ペパーミントの旬

ペパーミントの収穫時期(旬)は、5月〜10月頃です

花はだいたい6~9月に咲きますが、その花が咲く前、その年最初に刈り取ったミントを初摘みミントと言い、雑味が少なく、フレッシュでバランスの良い香りが特徴です。
5〜6月の開花期に、花が開く前に株元から刈り取ると、秋にまた収穫することが出来ます。

ペパーミントの概要

ペパーミントはシソ科ハッカ属の多年草になります。
学名は「Mentha piperita」、日本名は「セイヨウハッカ」・「コショウハッカ」になります。
原産地はヨーロッパで、主な生産地は、インド・イギリス・フランス・アメリカ・オーストラリア・イタリア・中国・スペイン・ブラジルなど、欧米諸国などを中心に世界中で広く栽培されています。湿地を好むので、イングランドの気候条件が栽培に適しているとされ、イングランド産のペパーミントがもっとも高品質であると言われています。
日本では主に、千葉・茨城・沖縄などで栽培されています。

ガム・デザート・飲料・化粧品・歯磨き粉など日常のあらゆるものに使われ、ハーブの中でも生活になじみの深い品種です。メントール成分を多く含んでいるためピリッと目の覚めるような強い清涼感があります。料理・ハーブティー・お菓子の飾りにとても相性が良いほか。ポプリ・ハーブバス・ガーデニング・オイルなどあらゆることに利用できます。

ミントは現在、主にペパーミント系とスペアミント系のふたつに大別されています。ペパーミントはスペアミントとウォーターミントの交配種であり、鼻に抜けるようなすっきりとした香りが特徴です。尖った楕円形をしており、茎の先端に紫から淡いピンクの花が穂状に咲きます。学名にある「piperita」には「コショウの」という意味があり、食べるとコショウのようにピリッとした味がすることを表しています。

丈夫で育てやすく、雑草以上に生命力が強いハーブで、よく増えるので、広い場所に植え、増え過ぎに気を付けましょう。

ミントの歴史

ミントは、紀元前4000年頃から利用され、今から約3500年前、古代ギリシャ時代には生薬として利用されており、歴史上もっとも古い栽培植物の一つと言われています。日本には今から2000年以上前に中国から伝わりました。

紀元前3733年に完成したギゼーの大ピラミッドの建設には労働者の食事にミントが用いられたと記録があります。またミイラの下にミント草を敷いて腐敗防止に役立てたのだとか。
紀元前460年〜377年まで生きた「医学の父」ヒポクラテスの医学書にもミントの事が記載され、41種類の治療薬の中にミントを加え健胃薬、気付け薬として処方しています。

世界のミントの品種をペパーミント系とスペアミント系に分けるとすれば、スペアミントの方がはるかに歴史が古く、「ペパーミント」は「スペアミントとウォーターミントの交配種」で、1696年にイギリスの自然学者ジョン・レイが下痢の治療に良くと推奨するまで別の品種とされ知られていなかったと言われています。そして1840年には、ペパーミントがオハイオ州やミシガン州などで商業栽培されるようになりました。

ミントの語源は、ギリシア神話登場する美しい妖精ミンテ(Minthes)にちなんだものです。黄泉の国に「メンテ」という妖精がいて、その美しさから、冥界の王「ハデス」に寵愛されていました。これをよく思わなかった王妃「ペルセポネ」は、その嫉妬心で、魔法によりメンテを「物言わぬ草」に化身させられたと言われています。それ以来この草を「ミント」と呼ぶようになったそうです。

ミントの種類

ミントは世界中で交配が盛んに行われていて、原種・交配種を合わせると1000種類以上もあるといわれていますが、実際一般的に使用されているのは10数種くらいです。その中でも日本で代表的なミントは、ペパーミント以外に下記の2つがあります。

(1)スペアミント(ミドリハッカ・オランダハッカ)
スペアミントの香りの主な成分は、ペパーミントやニホンハッカとは異なり、約6割を占めるカルボン酸。爽やかさに甘さが加わった香りが特徴で、ペパーミントに比べて柔らかい香りが印象的です。痰の切れを良くする、車酔いを防ぐ、といった働きがあります。ペパーミントと同じように胃腸の働きを整える作用があると言われています。心を穏やかにするバランスのとれた香りで、地中海料理にも良く使われています。

