バジルの旬

バジルの旬は7月〜9月です

バジルにはいろいろな種類がありますが、ほとんどのものが、7月〜9月の夏の時期が旬になります。
暖かい場所を好み、日本の夏の時期に育てやすい植物です。とても育てやすいので、家庭で栽培されている方も多いハーブです。種まきの時期は4月〜7月で、ゴールデンウィークを過ぎた辺りが最適です。

バジルとは?

バジルは、シソ科メボウキ属の多年草です。ですが寒さに弱く、日本では越冬は難しいとされ、一年草として扱われています。原産地はインドや熱帯アジアで、今ではヨーロッパやアフリカ、東南アジアと世界中で愛されているハーブです。

バジルは英名「Basil」で、イタリア語では「Basilico」と書き、バジリコと呼びます。標準和名は「めぼうき(目箒)」といいます。

古代ギリシャでは「王様の薬草」と呼ばれていました。「Basil」も「Basilico」もギリシャ語で「王」を意味する「basileus(バシレウス)」に由来しており、バジルが古代ギリシャで王侯貴族の香水や浴湯、目薬などに利用されていたことから、そう呼ばれていたようです。

高貴でさわやかな香味が特徴で、多めに使っても鼻につくことがありません。花はスパイシーな味と香りがし、サラダや煮込み料理の付け合せに利用出来ます。

バジルは、生のものを料理に利用するだけでなく、乾燥ハーブにしたり、ハーブティやアロマ療法にも用いることが出来ます。その汎用性の高さから「ハーブの王様」とも呼ばれています。

バジルの逸話

古代ギリシャではバジルの種子をまくときに、大声で呪いの言葉を唱えたといいます。このことから、フランス語で「バジルをまく」いえば、「中傷する」という意味になります。一方、イタリアでは求婚のシンボルとして、葉を髪に挿してプロポーズする習慣があるのだそうです。

バジルの種類

バジルと呼ばれるものは、150種類以上の品種があり、葉の形や香りは様々です。一般によく見かけるのはスイートバジルという品種です。スイートバジルの他には、シナモンバジル、レモンバジル、レタスバジル・ブッシュバジル、ホーリーバジル(トゥルシー)などがあります。葉が紫色のタイプもいくつかあります。

江戸時代には目の掃除に使われていた!?

バジルは江戸時代、中国から漢方薬として伝えられ、咳止めや口内炎、鼻炎、下痢止めなどとして利用されていました。
また、バジルの種を目の掃除に使っていました。バジルの種は目箒(めぼうき)と呼ばれ、水を吸わせるとカエルの卵のように表面がゼラチン質で覆われてプルプルした状態になります。その状態で目の中を掃除し、綺麗にしていたそうです。

バジルとトマトーコンパニオンプランツの関係

バジルはトマトとの相性が良く、サラダやドレッシング、スープ、パスタ、ピザ料理など幅広い料理に使われます。
この両者は料理だけでなく、近くで栽培することで、病害虫を抑えたり、互いの成長を助ける植物として最適な組み合わせです。こういった組み合わせを「コンパニオンプランツ(共生植物)」といいます。

バジルとトマトを一緒に植えたときの1番大きな効果は、水分調整が出来ること。
トマトは水をやりすぎないほうが甘く育ち、バジルは水をたっぷりやったほうが柔らかい葉に育ちます。トマトが必要な分だけ水分を吸収したら、余分な水分はバジルが吸い込んでくれるので、お互いの成長に役立ちます。
また、バジルにはアブラムシやコナジラミなどの害虫が寄り付きにくくなる効果もあるようです。

シソ科のハーブは強力なガン予防食品

アメリカ国立がん研究所が発表した「デザイナーフーズ・ピラミッド」には、ガン予防効果のある食品、約40種類が掲載されました。その中にはバジル・オレガノ・タイム・ローズマリー・セージ・ミントなどのハーブ類もリストアップされています。なかでもシソ科のハーブはガン予防効果が強いとされ、前述した6種類はいずれもシソ科のハーブの代表的な存在です。
料理の彩りに添えたり、香り付けに使われたりするハーブですが、実はその香り成分に活性酸素を除去し、ガンを予防する効果があると考えられています。このガン抑制作用はハーブに含まれる香り成分のβ-リナロール、β-ピネンなどのテルペン類によるものと考えられ、テルペン類にはシクロオキシゲナーゼ2というガンを発生させるといわれる酵素を阻害する作用があります。

