ブリの旬

鰤(ブリ)の旬は11月〜2月です

ブリは養殖ものも含め通年出回っている魚ですが、天然も養殖ものも夏前に産卵期を迎えるので、産卵前の冬には栄養を蓄えており、身が引き締まり脂ものってとても美味です。冬のブリは特に「寒ブリ」と呼ばれ珍重されています。

大平洋側では2~3月に多く水揚げされ、日本海物には及ばないものの、価格が4~5分の1とかなり安く、コストパフォーマンスが高くなります。天然ブリは2~4月、養殖ブリは3歳の5~6月に産卵期を迎え、この頃のものは腹に子を持ち始めるので、腹の身が薄くなり、切り身にしたときの歩留まりが悪くなります。しかし、マコと呼ばれる卵は珍重されます。北上する夏に漁獲したブリは、脂も少なく、身の中に寄生虫が入っている事も多く、刺身にも向きません。

季節に合わせて北上&南下

ブリは九州周辺、南で産卵、孵化し、その稚魚は群れをなして北海道の南部にまで北上します。北の豊富な餌をむさぼるように飽食したブリは、水温が下がる秋に南下を始め、能登半島には初冬から真冬に到達します。この南下の途中、いちばん脂ののった時期に漁獲されたものが『寒ブリ』と呼ばれるものです。九州など南海域にすむ瀬つきのブリはキブリと呼ばれ、普通のブリと比べて頭部が大きく痩せており側線が際立つものが多いようです。

ブリの産地

ブリは、北海道から沖縄までの各地の沿岸で穫れる回遊魚です。
天然ブリの漁獲量が多いのは、長崎・石川・島根・千葉などです。
養殖は主に西日本で盛んに行われており、鹿児島・大分・愛媛・宮崎などで生産量が多くなっています。
一般的に太平洋沿岸より日本海のブリの方が美味で、特に富山県の氷見漁港で水揚げされる寒ブリは、日本一美味しいブリと言われています。

ブリは「出世魚」です

ブリは成長につれ名前が変わる出世魚の代表格で、古くから縁起が良いと珍重されており、西日本の正月には塩ブリが欠かせないものとなっています。

幼魚は流れ藻につくのでモジャコ(藻雑魚)と呼ばれ、以後大きくなるにつれて以下のように呼び名が変わっていきます。
関東では ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ
関西では ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ 
関東・関西だけでなく各地方で様々な呼び方がありますが、市場では70cm、重さ8kg以上の天然ものに限って「ブリ」「本ブリ」と呼びます。

世界に15種、日本近海には6種

ブリは、世界に15種、日本近海には6種いるといわれており、ヒラマサ、カンパチなどの高級魚もブリ属の仲間です。

見た目も味も似ている、ブリ・ハマチ・カンパチ・ヒラマサ

「ブリ」と「ハマチ」は同じ魚です。関東でイナダと呼ばれるブリは、西日本の地域ではハマチと呼ばれることが多く、本来40cm前後のブリの呼び名です。
この大きさは採算性が良いことから養殖で盛んにつくられ、西日本で養殖が盛んだったことと、養殖のほとんどがこの大きさであったため、「ハマチ」が養殖ブリの代名詞となりました。養殖のハマチは、イナダとは比べ物にならないくらい脂がのっていて美味しいので、一部のスーパー等ではブリの切り身として売られていることがあります。

カンパチ」と「ヒラマサ」はそれぞれブリとは別の魚ですが、同じスズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属に分類される仲間で、ブリ御三家と呼ばれています。
カンパチは、ブリやヒラマサに比べ丸みを帯びて体高が高く、側扁して薄くなっています。
ヒラマサは、見た目はブリに瓜二つですが、ブリよりも細身で側扁して薄く、胴に鮮やかな黄色の筋があります。

ブリの旬は冬ですが、カンパチやヒラマサは夏が旬になります。
カンパチはこの中で最も脂が少ないのですが、刺し身で食べる分には十分な脂を感じる事が出来ます。
ヒラマサはブリほど脂が多くなく、カンパチよりは脂や旨味が多いです。
どちらもブリに比べて漁獲量が少なく、高級魚として珍重されています。

鰤(ブリ)の主な栄養成分

ブリには、良質なタンパク質や脂質をはじめ、ビタミンやアミノ酸等、体に必要な栄養分が豊富に含まれているので、美味しく食べて健康な体を維持するのに役立ってくれる魚です。

優れた脂肪酸が豊富

DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)という多価不飽和脂肪酸、POA(パルミトレイン酸)という一価不飽和脂肪酸が多めに含まれています。
DHAはガン、脳卒中、心筋梗塞やアレルギー疾患の予防に効果があると考えられています。
EPAは悪玉コレステロールや血液中の中性脂肪を低下させ、動脈硬化や脳卒中、糖尿病などを予防します。
POAは脳血管の栄養を補う働きがあるので、脳出血、くも膜下出血の予防に効果があります。

