イカナゴの旬

イカナゴの旬は3~5月です

北海道では3か月遅れが旬となります。

稚魚も成魚も美味

イカナゴはスズキ目イカナゴ科の魚で、日本各地に生息しています。成魚の体長は15~20cm、体は円筒形で細長く、腹びれがありません。動物性プランクトンを主食としています。
イカナゴは水面を長い群(玉)になって泳ぐ性質があり、そのため漢字では「玉筋魚
と書きます。イカナゴの稚魚は東日本では「コウナゴ(小女子)」、西日本で「シンコ(新子)」と呼ばれ、生後1年以上のものを「フルセ
といいます。イカナゴのくぎ煮に使うのはシンコの方で、フルセは釜揚げや天ぷらなどで食されます。フルセは、明石の漁師さんたちが好きな魚の№1です。

夏眠する魚

イカナゴは、水温が高い期間は“夏眠”する珍しい魚です。
瀬戸内海では、 水温が19℃に達する6月に、大群が一挙に貝殻混じりの砂中にもぐり込み、3.5~5.0㎝ほどの深さに身を隠してそのまま夏を過ごします。尖った下顎は、この砂にもぐるときに役立つようです。仮眠中はエサを食べませんが、体内(消化管)に脂質状物質を蓄えており、極端に痩せ細ることはありません。秋になって水温が下がると、砂中から出てきて再びエサを食べはじめ、しばらく経つと産卵期に入ります。
なぜ夏眠をするのかは明らかになっていませんが、大事な産卵期を前に敵から身を守り、 体力を温存しているのではないかといわれています。海底が砂質かきれいな砂泥質でないとイカナゴが生育できない理由は、砂地がないと夏眠ができないためなのです。

「くぎ煮」発祥の地は神戸

イカナゴのくぎ煮の発祥地は、神戸市垂水区といわれています。イカナゴの醤油煮は、瀬戸内海沿岸地方に古くからあったものですが、それを佃煮として完成させ、くぎ煮と名づけたのが垂水の漁業関係者とのこと。イカナゴの炊きあがった姿が、“折れ曲がった古くてさびた釘”に似ていることから名づけられたそうです。
JR垂水駅北側広場にはイカナゴをかたどったモニュメントがあり、「いかなごGO!GO!」というイカナゴ応援歌が流れているとか。
淡路島や兵庫では、2月下旬から3月初頭にイカナゴ漁がはじまります。漁は日の出前の早朝から午前中行われます。船のエンジン音、船上の漁師さんたちの威勢のいい掛け声、網にかかったイカナゴが飛び跳ねる音、漁船に群がるカモメの鳴き声……。垂水漁港のイカナゴ漁の音は、環境省の選定する「残したい日本の音風景100選
に認定されています。
この地方の各家庭では、早春に獲れるイカナゴの稚魚シンコで、くぎ煮を作ります。特に発祥地、垂水漁港に近い商店街や魚屋さんは、この時期、イカナゴ一色に染まります。商店街などでは「イカナゴ祭り
を催し、くぎ煮発祥の地をアピールします。ホームセンターや金物店ではイカナゴの特設コーナーを作り、くぎ煮を作るための大鍋と保存容器を販売します。デパートやスーパなどの食料品売り場でも、イカナゴ専用コーナーを設け、鍋、保存容器はもちろん、醤油、砂糖(ザラメ)、水飴、ショウガ、山椒など、くぎ煮作りに必要なものを並べます。最近ではイカナゴのタレまでが登場するようになりました。

イカナゴの主な栄養成分

骨を丈夫にするカルシウム

骨ごと食べられる魚なので、カルシウムがたくさん摂れます。また、骨の生成に欠かせないリン、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富です。
カルシウムは精神を安定させ、イライラの解消にも役立ちます。

鉄分の補給に

鉄分を多く含んでいますので、貧血を予防してくれます

おいしいイカナゴの選び方

目の透き通ったものを選びましょう。鮮度が落ちやすいので、買ってきたらすぐに調理してください。

イカナゴの下ごしらえ&保存のポイント

傷みやすい魚なので、買ってきたらすぐに調理しましょう。くぎ煮などにして、冷蔵庫で保存します。

イカナゴの調理のポイント

天ぷら

イカナゴはかき揚げにするととてもおいしくいただけます。水でさっと洗い、ざるに上げて酒を少し振りかけ、生地をまとわせます。

フルセの釜揚げ

イカナゴの成魚は釜揚げされたものがよく出回ります。そのままでも食べられますが、さっと焼いてレモンをしぼり、醤油をかけて食べると一層おいしくいただけます。また、ニンニクをきかせたオリーブオイルで焼いても美味です。