チョウザメ&キャビアの旬

チョウザメの旬は、産卵前の冬~春です
キャビア(チョウザメの卵)の旬は、5〜6月頃と、11〜12月頃です

ベルーガとオシェトラは、春から秋にかけて産卵し、セヴルーガは春に産卵します。

キャビアについて

キャビアの種類には、ベルーガ、オシェトラ、セヴルーガなどがあります。
ベルーガはオオチョウザメの卵、オシェトラはロシアチョウザメとシップチョウザメの卵、セヴルーガはホシチョウザメの卵です。
大体、1匹で採取できるキャビアは、チョウザメの重さの10%くらいで、多いものは20%くらいになるそうです。

殺菌方法は2種類あり、低温殺菌されたものを「パストライズ・キャビア」、低温殺菌されていないものは「フレッシュ・キャビア」と呼ばれます。

キャビアを食べる時には、銀のスプーンを使うと、銀のにおいがキャビアに移ってしまうので、金や木製のスプーンを使うのが一般的です。キャビア用に作られた真珠貝のスプーンもあります。

キャビアはクリスマス時期に最も売れますが、実はホワイトデーにも良く売れるんだそうです。

日本は世界第4位のキャビア消費国

世界三大珍味と言われる「フォアグラ」「トリュフ」「キャビア」の中で、日本人にもっとも人気が高いのがキャビアです。
日本は、EU、米国、スイスに次ぐ世界第4位のキャビア輸入国であることからもその人気の高さが伺えます。

チョウザメは水深や水温などの環境が合うことからカスピ海に集中して生息しているため、カスピ海産キャビアの国際取引が禁止される以前は、世界のキャビアの90%はカスピ海で水揚げされたチョウザメで作られていました。近年は、乱獲や密漁、開発による環境変化などでチョウザメの漁獲量が急減し、ワシントン条約による輸出規制などにより、キャビアの輸出量も激減しています。

キャビアの模造品

代用品として、ランプフイシュというダンゴウオの仲間の卵を着色したものがありあすが、チョウザメのものより小粒で脂肪分が足りないです。
また、人工イクラと同じくアルギン酸とカルシュウムを組合せて作る人造キャビアもあります。
これらを見分ける方法としては、純正品は水の中に入れると表面が白濁してしまいますが、模造品は黒い液が溶け出すか、何にも変化が起こらないです。

豚の餌だったキャビア

「黒い真珠」とか「食べる宝石」などと珍重されているキャビアですが、初めてキャビアを食べたのは貧しい漁師だったと言われています。
キャビアを初めて作ったのは中国人だと言うのが通説です。黒竜江(アムール川)にはチョウザメがいて、しばしば網にかかりました。時にはお腹がパンパンのメスも捕れますが、腹子は売れないので豚の餌にしていたというのです。売れ残ってしまった場合は、仕方なく漁師が食べていました。
似たような話は、ローマ時代にもあります。チョウザメは世界最高の魚と呼ばれ、時の皇帝セウェルスは、チョウザメを食べる時は、バラの花を敷き詰めた皿に載せ、笛や太鼓の演奏入りで運ばせたのです。しかし卵の商品価値はゼロだったので、売り物にはならず、貧しい漁師が食べていたというわけです。

チョウザメは鮫ではない!

チョウザメは、鮫(フカ)の仲間とは全く違った種類の魚で、チョウザメ科に属する古代魚です。シーラカンスと同じ古代魚の残存種といわれており、3億年前から地球上に存在しています。
チョウザメという名前は、体表にある硬いウロコが蝶の形をしていること、全体的な形がサメに似ていることに由来して「蝶鮫」と呼ばれています。
ロシアやヨーロッパ、アジア北中部、北アメリカなど世界各国に30種類ほど生息しており、基本的には淡水魚で川や湖に棲んでいます。(日本には天然のチョウザメは生息していません。)中には川で生まれて海に下って成長し、再び川に遡上して産卵する種類もいます。

