もやしの旬

もやしは、1年中出まわり、特に旬はありません

もやしは植物名ではなく、種子を水に浸し暗所で発芽させたものすべてをいいます。
もやしの原料には、米、麦、豆類、さまざまな野菜種子などが用いられますが、現在は豆類を用いたものが多いです。
実際は多くの路地野菜と同じ、春が旬の野菜ですが、スーパーなどに並ぶもやしは、温度や湿度を一年中、春の状態に管理されたところで育てられるので、通年美味しくいただくことが出来ます。

もやしの歴史

中国や朝鮮、東南アジアなどでは、古くから食べられていました。
日本においては、農村では馴染み深い野菜ですが、都市部では大正時代以降に普及しました。
もやしは「萌やし」とも表記しますが、芽が出るという意味の「萌ゆ」が変化して、現在の名前になりました。
古くは薬用としても使われていたようです。
最近では、無漂白、無添加、無農薬であるもやしの安全性にも注目されています。

スプラウトの一種

近年人気のスプラウトとは、新芽の事を言います。アメリカでガン予防の効果があるという研究発表があり、日本でも注目され、人気が高まっています。
最近では、ブロッコリーやピーナッツ、マスタード、赤キャベツなどのスプラウトが新しい野菜として出回るようになってきましたが、かいわれ大根やもやし、豆苗(エンドウ)もスプラウトの仲間です。

もやしの種類

豆類のもやしを特に豆もやし(ビーンスプラウト)といいます。

・緑豆もやし・・緑豆を発芽させたもの。日本で生産されるもやしでは一番多いです。
・大豆もやし・・大豆を暗所に置き発芽させたもので、豆の部分に旨味があります。韓国料理のナムルなどによく用いられます。
・ブラックマッペ・・けつるあずきを発芽させたもの。緑豆もやしと似ていますが、緑豆もやしよりも長く少々固さがあります。
・アルファルファ・・ムラサキウマゴヤシ、もしくは糸もやしと呼ばれることが多いです。サラダなどで生食されることが多いです。
アルファルファという名前は「最高のたべもの」というペルシャ語がアラビア語に変化したもので、「FATHER ALL FOOD」、すべての食物の父とも呼ばれています。

もやしの主な栄養成分

もやしの成分は95%が水分ですが、残りの5%にさまざまな栄養素を含んでいます。
「生命の芽」といわれるほど栄養価が高く、ビタミンCをはじめ、ビタミンB群、カリウム、カルシウム、食物繊維など豊富な栄養素を含んでいます。特に豆の状態ではごく少量しか含まれていないビタミンCが発芽時に多く生成されます。また、ストレス社会の強い味方として話題の成分「GABA」も発芽時に発生します。
緑豆はデンプン質、大豆はタンパク質などそれぞれの豆の栄養を備えながら、発芽によって栄養価をアップさせます。
カロリーが低く、食物繊維を多く含んでいるので、ダイエット向きの食材です。(緑豆もやし100gあたり14kcal)

消化酵素アミラーゼ

発芽時に生成される消化酵素アミラーゼは、デンプンをブドウ糖などに分解する酵素です。消化を助けて胃腸を整える働きがあり、食欲不振を改善する効果があります。
熱に弱いので、食べる時はさっと湯通しする程度にするのがおすすめです。

緑豆もやしにはモリブデンが豊富

緑豆もやしには、野菜平均の3倍以上のモリブデンが含まれています。
モリブデンとは、代謝に関わる必須ミネラルのひとつで、糖質や脂質の代謝を促進してエネルギーになるのを助けたり、鉄を利用しやすくして貧血予防の効果があります。
また、プリン体を尿酸に分解して体外に排泄するのを助ける働きもしています。
モリブデンの体内での吸収率は高く、食品中に含まれるモリブデンの約75%が体内で使われると考えられています。また過剰に摂取されたモリブデンは尿中に排泄され、排泄することによって、体内のモリブデン濃度が一定に保たれています。

疲労回復効果のあるアスパラギン酸

大豆もやしやブラックマッペもやしには、野菜の中ではトップクラスのアスパラギン酸が含まれています。
アスパラギン酸はアミノ酸の一種で利尿作用があり、有害なアンモニアを体外へ排出し、中枢神経系を保護します。またカリウムやマグネシウムを細胞内に運び、疲労物質である乳酸をエネルギーに変える手助けをするため、疲労回復にも効果があります。

アスパラギン酸は、アミノ酸系のうま味成分の1つで、酸味を含むうま味成分です。このアスパラギン酸が、日本人が古くから親しんできた発酵調味料である醤油や味噌のうま味の正体だと言われています。

おいしいもやしの選び方

透明感のある白さのものを選びましょう。ひげ根も含めて変色していないものがいいです。
かたく引き締まったものが良品です。豆も開いていないかもチェックです。
ひげが短めのものがいいです。伸びているものは、鮮度が落ちています。
ビタミンCは水に溶けだしてしまうので、水につけたものより、真空パックされたものを選びましょう。

もやしの保存のポイント

日持ちしないので、出来るだけ早めに使い切りましょう。
買ってきたら、袋に穴を1〜2ヶ所あけて、空気を通して、もやしが呼吸できるようにすると多少日持ちが良くなります。
使いかけは保存容器に移して、ひたひたに水を注ぎ、冷蔵庫で保存します。
毎日水を替えれば、3日間は日持ちしますが、ビタミン類は溶け出してしまいます。

すぐに使わない場合には、冷凍保存することも出来ます。
買ってきたらすぐ袋のまま冷凍室に入れましょう。使う時には、沸騰したお湯でさっと茹でましょう。
多少食感は悪くなりますので、食感を求めない汁物や鍋などの料理に使うのがおすすめです。
保存期間は1〜2週間くらいです。

もやしの下ごしらえ

ひげ根は口当たりが悪いので、時間がある時は取り除くと仕上がりの味わいがかなり変わります。
たっぷりの水の中で洗い、ひげ根を摘んで取り除くようにします。
さらに頭の部分に豆殻が残っていたら、それも取り除きましょう。

もやしの調理のポイント

シャキシャキ感を残すだけでなく、ビタミンなど熱に弱い栄養素を守るためにも加熱時間は短めにしましょう。
また、茹でた後に水に浸してしまうと水分が浸透して味が落ち、栄養も失われてしまいます。
早いかな、と思うくらいで取り出し、予熱で火を通すのがコツです。
炒め物やスープの具として用いる時は、調理の最後に加えたほうが良いでしょう。
茹でる時に塩を少し入れると、アミノ酸の損失が少なくて済みます。