バナナの旬

バナナは一年中、旬です。

日本で消費されているバナナの99%以上は輸入されたものです。バナナの生産地は熱帯・亜熱帯地域に分布し、バナナベルト地帯と呼ばれる、赤道を挟んで南緯30°から北緯30°の間で栽培されています。季節に影響されず、通年栽培・収穫出来るため、特に旬というものはありませんが、一年中旬であるともいえます。

一部、台湾バナナには旬があります。台湾はバナナの生産できる北限とされていて、均一な気候風土でもないので、春先から夏前まであたりが旬になります。

国内では、沖縄や奄美大島、石垣島などで島バナナが生産されていて、これらは収穫時期が限られているので、7〜9月が旬になります。

日本のマーケット的には、購入量が増える春と秋が旬となるようです。月別のバナナ購入量を見ると5月頃が最も多く、次いで10月頃が多くなっています。理由としては、比較的他の果物が少ない時期であること、運動会シーズンであることなどが挙げられますが、寒くも暑くもないこの時期が最もバナナを食べたくなるのでは?と言われています。

バナナの歴史

バナナは人類最古の食物の一つです。マレー半島のあたりが起源と考えられています。もともとバナナには種があり、東南アジアのどこかで、この種を移植するという形でバナナ栽培が始まったのは、遅くとも3〜4万年前と言われています。
紀元前5世紀に世界最初の記述がインドにあったといわれ、偶然できた種のないバナナの苗を、人間が栽培化したのが、現在のバナナの始まりと言われています。
学名の「Musa Paradisiaca(楽園の実)」は、エデンの園で蛇がイブを誘惑したとき、バナナの陰に隠れていたという伝説から来ています。バナナというのは、アフリカのコンゴ地方での呼び名です。

日本に輸入されるバナナ

総務省統計局の調査によると、現在、日本人の年間消費量の1番多い果物は、2004年にみかんを抜いて以来、ずっとバナナなんだそうです。ちなみに世界で最も消費される果物もバナナです。
日本には、年間約100万トンのバナナが輸入されており、輸入果物の約6割を占めています。
輸入先国は、フィリピンが約86%、エクアドルが約11%、グァテマラ・メキシコ・ペルー・台湾と続きます。

日本で正式にバナナの輸入が開始されたのは明治36年のことです。当時は台湾から輸入していました。
明治・大正時代は、一般庶民にとってバナナはめったに食べられない高嶺の花でした。大正後半から昭和に入った頃から庶民の口にも入るようになりましたが、それでもまだお土産や病気の時などにしか食べられない特別な食べ物でした。

1963年に日本でバナナの輸入が自由化され、台湾からの輸入量が急増しましたが、1970年には南米エクアドル産バナナの輸入量が1位になりました。フィリピンではミンダナオ島に、自由化された日本市場向けの大農園(プランテーション)が作られ、日本の市場にはフィリピン産のバナナが、多く安く流通するようになりました。そして1973年にはフィリピン産バナナの輸入量が1位となりました。この年以来現在に至るまで、フィリピンからのバナナ輸入量がトップを占めています。

青くて硬いうちに収穫します

バナナは熱帯性害虫のミバエ類が寄生するため、日本では熟した果実の輸入は植物防疫法で禁止されています。その為、青くて硬いうちに収穫し、12〜14℃に温度管理された保冷船に積まれ輸入されます。定温輸送された青いバナナは、室(ムロ)と呼ばれるところで追熟させます。室は、温度・湿度などが管理された熟成室で、バナナはここで少量のエチレン(植物ホルモン)を与えられ、人工的に追熟し、約5日かけて熟成させます。そして着荷状態を計算した熟度でスーパーなどの店頭まで出荷されます。収穫から店頭までは約2週間となります。

バナナの種類

世界で栽培されているバナナの種類は、300種類以上あると言われていますが、学説によって異なり、200〜500種類、あるいは千種類を超えるとも言われています。
一般に食用とされているバナナは種が無く、クローン技術で増やしているため、遺伝子的には世界中のバナナの大半がキャベンディッシュという同一品種のものです。その為、本質的に脆弱であり、伝染力の強い病気に冒されやすい植物です。

日本で目にする機会の多い品種は、フィリピン産の「ジャイアント・キャベンディッシュ」という品種です。しっかりとした厚くて黄色い皮に包まれ、日持ちが良く、果肉はなめらかでさっぱりとした甘さが特徴です。

バナナの主な栄養成分

バナナにはカリウム、カルシウム、マグネシウム、カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、食物繊維などが含まれています。また、「必須アミノ酸」9種類のうち、8種類が含まれているなど、摂取できる栄養成分の種類が非常に多いです。二本でご飯一杯分のカロリーがあり消化吸収が良いので、幼児から老人、病人の栄養食品として適しています。

バナナは熟し具合によって、期待できる健康効果が異なります

バナナは善玉菌を増やす食物繊維とフラクトオリゴ糖の両方を含み、整腸作用のある難消化性デンプンも含まれており、整腸作用によって免疫力を高めたり肌のコンディションを整えることが出来ます。この難消化性デンプンは、店頭に並び始めたばかりのような「青めバナナ」に多く含まれ、熟すにつれて分解され、糖化していきます。

全体が黄色に完熟した状態の「黄色バナナ」は、甘み、香り、噛みごたえのバランスがとれたバナナらしい味わいで、美容ビタミンと呼ばれるビタミンB2・ナイアシン(B3)・B6が他の果物より多く含まれています。その為「美肌効果」や「アンチエイジング効果」が期待できます。

