プルーン/西洋すももの旬

プルーン/西洋すももの旬は、8月〜10月頃です

「プルーン」と「プラム」

一般的に「すもも」は中国原産の「日本すもも」と、コーカサス南部原産の「西洋すもも」とに分けられ、前者を「プラム」、後者を「プルーン」と呼んでいます。
また、すもも全般を「プラム」と呼び、その中の乾燥用のすももの種類とその乾燥した果実を「プルーン」または「ドライド・プラム」と呼ぶこともあります。すももは原産地によって幾つかの種類がありますが、ユーラシア系のドメスチカスモモに属する乾果に適する系統をプルーンといいます。なお、日本では、ドメスチカスモモ全体をプルーンと呼んでいます。

ここでは、日本すももを「プラム」、西洋すももと乾燥果実やペースト状になったものを「プルーン」として紹介します。

プラムもプルーンも、語源はギリシア語の「プロウノン(PROUNON または PROUMNON)」と言われています。
簡単にいうと「プルーン」はフランス語で、「プラム」は英語ということになりますが、もともと「プルーン」という名詞は古代アジア西部のフリジア(現在のトルコ中央部にあたり、紀元前数千年頃に栄えた)に本源がある言葉でした。これがギリシャに入り、次に古代ラテン語に転じ、そして中世以降にフランス語 に取り入れられて「プルーン(PRUNE)」となったようです。英語圏でも同様に「プルーン」を使っていましたが、近代になると「プラム」を用いるようになりました。

プルーンの歴史

プルーン発祥の地は、コーカサス地方の丘陵地帯とカスピ海沿岸付近だと言われています。そこから南ヨーロッパに定着し、ギリシャ・ローマ時代には優れた薬用果樹として珍重されました。ローマ帝国初期の頃、学者であり政治家のプリニウスが著した「博物誌」に、プルーンが栽培されていたことが書かれています。甘みがありおいしく、そのうえ保存性にも優れているプルーンは、重要な貯蔵食品でも有ったようです。その後、南フランスのアジャンで盛んに栽培され、人々に広く愛されました。

アメリカ大陸の発見の後、ヨーロッパからの移民とともにプルーンもアメリカへ渡っていきました。19世紀中頃にはフランス人のルイ・ペリエがカリフォルニアにプルーンを移植。現在では世界のプルーンの約70%がアメリカで栽培されています。

日本には、明治初期に、気候が似ている長野県と東北地方で少し栽培されてましたが定着はしませんでした。その後、昭和の初めに長野県の佐久で導入されるも戦争で中断。昭和30年代後半に再開され、昭和45年に長野県の佐久地方を中心に水田転作用の作物として栽培が広がりました。昭和55年には、プルーンが健康食品として注目され始め、全国各地に栽培が広がり、本格的にプルーン栽培が普及し始めました。

プルーンの産地

プルーンの果実は雨に弱く、長雨などにあたると表皮が裂けやすいので、多雨地域では生育できず、6〜7月の収穫期に梅雨を迎える日本においては不向きな植物なので、ごく一部の地域のみで栽培されています。
日本では、長野県、北海道、青森県などが主産県で、この3県で全体のおよそ98%を占めています。特に第1位の長野県の収穫量がダントツで多く、平成26年のデータでは全収穫量の70%以上となっています。
中でも、長野県の佐久地域は、プルーン生産の発祥地で、県内はもとより全国的にみても良質のプルーンが生産される先進的な産地として知られています。長野県のプルーンの約3割を生産しています。

世界では、アメリカのプルーン生産量が、全世界生産量の70%にまで成長しています。
19世紀中頃にフランス人のルイ・ペリエがカリフォルニアにプルーンを移植し、品質改良を重ねて「カリフォルニアプルーン」が生まれました。今日ではカリフォルニアはアメリカでの全生産量の99%を生産しており、一大産地となっています。
現在ではプルーンの世界生産の多くがこのカリフォルニア産のダジャン種プルーンです。