種はダイエットに効果的

バジルの種である「バジルシード」は、水に浸けるとジェル状のものが種を覆い30倍に膨張します。ジェル状の部分は、グルコマンナンというこんにゃくにも含まれる食物繊維です。バジルシードは全体の50%前後が食物繊維と言われています。100gあたり100kcalと、スーパーフードであるチアシードや他の種子と比べるとカロリーが低いのが特徴です。タピオカのような食感やぶどうに似た歯ごたえがします。
飲み物やヨーグルトなどに混ぜていただくのが一般的で、ティースプーン1杯で、1日に必要なカルシウム、マグネシウム、鉄分の約2倍を摂取できます。

バジルの主な栄養成分

バジルには、β-カロテン・ビタミンE・ビタミンK・ミネラル(カルシウム・鉄分・マグネシウム)・サポニンなどが含まれています。
また香り成分として、シネオール・アネトール・リナロール・オイゲノールなどが含まれています。
良い香りが消化を促進してくれるので、脂っこい料理と一緒に食べると胃もたれしません。

バジルは古くから消化促進や食品の殺菌・消毒用にも使われてきました。生の葉を揉んで擦り付けると、虫刺されや炎症に効果があります。
※一般にバジルには、肌荒れを引き起こす刺激性の強いメチルカビコールが含まれいるので、直接肌につける時には十分な注意が必要です。

抗酸化作用で老化防止やガン予防効果

バジルにはβ-カロテンが多く含まれています。含有量は野菜の中でもトップクラスで、ほうれん草の1.5倍含まれています。
β-カロテンには、活性酸素を減らす抗酸化作用があるので、ガンや動脈硬化、老化を防止します。
同じ抗酸化作用のあるビタミンEも含まれているので、アンチエイジングが期待できます。

ビタミンKが豊富

バジルにはビタミンKが豊富に含まれています。含有量はβ-カロテン同様、野菜の中でトップクラスです。
ビタミンKには、血液を凝固させ止血する効果や、骨の健康を保つ働きがあります。
バジルにはカルシウムも含まれていますが、骨を強くするカルシウムと、カルシウムを骨に定着させるビタミンKの相互作用で、骨粗しょう症の予防にも効果的です。

苦味成分サポニンの働き

バジルには微量ですがサポニンも含まれています。
コレステロールを除去したり、体内で血栓をつくり動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制する効果があります。また、ウィルスや細菌から体を守る免疫機能を司りナチュラルキラー細胞を活性化する働きがあるので、免疫力を高め、風邪やインフルエンザにかかりにくい体を作ります。

芳香成分と作用

バジルの香りには、様々な作用があります。
リナロール、カンファー、オイゲノールには、鎮静作用があり、神経を鎮めて精神的な疲労を和らげる効果やリラックス効果があります。更にオイゲノールは殺菌効果が高く、免疫力の向上効果があります。
ゲラニオールには抗ウィルス作用があり、シネオールは抗菌作用や、蚊が嫌がるため虫よけにもなります。
アネトールは、消化促進や口内炎の改善、むくみの改善効果があります。また女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持ち、生理不順や更年期障害なども改善すると言われています。

バジルの香りは、心のバランスを整え、イライラやストレス、不安や憂鬱感に働きかけ、心の不調を取り除くと言われています。芳香浴や入浴剤としても使えるので、集中力を高めたいときや、夜中に目が覚めて眠れないときなどに効果的です。

おいしいバジルの選び方

葉の色が鮮やかな濃い緑色で、みずみずしくピンとハリがあり、変色や傷の無いものを選びましょう。鮮度が落ちてくると葉が縮まったり、全体的に黒ずんでくるのでわかりやすいです。
また、生のバジルは香りが強いのも特徴で、手に取った時に香りが確かめられるものを選ぶのが良いです。

