ボラ/カラスミの旬

ボラの旬は10~1月です

ホントは美味な魚です

ボラは、ボラ目ボラ科に分類される魚の一種。全世界の熱帯・温帯の海に広く分布し、日本では北海道以南で広く見られます。

基本的には海水魚ですが、幼魚のうちはしばしば大群を成して淡水域に遡上します。水の汚染にも強く、都市部の港湾や川にも多く生息しています。食性は雑食性で、水底に積もったプランクトンの死骸などの有機物や、付着した藻類などをエサとしています。

日本では、高度経済成長以降、沿岸水域の汚染が進み、それに伴って「ボラの身は臭い」と嫌われるようになってしまいました。それまでは、沿岸でまとまって漁獲される味のよい食用魚として広く親しまれ、高級魚として扱った地域も少なくなかったのですが……。

寒ボラがおすすめ

ボラの食性から、水質のよくない場所で漁獲された身には若干臭いがあることで、ボラはおいしくないとのイメージがついてしまったようです。でも、外海に面した場所で育つ冬の大きなボラは、まったくクセがなく、さっぱりとした脂ののった白身で、どんな料理にも合うおいしい魚なのです。実際、東南アジアやイスラエル、アフリカでは、重要な養殖対象魚となっています。

釣り上げてすぐに首を折り、海水に浸して完全に血抜きします。ボラは、皮と身の接するところに鮮やかな赤い血合があり、薄く削ぎ切りにした白身の中央に赤いアクセントを添えます。この赤い色から、ボラの刺身を「日の出」と呼びます。

ボラの幽門は、「ボラのへそ」「そろばん玉」などと呼ばれ、塩焼きにすると砂肝をやわらかくしたような歯ごたえだと、珍重されています。

ボラは出世魚

ボラは、ブリやクロダイ、スズキなどと同様に、大きくなるにつれて呼び名が変わる出世魚です。
関東 – オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
関西 – ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド

「トド」は、「これ以上大きくならない」ことから、「結局」「行きつくところ」などを意味する「とどのつまり」の語源となりました。また、若い衆の月代(さかやき)の青々とした剃り跡を、イナの青灰色でざらついた背中に見たてたことから、「いなせ」の語源ともいわれます。

日本の三大珍味

メスの卵巣を塩漬けし、乾燥させたものが「カラスミ」です。カラスミは、塩ウニ、このわたとともに、江戸時代から三大珍味と呼ばれています。

カラスミは、古くからギリシャやエジプトでつくられていました。日本には、安土桃山時代に、中国(明)から長崎に伝来したといわれています。中国からの伝来当時は、サワラの卵を原料としてつくられていましたが、延宝三(1675)年に高野勇助が、長崎県・野母崎付近の海域で豊富に漁獲されるボラの卵で製造することを案出しました。

カラスミの名は、一説には肥前国の名護屋城(現在の佐賀県唐津市)を訪れた豊臣秀吉が、これは何かと長崎代官・鍋島信正に尋ねたところ、洒落で「唐墨」と答えたことに由来するともいわれています。形が中国伝来の墨「唐墨」に似ていたことからカラスミとなったというのが定説です。

ボラ/カラスミの主な栄養成分

DHAとEPA

血中のコレステロール値を抑制し、脳細胞を活性化するDHA(ドコサヘキサエン酸)や、動脈硬化などの生活習慣病を予防するEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。

タウリン

タウリンは、血中のコレステロールを下げ、心臓の機能を強化し、動脈硬化を予防します。

カラスミの栄養価

カラスミは高タンパクで、ビタミンAとEがとても多く含まれています。ただし、脂質やコレステロール、ナトリウムも多いので、ほどほどに。

おいしいボラ/カラスミの選び方

大型で、目と胸びれがほぼ同じ高さにあり、うろこがびっしりとそろっているものを選びましょう。