アオヤギと小柱(バカ貝)の旬

アオヤギの旬は2~4月です

標準和名は「バカガイ」

アオヤギ(青柳)とコバシラ(小柱)、いずれも寿司や天ぷらのタネとして外せません。ところでこの二つ、貝の名前をご存知でしょうか? バカガイ科バカガイ属に分類される二枚貝の一種で、和名は「バカガイ」なのです。

バカガイの由来については諸説あります。
貝の殻はハマグリに似ていますが、薄くて壊れやすいことから「破家貝」と名づけられた説。
浜の状態に合わせて住む場所を頻繁に替えるため「場替え貝」と呼ばれ、これが訛って、バカガイになった説。
そのほか、ばかに(やたら)多く獲れたため、とか、貝の口をあけてオレンジ色の斧足(ふそく)を出している様子が「馬鹿者」に見えたため、などがあります。

アオヤギは地名から

アオヤギは、貝を取り除いた全体を指します。貝をむき、バカガイのヒモが切れて足の部分だけになったものを「舌切(したきり)」と呼びます。バカガイの貝柱はコバシラまたはあられと呼ばれ、軍艦巻やかき揚げなどに使われます。
アオヤギという呼び名は、江戸時代につけられました。品書きに「馬鹿貝」と表すことを嫌った江戸前寿司の職人が、当時のバカガイの一大集積地であった上総国市原郡青柳(現、千葉県市原市青柳二丁目)の地名をとって、「青柳」という雅称で呼び代えたのがはじまりといわれています。
なお、関東圏における現代のバカガイの集積地は、千葉県富津市です。

バカガイの足の役割

あるTV番組で調査した結果、バカガイは23秒で砂に潜りこみました。ちなみに、ハマグリは2分ちょっと、アサリは15分弱かかりました。バカガイの斧足(ふそく)の筋肉はとても発達していて、先端を曲げて砂に引っかけ、2枚の貝を大きく開閉して砂の中へ潜ります。
この斧足は、天敵から身を守る際にも重要な働きをします。敵が近づいた瞬間に、砂の中から勢いよく飛び出し、ジャンプして逃げるのです。ジャンプの記録はなんと18cm! バカガイの殻の重さは同じ大きさのハマグリと比べておよそ半分ですが、殻が薄くて軽いのは、高く遠くに飛ぶためだったのです。

アオヤギと小柱(バカ貝)の主な栄養成分

豊富なアミノ酸

アオヤギには、100g中に9700mgものアミノ酸が含まれています。グルタミン酸も1400mgもあり、食べたときの旨みにつながっています。高脂血症や肝機能の改善に効果がある、ベタインも含んでいます。

ビタミンB12がたっぷり

貝類には野菜などからは摂れないビタミンB12が豊富に含まれています。ビタミンB12はDNAの合成や調整に深く関わっていて、正常な細胞の増殖を助ける働きや、神経を正常に機能させる働きなどがあります。

ミネラルも豊富

貧血を予防する鉄分や、骨の形成に欠かせないカルシウムなども豊富に含まれています。

おいしいアオヤギと小柱(バカ貝)の選び方

むき身は、足の部分が薄橙色で、身が肉厚でぷっくりと太っているものを選びましょう。

アオヤギと小柱(バカ貝)の下ごしらえ&保存のポイント

むき身のワタの部分だけを、つまむようにして取り除き、60度くらいの湯に通して、冷水にとります。布巾で粘膜や黒い部分を取り除きます。