ビタミンで生活習慣病予防・美容効果

ブリにはビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEなど、多くのビタミンが含まれています。
糖質や脂質の代謝に不可欠のビタミンB群は燃焼ビタミンとも呼ばれています。
ビタミンB2は脂肪を分解しエネルギーに変えるために大切なビタミンで、皮膚や粘膜を保護したり、成長を促進し、白内障を予防する働きもあります。
ビタミンB3(ナイアシン)はブドウ糖(炭水化物)の分解に不可欠で、血液の流れを良くし、コレステロールを下げる働きがあります。また肌の水分量を維持する効果や、冷え性の改善にも効果があります。
ビタミンEには高い抗酸化作用があり、ガンや老化を予防します。血液の循環を良くし、皮膚の代謝機能を高めて、みずみずしい肌を作ります。

骨粗しょう症予防

ブリには脂溶性ビタミンであるビタミンDやカルシウムが含まれています。
カルシウムは吸収率が低く、蓄積されても運動不足などで簡単に流れ出てしまいますが、ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける効果があるので、相乗効果が期待出来ます。骨の形成を促す作用があるので、骨粗しょう症を防いだり、骨や歯の健康に役立ちます。

アルコールの分解促進効果

ブリに含まれるナイアシン(ビタミンB3)やタウリンには、アルコールの分解に対する補酵素の働きをはじめ、分解後に生じるアセトアルデヒトという二日酔いを起こす成分の分解を助ける補酵素の働きもあるので、お酒のつまみにぴったりです。

滋養強壮の代名詞、タウリン

遊離アミノ酸の一種であるタウリンは、血中コレステロールを抑えて動脈硬化を防ぐとともに、肝機能強化や眼精疲労緩和に作用することが知られており、生活習慣病が心配な方にはおすすめです。とくに背骨に近く赤黒い血合いの部分に多く含まれますので、調理の際は積極的に利用すると良いでしょう。

おいしい鰤(ブリ)の選び方

一尾まるごとを選ぶときには、目が澄んで、尾が大きくてピンと張り、背の青い部分や黄色の縞がはっきりしているものを選びましょう。
切り身の場合には、身に締まりとハリがあり白身の肉が光っているもの、そして血合いが鮮やかで濃く、きれいな色のものが新鮮です。パックに水が溜まっていないものを選びましょう。
また、一緒についていることの多いツマは、消化吸収を助けてくれるので、ぜひ一緒に摂取して下さい。

鰤(ブリ)の保存のポイント

ブリを買ってきたら、まずすぐにブリについている水気を取ります。
表面に水気が着いたままだと、雑菌が繁殖したり、臭みの原因になります。
すぐに食べないときには、下味をつけて保存することにより、日持ちがします。
下味をつけない場合には、空気に触れないように一切れずつラップに包み、保存袋に入れて冷蔵保存します。
(保存の目安は2日〜1週間)

下味をつけたブリは調理料とともに保存袋にいれ、しっかりと空気を抜きます。そして金属トレイに乗せ、急速冷凍して下さい。保存目安は2〜3週間です。
解凍する際は、冷蔵に移し自然解凍します。チルド室などで4〜5時間ほどで解凍出来ます。
急ぐ場合には、保存袋のまま氷水に入れて解凍します。約15分ほどで解凍できます。

鰤(ブリ)の調理のポイントと主な料理

ブリはあらまで美味しく食べられる利用価値の高い魚なので、刺身・しゃぶしゃぶ・サラダなどの生食や、焼き物、煮物など幅広い調理法に向いています。
グツグツと長く煮ると柔らかくなって頭も骨も食べられる滋養強壮食品となり、昔から珍重されてきました。

ブリの脂に豊富に含まれているDHA・EPAは熱に弱く酸化しやすいので、有効に摂取するためにはお刺身等の生食をお勧めします。加熱調理をすることでDHA・EPAが熱で壊れると言うわけではなく、酸化が促進されたり、調理過程で脂が流れ出てしまうことがある為です。

お刺身や漬けにして

脂がたっぷりとのったブリは、やはりお刺身で頂きたいものです。
ブリの脂は酸化しやすいので、新鮮なものを新鮮なうちにいただきましょう。
タレにつけて、漬けにしても美味しいです。漬け丼や漬け茶漬けなども楽しめます。

ブリの栄養が丸ごと摂れる「ブリ大根」

頭や中骨といったあらの部分には、コラーゲンが多く含まれています。ブリのあらと大根を煮たブリ大根は、煮汁に溶け出したコラーゲンや、ブリの栄養素と旨味が大根に染み込み、無駄なく食べることが出来ます。

定番の「ブリの照り焼き」

焼きながらタレをかけるだけだと豊富な脂が邪魔して味がのらないので、焼く前に酒で薄めたタレに30分位つけて、染み込ませてから弱めの火加減で焼くといいです。

あっさりと「ぶりしゃぶ」

もともとは京都や富山の地元の伝統料理として親しまれていたようです。
サッと湯にくぐらせて余分な脂を落とし、ポン酢、小ねぎと合わせて召し上がってください。