皇帝の魚

日本ではあまり知られていませんが、チョウザメの肉は、古くから食材として利用されており、ヨーロッパでは「ロイヤルフィッシュ」、中国では「煌魚(エンペラーフィッシュ)」と呼ばれ、時の王様や皇帝が食してきたという歴史を持っています。
寿命も100年近く生きるものもおり、それゆえ不老不死の食材としての伝説が生まれたと言われています。
現在でもヨーロッパでは高級食材であり、チョウザメ料理がメニューになければ三つ星レストランとして認められないそうです。

鮫の仲間とは違うため、体内に腎臓を持っているので、肉がアンモニア臭くならず、白身で淡白な美味しい魚です。
さらに、顎に少し骨があるくらいで骨格は軟骨で作られており、コラーゲンがたっぷりです。
チョウザメは、卵(キャビア)はもちろん、頭・ウロコ・皮・身・内蔵・背骨・ヒレと全てを利用でき、捨てる部位は無いといわれています。

フカヒレ

中国の高級食材の「フカヒレ」は、鮫のヒレのことです。
現在フカヒレには主にヨシキリザメやネズミザメ(モウカザメとも)が使われますが、チョウザメのヒレが始まり、という説もあります。

チョウザメの養殖

宮崎県では、チョウザメの養殖が行われており、その飼育尾数は日本一です。
宮崎水産試験場・小林分場では、2004年に国内では初めてシロチョウザメの完全養殖(親→卵→稚魚→親)に成功しました。
その後、大量生産に向けさらに研究を重ね、2011年にシロチョウザメ稚魚の大量生産技術を確立しました。これにより、高品質の国産キャビアを造ることに成功し、販売するに至りました。

チョウザメ&キャビアの主な栄養成分

チョウザメは、人間の健康に有益な成分を数多く含んでいることが最近の研究でわかってきています。
2016年には、宮崎市で春季キャンプを行ったJリーグの3クラブの食材に、宮崎県産のシロチョウザメの肉が採用されました。疲労回復や運動能力の向上が期待できる「バレニン」や「カルノシン」などが豊富に含まれている点にクラブ側が興味を示し、採用が決まりました。アスリートに必要な栄養が豊富で、上品な味わいが選手やチーム関係者の高い評価を得たようです。

キャビアには、タンパク質、亜鉛、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB12、リン、パントテン酸、ナトリウムなどが含まれます。
血栓が作られるのを抑えたり、貧血予防、動脈硬化予防、味覚を感じる「味蕾(みらい)」の形成、腰痛や肩こりの緩和などの効能が期待できます。

高度不飽和脂肪酸が豊富

EPA・DHAなど、動脈硬化の予防に良いとされている高度不飽和脂肪酸は、いわゆる「青魚」に多いとされています。
しかしチョウザメには、これらが大変多く含まれています。

コラーゲンが豊富

コラーゲンは、細胞の結合に欠かせない物質です。
一般に魚肉には豊富とされていますが、チョウザメにはマダイよりも豊富に、そして、ヒラメに匹敵するほど含まれているという報告があります。

コンドロイチン硫酸が豊富

骨の構造物質(特に軟骨)の一部で関節部分の動きを滑らかにしたり、傷の自然治癒に不可欠なものです。
腰痛・関節痛・肩こり・リュウマチ・骨粗しょう症、また肝疾患・難聴・眼精疲労にも良いとされています。
背骨部分に多く含まれています。軟骨なので、唐揚げやつくねに混ぜたりして食すことが出来ます。

アミノ酸価が高い

肉質分析を行うと、チョウザメのアミノ酸価は90近い値で、他の魚種より豊富であることが明らかになっています。(マダイ – 87、コイ – 77、うなぎ – 64)この値が高いほど、高度不飽和脂肪酸など、人間に有益なタンパク質を多く含んだ肉と言えます。