(2)日本ハッカ(ジャパニーズミント)
北海道の名産としても知られる日本ハッカは、「ハッカ脳」と呼ばれるメントールの成分を65〜85%含んでいて、ミントの中でもメントールの含有量が最大です。メントフランを含まないことで、ペパーミントとは区別されています。メントールの香りがかなり強いため、食用としてよりも香料や精油に使われます。

ペパーミントの主な栄養成分

ペパーミントは、ハーブ先進国であるドイツのコミッションE(ドイツのハーブの効能に関する公的評価委員会)で承認された、安心・安全なハーブで、胃腸や胆のう、胆管の痙攣を鎮める働き、また胆汁分泌促進作用、胃腸内のガス排出作用が認められています。

ペパーミントは主に葉が使用され、香り成分や有効成分として、メントール、フラボノイド、タンニン、ミントポリフェノール、メントン、カルボン、リモネン、シオネールなどを含んでいます。また、ビタミンA、B1、B2、B6、ナイアシン、葉酸、ビタミンC、カルシウム、リン、鉄分、マグネシウム、カリウムが含まれています。

比較的多数の成分を含んでいるハーブであり、独特の風味と優れた効果を発揮すると言われています。

香りの効果

香り成分であるメントールは、ガムや消臭剤、歯磨き粉などの香料としても良く使われるとともに、のど飴やうがい薬などでは炎症を軽減させる成分としても使用されています。

鼻から脳へダイレクトに届くようなペパーミントの刺激的な香りは、疲れてボーっとする頭を引き締めたり、精神的な疲労のケアに役立ちます。沈んでいた心も晴れるので、イライラしている時の気分転換にもお薦めです。

食べ過ぎや飲み過ぎで胃がムカムカする時には、ペパーミントのすっきりとした香りが、胸焼けを落ち着かせます。

ペパーミントの香りは、ひんやり涼しげな清涼感が特徴です。汗をかいたときや火照った肌をさっぱりさせたい時に活躍してくれます。ただし刺激が強いので、希釈濃度を守り、目の周りにはぜったい使用しないで下さい。

美肌効果

ペパーミントには、肌の水分と油分のバランスを調節する働きがあるため、水分の蒸発や過剰や油分の分泌を抑制し、肌の調子を整える効果があります。それによって、毛穴の黒ずみの改善にも効果的です。
また、ペパーミントには殺菌・消毒作用、冷却作用、血管を収縮作用があることから、日焼けした後の肌のほてりを鎮める効果や、にきびなどを防ぐ働きもあるといわれており、多くの作用の相乗効果によって肌に対する様々な効果が発揮されると考えられています。

花粉症を予防・改善する効果

ペパーミントに含まれているミントポリフェノールは、ペパーミント以外のミントにはほとんど含まれていません。
ミントポリフェノールは鼻の粘膜の腫れを抑制する作用など、アレルギー症状を緩和するために有効な働きを持っているため、ペパーミントを摂取することで花粉症を予防・改善する効果が期待できます。即効性はありませんが、毎日取り入れることで改善が期待できます。水に溶けやすい性質の為、ペパーミントティーなどから手軽に摂取することが可能です。
鼻づまりが気になる時には、ペパーミントの香りを嗅ぐと楽になります。

胃腸の機能を高める効果

ペパーミントには消化液のひとつである胆汁の分泌促進作用を強化するなど、消化器の働きを促進させる作用があるため、食べすぎた後の胃もたれや胸やけの解消にも効果的であると言われています。胃の筋肉をリラックスさせることで、げっぷを出やすくします。

口臭を予防する効果

ペパーミントが持つ消化器の健康を維持する作用は、口臭の予防にも効果的です。消化器の不調を改善する働きがあるため、口臭の原因となり得る疾患を防ぐことができます。
また、ペパーミント自体がもつ清涼感のある香りは、気にある講習を直接防ぐ効果があるため、相乗効果で口臭を予防する紘がが期待できます。