日本産のプルーンを生食で

ドライフルーツ需要で広まったプルーンですが、近年は品種改良で生食に適した種類も増えてきました。日本で生産されているプルーンのほとんどは生食用です。国産のものは甘みが強く、そのまま食べるのに適しています。
ちなみにドライプルーンは、80%以上をアメリカから輸入しています。

日本でもっとも多く作られている品種は晩生種の「サンプルーン」です。(平成26年産)
長野県佐久地方で選抜された品種でプルーンの代表格の品種です。サイズは30g前後と小玉で、紫黒色をしています。
糖度が18%以上と高く、また程よい酸味もあり、バランスが良く、食味が優れています。9月中旬から下旬に収穫され、市場に出回ります。
次いで多いのは中生種の「シュガー」です。
完熟すると酸味が抜けて、ジューシーで強い甘味が楽しめるところから、この名前が付きました。収穫期は8月上旬~中旬で、果皮はやや赤みがかった紫色をしており、重さは約30gです。

プルーンは早生種から晩生種まで沢山の種類があります。極早生種の「アーリーリバー」などは7月中旬頃から収穫が始まり、その後品種を変えながら10月中旬まで楽しむことが出来ます。

プルーンの主な栄養成分

プルーンは、他の野菜や果物と同様に、炭水化物、微量の脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルを始めとする多くの栄養素を含んでいます。

生のプルーンには、高血圧予防などによいとされるカリウムや、風邪予防や老化予防などに良いβカロテン、整腸作用のある水溶性食物繊維、体内のビタミンB12とともに赤血球の形成を助け、造血のビタミンと呼ばれる葉酸などが、比較的多く含まれています。
他にビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、鉄分、β-クリプトキサンチン等が含まれています。

ドライプルーンやペースト状にしたものは、抗酸化成分の宝庫で、英語では「ミラクルフルーツ」と呼ばれています。
鉄やカリウム、βカロテンが生果よりも濃縮され、栄養価が高いのが特徴です。

実は鉄分の含有量は多くありません

プルーンは貧血に良いとされ、鉄分の含有量が多いと思われがちですが、実際はそれほど多くありません。
生のプルーンでは、可食部100g辺り、0.2mgで、他の果物と同じくらいか少し劣るくらいです。ドライプルーンにすると、可食部100g辺り、1.0mgと数値が上がりますが、ぶどうジャム 3.3mg、干しぶどう・干しあんず 2.3mg と他のものに比べ半分以下の数値となっています。
しかしながら、造血に欠かせない葉酸、ビタミンB6、ナイアシン、ビタミンCなどの成分がバランス良く含まれているので、トータルで貧血予防が期待出来る食材といえます。

便秘に効果的

プルーンには水に溶けない不溶性食物繊維(便質の改善と量を増やして大腸を刺激)と、水に溶ける水溶性食物繊維(不要なものを付着して体外へ排泄)の両方が含まれています。便秘予防はもちろん、食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を抑制する作用もあるので、悪玉コレステロールが減少したという報告もあります。生活習慣病予防も期待できます。
生のプルーンより、ドライプルーンの方が、水溶性食物繊維の量が3倍ほど多くなります。
また、プルーンに含まれているソルビトールという糖類には整腸作用があり、便通が改善されます。

強力な抗酸化作用をもつミラクルフルーツ

アメリカ農務省タフツ老化研究所の研究では、多くの野菜・果物・豆類の中でドライプルーンの抗酸化作用がもっとも高いと証明されました。
プルーンの濃い紅色は強力な抗酸化作用のあるアントシアニンです。アントシアニンには活性酸素を無毒化してガンを予防する作用があることが、さまざまな研究で明らかになっています。アントシアニンの他に、ネオクロロゲン酸をはじめ、ヒドロキシクロロゲン酸などの強い抗酸化力を持つフェノール類が豊富に含まれています。これがプルーンの抗酸化パワーのもとになっていると考えられています。他にも、抗酸化作用があるβカロテン、ビタミンEなども豊富で、酸化から身体を守ることで病気や老化、肌トラブルの予防につながります。

