葉生姜/矢生姜の旬

葉生姜の旬は6~8月です

矢生姜は、愛知県の特産として知られています。主にハウス栽培されていて、通年出荷されています。1~2月に収穫されるものが、色が美しいといわれています。

その薬効が世界を魅了

生姜の原産地は、インドからマレー半島にかけての熱帯アジアと考えられています。インドでは、紀元前300~500年前にはすでに保存食や薬用として使われ、中国でも紀元前500年には栽培されていたようです。ヨーロッパには紀元1世紀ごろに伝わったとされています。
イギリスでは、14~17世紀頃ペストが大流行しました。市民の3分の1が亡くなりましたが、生姜をたくさん食べていた人は助かったといわれています。それを知った当時の国王は、ロンドン市長に生姜入りのパン「ジンジャーブレッド」をつくるように命じました。これがきっかけで、欧米ではジンジャークッキーやジンジャーブレッドが日常的に食べられるようになったといわれています。
日本には2~3世紀ごろ中国から伝わり、主に薬用として奈良時代から栽培されています。食用として広く用いられるようになったのは、江戸時代からです。
生姜は、植物学的にはショウガ目ショウガ科ショウガ属。同じショウガ目にはミョウガやウコンも含まれます。ミョウガとともに持ち込まれた際、香りの強いほうを「兄香(せのか)」、弱いほうを「妹香(めのか)」と呼んだことから、これがのちに生姜、ミョウガに転訛したとする説があります。

生姜の種類

日本で栽培される生姜の品種は、根茎の大きさなどから「大生姜」「中生姜」「小生姜
に大別されます。
大生姜は晩生で、茎や葉も大きくなります。一株が1kgにもなることがあり、品種としてはおたふく、印度などがあります。一般に野菜売り場で売られている根生姜は、この種です。
中生姜は中生で、辛味が強く、繊維質が早く形成されるので、貯蔵されずに主に漬物や加工品に使用されます。一株の大きさは500g前後、品種は三州生姜、黄生姜などがあります。
小生姜は早生で、一株が400g前後です。早掘りして葉生姜やはじかみなどにされます。
小生姜の品種には、金時生姜や谷中生姜などがあります。

葉生姜と矢生姜

葉生姜の代表的な品種は谷中生姜です。一般に、市場で「谷中生姜」と呼ばれるものは、根茎の部分が1本だけのもので、小指程度の大きさに成長した段階で葉がついたまま収穫されます。ごくごく初期の若い段階で収穫されますので、辛みもマイルドで繊維質もやわらかく、葉生姜の最高級品とされています。
それより少し収穫時期を遅らせると、根茎が大きくなり、横から次々と新芽が出てきます。
この状態の葉生姜を「つばめ」と呼びます。中央の根茎から、左右に1本ずつ芽が出て小指ほどに成長したものを、みずみずしさを保ったまま葉つきの状態で出荷します。水分が多く、さわやかな辛みで肉質がやわらかいので、そのまま味噌をつけて食べたり、甘酢漬けにするのが一般的な食べ方です。

矢生姜は、金時生姜という品種を、遮光されたところで軟化栽培し、茎を白く柔らかく育てます。葉茎が15㎝ほど伸びた頃に、わずかに太陽に当てることで、茎元が鮮やかな紅色を帯びます。この時点で収穫されます。「筆生姜」や「芽生姜」、「軟化生姜」とも呼ばれます。
矢生姜を湯に通して軽く塩をふり、冷ましたあと甘酢に漬けます。すると、酢と生姜の色素が反応して、美しい淡紅色となります。これを「はじかみ」といいます。主に魚の付け合わせ(あしらい)に使われます。

葉生姜/矢生姜の主な栄養成分

冷え症を改善

生姜に含まれる香り成分ガラノラクトン、辛み成分ジンゲロールは、血管を拡張させる働きがあります。血液の流れが良くなり、血行不良による冷え性や肩こりなども改善されます。血流が良くなると血液がきれいになり、発汗や排尿、排便が促され余分なものが排出されやすくなる効果もあります。

体温が上昇

生姜を食べることで、3~4時間、保温効果が持続します。体温を1℃上げることにより、免疫力が30%上昇するといわれており、風邪などの病気の予防にも適した食材です。
また、体を温めることで関節の痛みを和らげることができます。

殺菌効果

ジンゲロン、ショウガオールには、殺菌効果があります。寿司に添えられているガリは、一緒に食べることで魚の臭みを消すだけでなく、食中毒の予防にも効果的です。
食中毒の予防だけでなく、胃潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を殺菌する効果があります。さらに、風邪や気管支炎、肺炎などの原因である細菌類や水虫などの真菌、フィラリアや回虫などの寄生虫も駆逐するといわれています。

吐き気を抑える

生姜に含まれるジンキベレンという成分には、胃腸の運動が活発になりすぎることによって起こる二日酔いやつわり、胃の不調による吐き気を抑える効果があります。

胃や腸を健康に

生姜は胃腸の内壁の血行をもよくしますので、胃腸の働きを活発にし、消化吸収を高めます。また、辛味成分のジンゲロン、ショウガオールには、胃酸の分泌を促進して消化を助け、内臓の働きを活発にして食欲を増進させる効果があります。

炎症を抑える

炎症や痛みなどの症状は、プロスタグランジンという物質が血中でつくられることによって現れます。生姜には、その合成を抑える働きがあるため、抗炎症作用や鎮痛作用があります。関節痛やリウマチに効果があるという研究結果も出ています。

せきやのどの痛みを緩和する

香り成分ガラノラクトン、辛み成分ジンゲロールは、せきやのどの痛みを暖和する働きがあります。

コレステロール値、血圧を低下させる

辛み成分ジンゲロンには、脂肪の燃焼を促進する効果があります。生姜を摂った後に、ウォーキングなどの有酸素運動を30分程度すると、血行がよくなることで脂肪の燃焼が加速されます。冷え症の改善やメタボリックシンドロームの予防や改善にも役立ちます。
また、生姜には、血中の中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールが増えすぎたり、善玉(HDL)コレステロールが少なくなりすぎることを予防、改善する効果もあります。

アンチエイジング

ショウガオールやジンゲロールには抗酸化作用があり、活性酸素を除去する働きがありますので、老化防止の効果が期待できます。

おいしい葉生姜/矢生姜の選び方

葉の緑が濃く、茎の紅色と根の白色との違いがはっきりしているものが良品です。根の部分は小ぶりで、ハリがあってみずみずしいものを選びましょう。
 

葉生姜/矢生姜の下ごしらえ&保存のポイント

きれいに洗って泥をおとします。くっついている根の部分を1つ1つ手で割り離します。包丁の背でこすって薄く皮をむきます。茎を10cmくらい残して切り落とします。

乾燥に弱いので、ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存します。低温にも弱く、あまり保存がききませんので、早めに食べきりましょう。

葉生姜/矢生姜の調理のポイント

下処理をしたら、そのまま味噌をつけていただきます。さわやかな香りと辛みが、ビールによく合います。
そのほかに、
・甘酢漬け
・しょうゆ漬け
・天ぷら
でもおいしくいただけます。