パクチー(コリアンダー)の旬

パクチーの旬は、3月〜6月頃と、10〜11月です

以前は、その独特の香りゆえに、日本では拒否反応を示す人が大半だった食材ですが、最近では、パクチーの高いデトックス効果や抗酸化作用などに注目が集まり、とても人気が出てきました。その人気を裏付けるように、パクチー料理専門店なども開店しています。
好き嫌いがハッキリと分かれるだけに、一度ハマるととことんリピーターになってしまうほど魅力があるのがパクチーです。

パクチーとは

パクチーとは、セリ科の1年草で、東南アジアや中南米などで広く栽培され、世界中の食卓に並ぶハーブです。
種子はコリアンダーシードと呼ばれ、インドや日本ではカレー(カレー粉)に欠かせないスパイスとして利用されています。

スパイスとして利用される完熟した種子の部分と、ハーブとして利用される葉の部分では全く異なる香りを持ちます。
種子は甘く爽やかで、ほのかにスパイシーな香りを持ちます。タンパク質と良く調和する性質を持つことから、特にアフリカ、中近東、中南米、アジアなどで肉類、卵、豆類の料理に良く用いられます。欧米ではピクルスやマリネなどの香り付けにホールのまま使われます。
その甘い芳香を生かして、揚げ菓子、カステラ、クッキー、パンなどにも使われます。

葉の部分は、強烈な臭気ともいわれる独特の方向を持ち、料理のトッピングだけでなく、炒めもの、焼きもの、煮物、ソースなどいろいろな調理方法で楽しめます。特にアジア、南米、中近東などでポピュラーなハーブです。近年、日本でもエスニック料理の人気とともに、家庭でもよく使われるようになっています。

パクチーの呼び方

パクチー(タイ語)
コリアンダー(英語)
香菜(シャンツァイ/中国語)
シラントロ(スペイン語)
コエントロ(ポルトガル語)

コリアンダーという英語名は、ギリシャ語で虫を意味する「コリス(koris)」が語源になっています。ローマの植物学者ブリニーが、この植物の葉がナンキンムシの香りに似ているとして「コリアンダム」と命名したのが最初だと言われています。

長寿の薬だったり、愛の媚薬だったり

コリアンダー(パクチー)は、世界で最も多く利用されているスパイスの1つです。
紀元前のエジプトの書物「エーベルス・パピルス」に記載があり、「旧約聖書」にも登場するほど歴史は古く、既に紀元前1500年頃のエジプトでは医薬に利用され、古代ギリシャの医学書にも頻繁に登場しています。
中国では長寿の薬として利用され、中世期には媚薬や催淫剤として使われたこともあるようです。
たとえば「千夜一夜物語」には、ハーレムの王侯貴族が、美女を満足させるために使ったと言う話が載っています。

パクチーの主要生産地

農林水産省では生産量の統計は行っていないようですが、全国一の産地とされるのは静岡県です。次いで岡山県が多くなっています。
沖縄県の与那国町は、日本最西端のパクチー生産地です。与那国町では島内での需要が高く、冬の食べ物として定番です。
与那国パクチーは、本土のパクチーよりも青臭さや苦味がマイルドで食べやすく、与那国島産のパクチーを食べてパクチー好きになった人もいるというほどだそうです。

パクチーの主な栄養成分

パクチーには、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、βカロテンなど、さまざまな種類のビタミンがバランス良く含まれています。
葉には強力な消化促進作用、食欲増進効果があり、夏バテに有効です。食欲が無い、という時には、スープやおかゆに散らして食べてみてください。

風邪予防

パクチーに豊富に含まれるβカロテンは、体内でビタミンAに変わり、皮膚や、喉・鼻の粘膜を丈夫にし、ウィルスの侵入を防ぐのに効果的です。また、腸内環境を整えて、便秘を解消する働きや、強く抗酸化作用により細胞の老化も防ぐ効果があります。
約50gの摂取でβカロテンの一日の必要量を満たせると言われています。