バジルは、妊娠中はなるべく控えたほうがいいとされています。
ハーブ類、特にバジルやパセリなどは、胎児の発達の妨げ、流産や早産につながると言われています。
バジルソースやジェノベーゼパスタなど、バジルを大量に使うものは避けるようにしましょう。

バジルの保存のポイント

生のバジルの葉は、収穫後あまり日持ちがしません。そのまま冷蔵庫に入れてしまうと2日もすれば低温障害で黒ずんでしまいます。
コップなどに水を入れ活けて室内に置いておきます。保存期間の目安は1週間です。
冷蔵庫で保存する場合は、生のまま濡らして固く絞ったペーパーで包んで、その上から新聞紙で包んで野菜室で保存します。保存期間は3〜4日くらいです。
長く保存するなら、さっと洗って水気を切り、荒く刻んで冷凍保存がいいでしょう。凍ったまま炒め物やソースの仕上げに使えます。
塩漬けにしてもいいでしょう。使う場合にはさっと洗い流してソースや煮物につかいます。塩にも香りが残りハーブソルトのようになります。
オリーブオイルに漬けると有効成分が溶け出し、香りも楽しめます。冷暗所で保存して下さい。葉のまま漬け込む場合には、枝や葉がオイル面の上に出てしまうとカビが生えてしまうので、気をつけてください。
バジルペーストにすれば葉をまるごと食べられて、使い勝手も良くなります。
天日やレンジで乾燥させても良いでしょう。

バジルの調理のポイントと主な料理

バジルは、イタリア料理に良く使われているハーブのひとつで、香りが良く、味のクセが少ないので、サラダや煮込み料理、パスタ等、いろいろな料理に応用しやすいと言われています。シーフード料理や、鶏料理に使われることが多いですが、牛肉料理にはあまり用いられません。
特に相性のいいトマトやオリーブオイル、チーズ、豆腐やニンニクなどと一緒に食べてみて下さい。

シンプルに「カプレーゼ」

トマトとモッツアレラチーズを交互に重ね、バジルをあしらった前菜です。

ピッツア・マルゲリータ

トマトソースにモッツアレラチーズ、トッピングにバジルだけの、シンプルなピザです。

「ペスト・ジェノヴェーゼ」

ジェノベーゼとは、バジルと松の実、にんにく、パルミジャーノ・レッジャーノ、オリーブオイルなどを材料として作るイタリア北西部の都市「ジェノヴァ」発祥のソースです。
ジェノベーゼは本来、地名をあらわす「ジェノヴァの」という意味なので、ソースを指す場合、厳密には「ペスト・ジェノヴェーゼ」といいます。
フードプロセッサーで簡単に作れますので、新鮮でおいしい生バジルが手に入ったらぜひ作ってみて下さい。松の実は、カシューナッツやピーナッツで代用できます。日持ちしますし、冷凍保存も出来ます。
お肉やお魚のソースにはもちろん、ピザやパスタ、サラダやニョッキも使え、料理の幅がぐんと広がります。

ガパオライス

肉や魚など食材の臭みを消す作用があるので、台湾料理やタイ料理などのエスニック料理にも使われています。
人気のタイ料理、ガパオライス(鶏挽き肉のバジル炒めご飯)も手軽でおいしいです。
タイではホーリーバジルという種類のバジルが使われますが、日本では一般的では無いため、自宅で作る場合には、手に入りやすいスイートバジルで代用できます。

バジルティー

ティーポットにティースプーン1杯のドライバジル、あるいは生葉の場合は5〜6枚を入れて、湯を注いで3〜4分ほど蒸らしてからいただきます。
精神安定やリラックス、不眠症の緩和、風邪や呼吸器系の不調、ストレス性の頭痛や偏頭痛の緩和に役立ちます。
バジルだけでは飲みにくい時は、紅茶にバジルを1枚浮かべて飲んでみて下さい。

アイスキューブ

バジルの葉を1枚、製氷機にいれて凍らせると、アイスキューブが出来ます。
ミネラルウォーターに入れて飲むと、すっきりした香りが楽しめます。

モヒートにも

爽やかな味わいのカクテル「モヒート」は、ミントとライムがベーシックなレシピですが、ミントの代わりにバジルを使っても美味しいです。