カルノシンが豊富

カルノシンとは2つのアミノ酸、β-アラノンとL-ヒスチジンが結合したものです。カルノシンは認知症予防や改善に効果があるとされ、他にも味に”コク”を与える役目があり、鍋物・スープが美味しくなるのはこの成分のおかげです。
宮崎県産のチョウザメは独自の飼料により、カルノシン含有量がより多くなっています。

抗疲労成分「バレニン」が豊富

宮崎県水産試験場で、チョウザメにバレニンが含まれていることが発見されました。
バレニンとは、注目のアミノ酸の一種で抗疲労成分です。シロチョウザメには天然うなぎの2倍以上のバレニンが含有されていることがわかりました。
バレニンが属するイミダゾールペプチドには、筋肉耐久力アップ、疲労防止・回復・抗酸化・活性酸素の除去機能等の働きがあります。
近年、多くのアスリートの方々がバレニンを原料にしたサプリメントを愛用、その効果が評価されています。

キャビアを選ぶポイント

粒が大きく、価格の高い順に、ベルーガ→オシェトラ→セヴルーガとなります。
瓶詰めや缶詰で流通していますが、等級によってふたの色が異なります。
最上級は、青色のベルーガで、粒が大きく色は明るい灰色。次は黄色のオシェトラで、粒は黒っぽい茶が黄色。赤色のセヴルーガは値段が安く、小粒で黒に近い灰色です。
ベルーガは濃厚な味わいと柔らかな舌触りがあります。オシェトラは脂質が多くナッツのような風味があり、セヴルーガは強い味わいが特徴です。

チョウザメ&キャビアの保存方法

チョウザメ

チョウザメは腐りにくい魚です。
保存は、冷蔵庫に入れるより、冷凍してしまったほうが良いようです。味が落ち着くようです。
宮崎県産シロチョウザメに含まれる旨味成分のイノシン酸は、活け〆後、徐々に増加し、最高値に達する3日め(72時間後)が最も美味しく食べられます。(4℃保存)

キャビア

未開封でも冷蔵庫で保存してください。1年ほど持ちますが、開封したらなるべく早く食べきるようにしましょう。

チョウザメ&キャビアの調理法

チョウザメ

チョウザメのクセのない魚肉を活かした「カルパッチョ」や「握り寿司」「刺身」「しゃぶしゃぶ鍋」はもちろん、軟骨をメインにした「コラーゲン鍋」や「唐揚げ」も人気の料理です。
焼いたり、煮付けにしたり、ムニエルやフライなどにも向いています。
火を通しすぎると肉が硬くなるので、削ぎ切りにしたり、少し濃い目の味付けで調理するのがコツです。

中国やロシアでは、頭をダシにしてスープにもします。特にロシアでは三番だしをスープにするそうです。

キャビア

アロマを楽しむため、食べる15分ほど前に冷蔵庫から出します。
開ける前にしばらく、缶を逆さまにしておくと溜まった脂肪分が全体に行き渡ります。
温めないよう容器を砕いた氷の上に置きます。
蓋を一度開けたら、必ず食べ切るほうがよいでしょう。
品質の良いキャビアは無臭です(手の甲に粒を置き、匂いを嗅いでみる)。

スプーンに乗せて、そのまま食べるのが一番豪華で美味しいと言われています。
キャビアには、銀やステンレスのスプーンは使用できません。銀が錆びたり、金属臭がキャビアに移ってしまうからです。貝(真珠貝)、金、または木製のものを使用しましょう。

ちらし寿司や握り寿司のネタとしても美味です。
黒パンやトーストなどに無塩バターをに塗り、そこに乗せてレモン汁などをかけるとさっぱりした味わいです。

ロシアではレモンを搾ってサワークリームとともにそば粉のクレープに乗せて食べたりしますが、パンに添えたり、ふかしたポテトと一緒に食べても美味しいです。

飲み物はウォッカといわれますが、ドライのシャンパンも最上の友です。