抗菌作用

プルーンには食肉に増殖する病原菌を抑える働きがあることがわかりました。ハンバーグにプルーンを少量(挽肉の量に対して1.5~3%)加えたところ、3日以内にO-157が90%以上死滅することが確認されています。

おいしいプルーンの選び方

生食用のプルーンは、表面が全体にしっかりと色付き、色も濃いものが良いでしょう。
軸がついている場合は、まだ軸が新しく緑色のものを選びましょう。
果実を少し触ってみて、ふっくらとして皮に張りがあり、硬すぎず少し弾力を感じるくらいのものを選んで下さい。
皮にしわがよったものは日持ちしませんが、酸味が抜けて食べやすくなっている場合が多いようです。
新鮮な生の果実には、表面に白い粉(ブルーム)がついています。真っ白になるくらい白く粉をふく品種が多いです。
鮮度が落ちてきたり、手でベタベタさわるとこの粉が落ちてしまい、果実の表皮がさらされている状態になります。
選ぶ時はこの粉が一面に綺麗にのこっているものを選びましょう。

プルーンの保存のポイント

プルーンは収穫後に追熟するので、実が固いものは日のあたらない涼しい場所でしばらく追熟させましょう。その際には、乾燥しないように、ポリ袋に入れるなどしておきます。触ってみて、実がすこし柔らかくなっていたら食べ頃です。

食べ頃になったプルーンは、冷蔵庫で保存します。冷蔵庫に入れる時は、乾燥しないように袋にいれるか、ラップに包んで保存しましょう。なるべく早めに食べて下さい。保存期間の目安は2週間程度です。

完熟しているプルーンは、冷凍することも出来ます。さっと水洗いをして皮ごと保存袋などにいれて冷凍しましょう。
食べる時には、さっと水にさらすだけで、皮が綺麗にむきやすくなります。冷凍保存期間の目安は1〜2ヶ月程度です。

ドライプルーンは、製造年月日が新しく、粒が大きくふっくらしたものを選びましょう。もともと保存食なのでかなり保存できますが、一度開封した商品はパッケージ等にある賞味期限に関わらず、冷蔵庫や冷暗所で保存し、なるべく早めに食べるようにして下さい。

プルーンの食べ方とポイント

国産のプルーンは甘みも強く、生食に向いている品種が多いので、そのまま生で食べるのが1番美味しいと思います。
水でさらっと洗って、そのまま皮ごと召し上がって下さい。皮にポリフェノールなどの栄養が含まれているので、皮ごと食べるのをおすすめしますが、もちろん皮をむいて食べてもいいです。

生のプルーンは、ジャムやコンポートにしても美味しいです。また料理にも使え、肉料理などに甘酸っぱい味を組み合わせたい時にプルーンを焼いて添えたり、ビューレをソースにして合わせます。
皮をむいて刻んだプルーンを、オリーブオイル、リンゴ酢、塩コショウと合わせてドレッシングにも出来ます。

梅酒のようにプルーン酒も作ることが出来ます。作り方や配合はほとんど梅酒と同じと考えていいです。漬け込んで1ヶ月程度で飲めますが、3ヶ月程度おくと、より美味しく飲めるようになります。

自然な甘さと独特の噛みごたえをもつドライプルーンは、材料として調理するとバニラに似た風味を与えます。
ドライプルーンとぬるま湯をフードプロセッサで混ぜてつくるプルーンピューレには、脂肪や砂糖の代替作用があります。お菓子やパン作りにバターやマーガリン、砂糖の代わりに使えば、脂肪分やカロリーをカットできる身体に優しいヘルシーな食材です。
プルーンには天然のブドウ糖や果糖などの糖類が含まれ、またソルビトールがパンをもちもちに、焼菓子類をしっとりさせ、砂糖を使用しなくてもプルーン独特のほのかな甘さと自然な色合いに仕上げます。

また、肉料理との相性が良く、赤ワインと一緒に豚肉や牛肉と煮込むと、まろやかでコクのある味わいになります。