数の子の旬

数の子の旬は3~4月です

ニシンの産卵期にあたります。

黄色いダイヤ

近世まで、ニシンを「かど(カドイワシ)」と呼んでいました。それで、その子なので「かどの子」、それが訛って「数の子」となったといわれています。
ニシンのメスの腹から取り出した卵の塊は、細かいものが無数に結着して、長さ10cm、幅2cm前後の細長い塊となっています。これを天日干しまたは塩漬けに加工します。
価格が高く黄金色をしていることから、「黄色いダイヤ」とも呼ばれています。
ちなみに「子持昆布」は、ニシンが昆布に卵を産みつけたものです。
現在、国内におけるニシン加工のほとんどは北海道留萌市で行われていて、同市の特産品となっています。

おせち料理と数の子

数の子は、「二親(にしん)
から多くの子が出るのでめでたいと、子宝と子孫繁栄を祈り、古くからおせちに使われました。
享保の改革によって倹約を進めたことで知られる、江戸幕府の8代将軍、徳川吉宗は、「正月だけは、富める者も貧しい者も同じものを食べて祝おう」と、数の子をおせち料理に加えることを推奨したそうです。

音を食す

古くは干し数の子が一般的で、塩数の子がつくられるのは1900年代に入ってからといわれています。
現在、市場で流通しているものは、塩蔵もしくは味付けで、一般的には塩蔵のほうが高級品とされています。
食通で知られる北大路魯山人は、「塩漬けの数の子は、庖丁で斜めに薄く切ったものを、甘酢にしばらく漬けておいてもよい」とすすめています。試してみたくなりますね。その著書の中で、数の子の楽しみ方をこう表現しています。「数の子を歯の上に載せてパチパチプツプツと噛む、あの音の響きがよい。もし数の子からこの音の響きを取り除けたら、到底あの美味はなかろう。……口中に魚卵の弾丸のように炸裂する交響楽によって、数の子の真味を発揮しているのである」。

数の子の主な栄養成分

意外と少ないプリン体

数の子にはプリン体が多く含まれていると思われがちですが、実はプリン体が極めて少ない食品なのです。中サイズの数の子1本約20gに含まれているプリン体は、4.4mgです。

コレステロールを下げる

魚卵はコレステロールが多く含まれているというイメージがあります。が、数の子のコレステロールは鶏卵の3分の2以下です。
しかも、多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量がとても多いので、体内でのコレステロールの合成を抑え、体外への排出を速める作用があります。

おいしい数の子の選び方

鮮やかな黄金色で透明感があり、身がしっかりしていて、薄皮がきれいについているものを選びます。色が白っぽいものは避けましょう。

数の子の調理のポイント

塩抜き

水1000ccに塩4gを溶かした食塩水をつくり、約300gの数の子を7~8時間浸します。
その間に、同じ濃度の食塩水を3回取り替えます。若干塩分が残った状態で、薄皮を取り除きます。
塩分を抜き過ぎると苦くなります。抜き過ぎた場合は、浸したものより濃いめの食塩水に、1~2時間浸してください。途中でこまめに味見をするのがポイントです。

基本的な味付け

薄口しょうゆ・大さじ5、だし汁・3カップ、酒・大さじ1/2を鍋に入れて火にかけ、1度沸騰させて冷まします。数の子300gといっしょに密閉容器に入れ、冷蔵庫で冷やします。塩抜きした数の子は保存が効かないので、1~2日中で食べきりましょう。