ぶんたん(文旦)/ザボンの旬

土佐文旦(露地物)の旬は、2月~4月です

土佐文旦は、文旦類の中では最も多く生産されている品種です。文旦は、品種により旬の時期が違います。
春には土佐文旦、夏には河内晩柑、秋は水晶文旦、冬は温室土佐文旦などが旬を迎えます。

ぶんたんとは

大きな果実と分厚い皮が特徴のぶんたんは、ミカン科ミカン属の柑橘類の一種です。
標準和名は「ザボン」で、ボンタン、ジャボンとも呼ばれます。
原産地は中国南部や台湾、マレーシアやインドネシア等の東南アジアです。
ぶんたんの木は3mほどまで育ち、果実は直径15cm〜25cm、重さは500g〜2kgまでとさまざまな大きさに育ちます。皮の厚さが特徴で、大きさの約50%程度を占めます。果肉は果汁は少ないですが独特の甘みと上品な香りを持ちます。
収穫後、数ヶ月間貯蔵して酸味を減らした後に出荷されます。

日本に渡ってきたのは江戸時代の初期ごろで、ぶんたんという名前は清国広東省の通商船船長「謝文旦(しゃぶんたん)」氏から取ったもの、ザボンはポルトガル語のザンボアがらとったもの、と言われていますが、諸説あります。
日本伝来の地は鹿児島県の阿久根市とされ、生産量も多いことから1971年に市の木に制定されています。

ぶんたんの産地

ぶんたんは南国の果実で、主に高知県、鹿児島県、愛媛県などで栽培され、年間収穫量は、約12,000トンです。(平成26年産)
全収穫量の90%以上が高知県で生産されています。
ただし品種によって地方色が強く、土佐文旦なら高知県、阿久根文旦なら鹿児島県、晩白柚は熊本県が栽培の中心になっています。

ぶんたんの品種

ぶんたんは自然交雑により、いろいろな品種を生み出しており、グレープフルーツ・なつみかん・はっさく等はぶんたんの交雑種です。ぶんたんそのものも品種が多く、西日本では色々なぶんたんが栽培されています。

・「土佐文旦」は高知県の特産品です。鹿児島では「法元文旦」と呼ばれる品種の系統になり、温室栽培と露地栽培があります。旬は2〜4月。
・「水晶文旦」も高知県の特産品です。「土佐文旦」と「晩王柑」の交雑種です。糖度が高く上品な甘さで、贈答用に使われる高級品です。旬は9〜12月。
・「晩白柚(バンペイユ)」は熊本県の特産品です。果実が大きいのが特徴で直径25cmにもなります。旬は2〜3月頃。
・「河内晩柑」は熊本県が80%の生産量を占めている文旦です。「ジューシーフルーツ」「美生柑」「夏ぶんたん」とも呼ばれています。旬は6〜8月。
・「阿久根文旦」は鹿児島県阿久根市の特産品です。本田文旦とも呼ばれます。鹿児島県の銘菓「ボンタンアメ」には、この阿久根文旦が使われています。旬は12月〜2月位です。
・「麻豆文旦」は文旦の原産地である東南アジアや台湾で一般的な文旦です。洋梨のような形をしています。日本国内での産地はありません。

ぶんたんの主な栄養成分

ぶんたんには、ビタミンC、ビタミンE、クエン酸、カリウム、ペクチン、ナリンギン、オーラプテン、ギャバなどが含まれています。
ぶんたんもグレープフルーツ同様、降圧剤や高脂血症治療剤などの効き目を強くしてしまうので注意してください。

抗酸化作用のあるビタミンC

ぶんたんにビタミンCの量は柑橘類でトップクラスです。100g中に含まれる果肉のビタミンCの含有量は45mgですが、果皮には200mgと特に多く含まれています。

ビタミンCには強い抗酸化作用があるので、活性酸素を無害化する働きがあります。また、皮膚や粘膜の成分となるコラーゲンの合成を促し、免疫力を高めたり、解毒作用もあります。