美肌効果

また、肌に効果的とされるビタミン類がたっぷりとバランス良く含まれている野菜は珍しく、疲労回復や老化防止に効果的です。シミやシワ、動脈硬化、ガンなどの原因になる活性酸素の体内増加を抑える効果もあり、抗酸化作用に非常に優れています。

デトックス(水銀を排出する)効果

水銀は、人間の体内には、飲食物を介して侵入します。侵入した水銀は、尿や便、爪、汗などから排泄されますが、排泄能力が低かったり、排泄能力以上に侵入した場合、体内にたまっていくことになります。
そこで、その排泄、つまり解毒作用を高めるものとして注目されているのが「コリアンダー(パクチー)」です。
体内で金属を挟み込んでひとつの分子になる化合物、いわゆるキレート剤と同じ作用があると考えられます。
生より、加熱したほうが効果があるようです。継続的にコリアンダー(パクチー)を摂取していると、2〜3ヶ月ほどで体内に蓄積した水銀量の減少が見られます。

漢方での効果

漢方では香菜を「芫荽(げんすい)」と呼んでおり、汗をかかせて発疹を治す作用、気の逆流を治す作用があります。
種子には抗菌成分が含まれており、食べ物と一緒に摂ると、食中毒の予防になります。
実の部分には、タンパク質と調和する性質があるため、健胃や整腸に効果があり、漢方薬でも利用されています。すりつぶした実と蜂蜜を混ぜて咳止めにするなど、古くからさまざまな薬効が認められていました。

おいしいパクチー(コリアンダー)の選び方

葉の色が鮮やかでみずみずしく、全体がシャキッとしていて変色していないものを選びましょう。
葉が黄色っぽく変化したら、鮮度が落ちた証拠です。
香りを楽しみながら生で食べるのがオススメなので、鮮度の良いものを選ぶことがポイントです。

パクチー(コリアンダー)の保存のポイント

・葉の保存方法

乾燥させると風味が落ちてしまうので、生で使用します。
パクチーは乾燥に弱いので、必ず根元を濡らして保存します。
根元を濡らした新聞紙やキッチンペーパーなどでくるみ、ビニール袋などに入れ、なるべく立てて、冷蔵庫(野菜室)へ入れて保尊しましょう。寝かせて保存すると、上に伸びようという植物所以の働きで茎が曲がりやすく、またそれが出来ずに痛みやすくなるので、出来るだけ立てて保存してください。
2〜3日は保存できますが、香りも薄れてくるので、早めに食べましょう。

・種の保存方法

完全に乾燥させて、密閉容器で保存します。
種子を丸ごと保存しても、ミルなどでパウダー状にしてから保存してもいいでしょう。

パクチー(コリアンダー)の美味しい食べ方

基本的にパクチーは、どんな料理と一緒に食べてもパクチーの味しかしないほど、主張の激しい食材ですが、料理の美味しさを引き出すのに絶大な効果を発揮します。
強烈な味と香りであとに引きそうですが、実際の後味は極めてさっぱりしています。

強い香りをもつ葉や茎は、好き嫌いの分かれるところですが、魚や肉料理に添えると、素材の臭みを消してくれます。
香りに慣れるまでは、葉を細かく刻んで、カレーなどの煮込み料理に使ってみましょう。料理の味に深みを与えてくれます。
香りに慣れたら、サラダやスープ、魚・肉料理などに使います。素材の味を引き立ててくれます。

パクチードレッシングや、万能タレを作るのもいいでしょう。料理がエスニック風に変身します。

「万能パクチーだれ」

<材料>
・パクチー 1束
・太白ごま油 1/2カップ
・レモン汁 大さじ3
・ナンプラー 大さじ2
・水 大さじ2
・ピーナツクリーム 大さじ1
・にんにく 1片
・鷹の爪 1本

<作り方>
① パクチー(茎と根を含む)を手でちぎる。
② 鷹の爪の種を抜いて輪切りにし、調味料を全てミキサーに入れる。
③ ②に①を入れて、パクチーが細かくなるまでミキサーにかける。