シュガースポットと呼ばれる茶色の斑点が現れた状態の「茶色バナナ」は、深めの甘みとコクのある味わいが楽しめます。抗酸化作用のあるポリフェノールの含有量が増え、免疫力を高める効果が期待できます。
このシュガースポットの出た茶色バナナには、普通の果物には珍しいリン脂質が含まれています。大豆や卵黄や脳に多いリン脂質は、界面活性作用が強く、胃粘膜を保護する可能性があります。牛乳と一緒に摂ることで、胃粘膜保護効果が向上します。

美容ビタミン豊富で若返り効果

バナナは抗酸化作用が期待されるポリフェノールや美容ビタミンと呼ばれるビタミンB群が豊富に含まれている上、それらを効率よく摂取できる優れた食物です。ビタミンB群は糖質・脂質・タンパク質などのエネルギー代謝に関わっています。
ビタミンB2は、熱調理には耐えますが、光とアルカリに弱く、水に溶けてしまう性質を持ちます。調理前の下ごしらえで水洗いをしたり光の当たる場所に長く置いておくだけでも、栄養分はかなり失われ、調理法にも気を遣います。ビタミンB6も水に溶けやすい性質を持ちます。
ですが、皮をむいてすぐ食べられるバナナなら、栄養成分を損なわず、効率よくビタミンB群を摂取することが出来、強い抗酸化作用のあるポリフェノールも、果物の中で最大の含有量です。熟したバナナほどポリフェノールの含有量が高くなります。

高血圧や筋肉の痙攣を防ぐ効果のあるカリウム

バナナは果物の中でもカリウムの含有量が特に高いです。
カリウムは、塩分と水分を排泄して血圧を下げる効果があるので、高血圧に効果があります。
また、筋肉の機能を調整し、痙攣を防ぐ効果もあるので、運動前に摂ることで、怪我から身を守る効果が期待できます。
干しバナナやバナナチップスにしても多くのカリウムと栄養成分を摂ることが出来ます。

更年期障害やうつ病、不眠症に

バナナには必須アミノ酸の一つであるトリプトファンが含まれています。
トリプトファンは、自律神経を整えるセロトニンの原料となります。セロトニンは精神安定、鎮静、催眠効果があり、不眠症や抗うつの治療、がん予防、コレステロール値や血圧の安定、更年期障害の緩和など幅広い効果があると言われています。

トリプトファンは非常に吸収率が悪く、大体が体外に排出されてしまいます。吸収率を上げるには、ビタミンB群、鉄分、ブドウ糖を同時に摂取することが必要となります。また、トリプトファンだけではセロトニンは作られません。トリプトファンからセロトニンを作るためにはビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムが必要となりますが、バナナにはこれらすべての栄養素が含まれており、セロトニンを生成しやすい食物と言えます。

おいしいバナナの選び方

付け根が新鮮で、果皮が黄色く色づいたものを選びましょう。果皮に茶色の斑点「シュガースポット」が出始めると食べ頃で、果肉が柔らかくなり、甘みが強くなります。

バナナの保存のポイント

直射日光のあたらない、15℃〜20℃くらいの風通しの良いところで保存して下さい。寒い時期には、人の出入りのある比較的暖かい部屋で保存するようにして下さい。
房の状態で保存する場合は、盛り上がり部分を上にしておくか、バナナスタンド等に吊るしておくと長持ちします。
バナナは、冷蔵庫に入れてしまうと、すぐに真っ黒になってしまい、中が甘くなる前に傷んでしまいます。これは低温障害を起こしてしまうためです。13℃以下になると熟成が止まってしまい、低温障害を起こします。

完全に熟しているものは、それ以上熟さないようラップに包み、冷蔵庫に入れておきます。なるべく早く食べるようにして下さい。あるいは皮をむいてラップに包み、冷凍するのもいいでしょう。長期間保存できます。

バナナのおいしい食べ方

生のまま

皮をむいてそのまま食べるのが王道ですね。
忙しい朝の食事や、小腹が空いた時など、手軽にさっと食べることが出来ます。
カットしてヨーグルトやミルクと混ぜたり、チョコソースをつけたりしても美味しいです。

冷凍して

バナナアイスやシャーベットとして楽しめます。ジュースを作るのにも便利です。
冷凍することによって、バナナに含まれているポリフェノールが増加します。

温めてホットバナナ

皮をむき、1本丸ごと、もしくはザク切りにして、加熱します。
そのまま食べたり、ミルクやシリアル、パンなどと一緒に食べるのも美味しい食べ方です。
バナナは温めると糖度が20%もアップします。

他の食材と一緒に

バナナケーキやホットケーキ、サンドイッチ、パフェやサンデーなど、デザートとしてよく使われます。
冷たくても、温めても、焼いても美味しく食べることが出来ます。

バナナ酢

2cm幅に切ったバナナと黒酢、黒砂糖と一緒に耐熱容器にいれ、蓋をせずに電子レンジで3〜40秒ほど温めから1晩おきます。
酢と組み合わせることにより、コレステロールや中性脂肪を下げ、ダイエットにも効果が期待できます。

料理にも

甘味の少ない、調理用バナナもありますが、普通に出回っている生食用のバナナでも、カレーや煮込み料理に加えると、コクととろみを出す効果があります。