人参(にんじん)の旬

にんじんの旬は10~2月です

国内の産地リレーで通年出荷されていますが、旬のものが甘みが増し、栄養成分からみても最もおいしい時期といえます。また、秋に種まきして春に収穫する「春夏にんじん」も定着しています。「春夏にんじん」の旬は、4~7月です。主な産地は、千葉県、徳島県です。

アフガニスタンから東西へ

にんじんは、セリ科ニンジン属の2年草です。原産地はアフガニスタン周辺で、東西に分岐し、世界各地へ伝播しました。西方へ伝来しながら改良が行われた西洋系、中国を経て東方へ伝わった東洋系の2種類に分類できます。東洋系は細長く、西洋系は太く短いのが特徴です。ともに古くから、薬や食用として栽培されてきました。

にんじんが日本へ伝来したのは16世紀で、この頃は葉も根と同様に食用とされていましたが、明治時代以降から一般に根を食べるようになりました。日本で江戸時代に栽培されていた品種は東洋系が主流でしたが、栽培の難しさから生産量が減少し、現在栽培されているのは西洋系の5寸にんじんがほとんどです。

東洋系の金時にんじん(京にんじん)は、関西を中心に香川県などでも栽培されています。紅色で、肉質が柔らかく、甘みがあり、にんじん臭さが少ないのが特徴です。

カラフルなにんじん

原産地のアフガニスタン周辺に分布している野生種や、これから発達して現在栽培されているものには、白色、黄色、紅紫色、黒紫色などもあり、形も丸いものや長いものなどさまざまです。日本にも、一般的なオレンジ色の五寸にんじんのほかに、おせち料理でおなじみの金時にんじん(京にんじん)や、沖縄で作られている黄色い島にんじんなどがあります。

にんじんの主な栄養成分

β-カロテンの宝庫

にんじんは、根菜根には珍しい緑黄色野菜です。β-カロテンの含有量は、しそ、モロヘイヤに次いで3番目です。β-カロテンは皮の近くに多く含まれていますので、皮つきのまま調理するか、ピーラーなどを使ってなるべく薄くむくようにしましょう。β-カロチンは、体内に入ると必要量だけビタミンAに変換され、残りは体内に蓄積されます。

にんじんを毎日50グラム食べれば、成人が1日に必要な量のビタミンAを摂取できます。ビタミンAは、目の網膜にある光や色を感じる物質ロドプシンを作る重要な役割があります。不足すると、明るいところから暗いところに入ったときに目が慣れるまで時間がかかるなどの視力障害が起こります。

また、ビタミンAには胃腸や気管支などの粘膜を正常に保ち、健康な皮膚を作る役割があります。不足すると、気管などの粘膜に細菌やウイルスが侵入しやすくなり、風邪の原因になります。β-カロテンは脂溶性なので、揚げ物や油炒め、バターソテーなどの調理法でいただくと、吸収率が高まります。

おいしいにんじんの選び方

オレンジ色が濃く鮮やかで、表皮がなめらかで傷やひび割れがなく、先があまり細くなっていないものを選びます。茎の切り口が太いものは、芯の部分が大きく堅い場合が多いので、切り口が細いものを選びましょう。また、切り口が茶色になっていない、新しいものを選びます。葉がついているものは、葉先まで生き生きとしていてしおれていないものを選びましょう。

にんじんの下ごしらえ&保存のポイント

冷蔵保存

にんじんは湿気に弱いので、買ってきたら、まず袋から出します。葉つきのものは、葉の部分を根元から切り落とし、葉の部分と根の部分を別々に保存します。水で洗い、しっかりと水けをふきとり、新聞紙かペーパータオルで包み、冷蔵庫の野菜室で立てた状態で保存します。(保存期間:5日間)

※泥つきの場合は、洗わずに泥をつけたまま新聞紙に包み、冬なら冷暗所で2~3週間は日持ちします。

1本使い切れないときは、先の方からカットして使います。切ったものは、切り口から傷みはじめますので、きっちりとラップで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。(保存期間:1~2日間)

冷凍保存

薄切りまたは細切りにし、水けをとり、バットなどに並べて生のまま一気に凍らせます。凍ったら保存袋に移し、冷凍庫で保存します。
自然解凍してサラダなどに使用できます。(保存期間:1か月間)

カレーや煮物に使用する場合は、大きめの乱切りにします。下茹でしてから冷凍したほうが、生のままより食感がよくなります。下茹では、水をはった鍋にカットしたにんじんを入れ、火にかけます。竹串がすっと刺さるまで茹でずに、硬めに茹で上げます。ザルにあげ、そのまま粗熱がとれるまでおき、冷めたらバットなどに広げて一気に凍らせます。凍ったら保存袋に移し、冷凍庫で保存します。使う際は、凍ったまま調理できます。(保存期間:1か月間)