苦味成分のナリンギンとリモノイド

ナリンギンは、ブンタン類に比較的多く含まれるフラボノイドの一種で、苦味成分です。
独特の苦味成分には、過剰な食欲をセーブする働きがあるので、ダイエット中の人にオススメのフルーツです。
その他にも血流を改善する効果や、アレルギー抑制効果、抗酸化作用があるので、生活習慣病の予防にも役立ちます。

リモノイドは、果肉に含まれるもう1つの苦味成分で、リモノイドとその配糖体には血栓の発生を抑えたり、発がん抑制作用があることが知られています。

注目の成分、GABA(ギャバ)とオーラプテン

GABA(ギャバ)は、γ−アミノ酪酸と呼ばれる物質で、グルタミン酸から生成される神経伝達物質です。脳の血流を良くして酸素供給料を増加させ、不安やいらいらを鎮める働きがあります。更年期障害や初老期の精神障害にも効果が期待できます。
また、血圧降下作用もあることから、高血圧から引き起こされる脳卒中などの予防にも働きます。
目安として、1回30mg以上のギャバを摂取することで、ストレス軽減の効果が期待できると考えられています。
土佐文旦の果肉100gには、33〜37mgと比較的多くのGABAが含まれています。

オーラプテンはクマリン化合物の一種で、発がん抑制作用があることが知られています。最近の研究では、ぶんたん類の果皮には乾物1g当たり0.1〜0,2mgと比較的多く含まれ、果皮表面の外果皮と呼ばれる部分に多い事があきらかになっています。
果皮に含まれるオーラプテンは、水煮では溶出や分解が少なく果皮に多く残存することが報告されています。

おいしいぶんたんの選び方

皮にツヤがあってしっとりし、ヘタが落ちたり枯れたりしていないものが良いでしょう。
形はやや横長の球形がいいです。持った時に重みのあるものは、果肉や果汁がたっぷりと詰まっています。
小さめでも味はしっかりとしています。
皮にうすいシミや傷があることがありますが、味にはほとんど影響はありません。

ぶんたんの保存のポイント

直射日光を避け、風通しの良い涼しい場所に置いてください。
ぶんたんは皮が厚いので比較的日持ちが良く、状態が良ければ1ヶ月位はもちます。部屋に置いておけば、爽やかな香りも楽しめます。ただし、あまり長期間放置すると、水分が抜けてしまい食感がぱさついてきます。
店頭に並んでいるものが食べ頃のものですが、酸味が気になる場合には、数日間温かい場所に置き、追熟させると、酸味が抜けて甘みが増したように感じられます。

表面に冷気があたるとシワが出来るので、冷蔵庫で保存する場合は皮がしぼんでしまわないように、全体をびっちりとラップやポリ袋でくるんで入れてください。

ぶんたんの食べ方

ぶんたんは皮が厚くてむきにくいので、ナイフですこし切り込みを入れてからむくと良いでしょう。
あるいは上部と下部を切り落とし、外皮に十字に切れ目をいれて、手で外皮を剥き、中身を取り出します。

取り出した中身は手で四つ割りにし、一房ずつ小分けにします。じょうのう膜(薄皮)も厚くて苦味があるので、袋をむいて中の果肉を取り出して食べます。基本的に種は多めです。

ぶんたんの果肉はしっかりしているので、サラダにしたり、そのままデザートにしたりするのが簡単です。
そのまま食べられることはもちろんのこと、東南アジアでは和え物の材料として使用されます。加工食品の原料としても用いられ果皮はマーマレードやザボン漬け(皮の白い部分を使って作られます)にして食べることができます。

果肉(果汁)の加工利用例

ジャム、ゼリー、菓子類(飴など)、シャーベット、ジュース、リキュール、ドレッシング等。

果皮の利用例

マーマレード、砂糖漬け等。

皮を適当な大きさに切って、何度か茹でこぼし、アクと苦味を抜き、水飴や砂糖で煮てピールやマーマレードに加工します。

果皮に多く含まれるビタミンCは、砂糖漬けなどにした場合、ほとんど残存できないのですが、発がん抑制作用のあるオーラプテンは、水にさらしても加熱してもほぼ残存しているので、効率的に摂取することができます。