街道が貫いています。天領として農業・醸造が優遇された土地柄のため、酒、味噌等の醸造業者が古くから軒を連ね、町は早くから発展していました。

たんぱく質を抑えた大粒の米

同蔵元が使用する米は、稲の育成をつぶさに観察し、必要最小限の肥料にとどめたものです。さらに有機肥料を使用し、地力での育成を重視しています。その理由は、多収を目的とした施肥や、遅くなってからの穂肥は、タンパク質の多い米が出来てしまうため。タンパク質含有量は7.5%以下までに抑えた玄米を使っています。

さらに、栽培の際には株の元まで日が当たるように株の植え込み本数を少なくし、1穂あたりの粒数を80粒程度に抑えた、少数で大粒の米になるように育てられています。同蔵元のこうした米に対する厳しい眼が、米どころ越後の酒の味わいの基礎となっています。

扁平精米にこだわり抜く

通常、純米酒で60%、純米大吟醸は40%になるまで精米します。その際、米の形にしたがって削るのが通常の作業ですが、同社では、その2倍以上の時間と高度な技術を要する「扁平精米」にこだわっています。扁平精米とは玄米の表面を、どの部分においても同じ厚さに削り取る技法で、有用なでんぷん質を大切に残しながら不要な部分を除く効果があります。

同蔵元は、米に対して厳しい眼を持つ一方で、米の特質に限りない深い理解と愛情を注いで扱っています。

「吉乃川」の定番ロングセラー

「厳選辛口 吉乃川」は、日本酒の酒税に級別があった時代からのもの。当時は一級酒の扱いでした。新潟県産米を100%使用、麹(こうじ)造りから辛口に徹して造り上げています。ラインナップはワンカップから一升瓶まで。「吟醸黒松 吉乃川」も、吟醸酒ながらも価格を抑えた定番酒です。

ワンランク上の「極上 吉乃川」

「極上 吉乃川」は妥協を許さぬ杜氏たちによる技の結晶ともいえる傑作です。吟醸酒はさわやかな香りに、ツルツルとした透明感あふれる心地よい口当たり。米と水にこだわり抜いています。

ワンランク上の純米吟醸酒は、地元・長岡で契約栽培した酒造好適米「越淡麗(こしたんれい)」を100%使用。品のあるさわやかな香りと、まろやかで深みのある味わいです。さらにその上に君臨する純米大吟醸は、奥の深いうま味が広がる一本。数あるラインナップの最高峰です。