呼吸器系の疾患に

粘液の流出を抑制し、熱を下げて発汗を促すことにより、優れた風邪薬となります。喘息や気管支炎などの呼吸器系の疾患にも効果があります。

精神の安定や、脳の活性化

ペパーミントの清涼感のある香りには、精神を鎮静する効果があるとされています。精神的な緊張を和らげ、いらいらを鎮め、心身をリラックスさせてくれます。無気力や抑うつ状態をリフレッシュさせ改善する精神安定化作用もあり、神経症などにも利用されてきました。
偏頭痛やそれに伴うムカツキ、乗り物酔いなども癒してくれます。

ガン予防

ハーブは、その香り成分に活性酸素を除去し、ガンを予防する効果があると考えられています。
なかでも、シソ科のハーブはガン予防の効果が強いとされています。ペパーミントもシソ科のハーブなので、ガン予防が期待できます。

ペパーミントの保存のポイント

ペパーミントの保存方法には、乾燥保存・冷蔵保存・冷凍保存・オイル漬け保存・はちみつに浸けて保存、などがあります。

生葉は、水洗いした後に湿らせたペーパータオルで包み、密閉袋にいれて、冷蔵庫の野菜室で保存します。約1週間保存できます。

冷凍保存する場合は、水洗いした後に水気をさっと拭きとり、ラップでピッタリと包むか、密封袋にいれて保存します。2〜4週間くらい保存できますが、独特の香りは飛んでしまい、生のような飾りにはもう使えません。

オイル漬け保存は、オリーブオイルに粗く刻んだ葉を漬けて2週間ほど寝かせます。
はちみつに浸ける場合は、瓶にペパーミントとはちみつを一緒に入れて保存するといいようです。

ミント氷などもいいでしょう。製氷皿に水を半分の高さまで入れて凍らせ、ミントを乗せてさらに水を満たして再度冷凍すると、ミントの葉入り氷が出来ます。飲み物に使うと清涼感が出ます。

乾燥保存をするためには、茎が折れるくらい十分に乾燥させます。天日乾燥かレンジで乾燥させます。乾燥したら、葉の部分を摘み取ります。乾燥したペパーミントは、光・熱・湿気を嫌いますので、缶やビンに入れて蓋をしっかりとしめましょう。冷暗所(5〜7度)で3〜4日ほどもちます。ポプリ・入浴剤・料理に使用できます。
乾燥剤と一緒に密閉容器にいれれば、1年ほど持ちますが、長く置いてしまうと色が変わり、味も少し変わり、どことなく薬臭さを感じるようになってしまうので、できるだけ早めに使うようにして下さい。

ペパーミントの使い方とポイント

日本ではデザートの香り付けや飾りに使用されることが多いですが、日本以外の国では、肉や魚、野菜などさまざまな食材と組み合わせて清涼感を与えたり、臭み消しの目的で用いられています。特にマトンやラムなどの羊肉料理に添えられるミントソースは有名です。ミントに含まれるメントール成分は、消化を促したり胸やけのときにも役立ちます。

フレッシュ(生)は、味がしっかりした肉類や魚類、詰め物料理のほか、じゃがいもやトマト、ナス、きゅうり、インゲン豆、マッシュルームともよく合います。
アイスクリームやゼリーなど冷たいデザートには飾りとしてトッピングすると、香りだけでなく見た目にも涼しげです。
リキュールやカクテルに用いても、爽快感のある飲み心地になります。

ミントティー

ミントティーは、ミントに熱湯を注ぐだけでも作れますが、緑茶(煎茶・中国緑茶)・紅茶などでも楽しむことが出来ます。

注意ポイント

ペパーミントの清涼感のある香りが、心身ともにリラックスさせてくれるのがペパーミントティーです。
消化不良や吐き気、胃痛などの消化器系の悩みを解消してくれるため、妊娠中のつわり症状を和らげる効果がありますが、その反面、メントンという芳香成分の存在があり、これには神経毒性や子宮の筋肉を収縮させてしまう作用があります。また、母乳の抑制作用(母乳の出が悪くなる)とも言われています。過剰に摂取することはおすすめできません。
精油にした場合も、妊娠中・授乳中の方、そして2歳未満のお子様への使用は避けて下さい。7歳未満のお子様には必ず希釈して使用するようにして下さい。

糖尿病患者、胆のう患者の方は、ペパーミントオイルによって、低血糖リスクが上がったり、胆のうの炎症を引き起こす可能性があると、一部の研究では発表されています。懸念のある方は、使用前に医者に相談したほうが良いでしょう。