雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)[齋彌酒造店:秋田県]

蔵は国の文化財に指定

明治35年(1902年)の創業の同蔵元は、代表銘柄「由利正宗」で長年親しまれてきました。秋田県の南部、由利本庄市の中心市街地にたたずむ歴史ある蔵造りの建物は、国の登録有形文化財にも指定された観光名所の一つ。創業当時から残る11棟の建物は、地域のシンボルにもなっています。

個性的な名称「雪の茅舎」の秘密

もう一つの代表銘柄は「雪の茅舎」です。個性的かつユニークな名称は、雪の積もる茅葺き屋根の日本家屋をイメージ。同地を訪れた小説家によって名付けられました。雪深い地域で酒を醸す様子を、短くも風情たっぷりに表現しています。

涵養された地下水

日本海に面し、山と川と海のある同地。気候風土、土壌ともに酒造りの適地です。雪深いこの地では、米づくりの時期になると、山に降り積もった雪解け水が田んぼを潤します。地中に染み込んで涵養された地下水は、酒造りの仕込み水はもちろん、洗米をはじめさまざまな工程で使われています。

秋田酒こまちを蔵人自ら栽培

「雪の茅舎」の原材料となる酒米は、蔵人自らが栽培する「秋田酒こまち」を使用。醸造特性に優れた酒造好適米は、雑味の少ない正直な味わいの酒を醸します。

自家培養酵母を使用

安定した品質(酒質)を維持するために、同蔵元ではかねてより、酵母を自家培養してきました。20年以上の長きにわたり厳選に厳選を重ねた酵母は、真似のできないオリジナルの香りを発します。

伝統の山廃造りを復活

古来より伝わる酒造りを踏襲し、同時に、独自の研究によった確立された新しい技術を織り込みつつ、伝統の山廃(やまはい)造りを復活させました。櫂(かい)入れをせず、割り水や濾過も行わない酒造りは、気の遠くなるような手間とたっぷりの時間を要しますが、味・香りともに野趣溢れる味わいが身上。「雪の茅舎」は多くの日本酒ファンから高い評価を得ています。

「雪の茅舎」はふくよかな味わいが特徴

とかく山廃仕込みの酒は、その味わいに重さを感じるものですが、「雪の茅舎」はその重さをまったく感じさせません。控えめな香りの中に感じる控えめな吟醸香に、ある種の品格を感じるほど。きめ細かなうま味、ほのかに立ち上る酸味など味のバランスに優れ、山廃仕込みとは思えないふくよかな味わいが特徴です。