山椒(サンショウ)の旬

「木の芽」と「花山椒」の旬は4~5月、「実山椒」の旬は6月です

熟した実を粉にした「粉山椒」が出てくるのは11月頃です。なお、実山椒の収穫量は和歌山県が国内生産量の約80%を占めています。

雌雄異株(しゆういしゅ)の植物

山椒(サンショウ)はミカン科サンショウ属の落葉低木。日本の北海道から屋久島までと、朝鮮半島の南部に分布します。
「椒」の字には芳しいという意味があり、山の薫り高い実であることから「山椒」の名が付いたといわれています。
雌雄異株(しゆういしゅ)で雄株と雌株があり、山椒(サンショウ)の実がなるのは雌株のみです。
4~5月ごろに直径5mmほどの黄緑色の花をつけます。雄株の花は「花山椒」として食用にされ、雌株は若い果実、または完熟した実を利用します。果実の直径は5mm程度。はじめ緑色で、9~10月ごろ赤く熟し、はじけて中の黒い種子が出てきます。

ゆずと並ぶ日本料理の2大香辛料

山椒(サンショウ)は古くから、香辛料や薬用として使われてきました。縄文遺跡の土器から、山椒(サンショウ)の果実が発見された例もあります。
山椒(サンショウ)の若葉は、食材として「木の芽」と呼ばれています。木の芽は緑が鮮やかで香りがよいため、焼き物、煮物などの料理の彩りとして添えられ、また吸い口として用いられます。使う直前に手のひらに載せ、軽く数度叩いて葉の細胞を潰すと、香りが一層増します。特にタケノコとの相性は最高です。また、木の芽を白味噌と和えた「木の芽味噌」は、木の芽田楽や木の芽和えなどに用いられます。
雄株の花「花山椒」は、料理の彩りや佃煮などに使われます。
雌株になった果実「実山椒」は、茹でて佃煮にするほか、ちりめんじゃこと混ぜて「ちりめん山椒」などにします。
熟した果実の皮を乾燥させて粉末にしたものが「粉山椒」です。香味料として、ウナギの蒲焼の臭み消しや七味唐辛子の材料として用いられます。この果皮の部分が、調味料としてもっとも広く知られています。
また、山椒(サンショウ)の木は成長がゆっくりなのでとても固く、すり鉢を使う際に用いる「すりこ木」として最上とされています。

中国で使われる「花椒(ホアジャオ)

中国では、「花椒(ホアジャオ)と呼ばれる、山椒(サンショウ)とは同属別種のカホクザンショウの果実の果皮を用います。日本の山椒(サンショウ)とはかなり香りが違います。
四川料理で多用され、煮込み料理、炒め物、麻婆豆腐などに風味をつけます。料理の仕上げに加えると、四川料理特有の舌の痺れるような独特の風味が得られます。五香粉の材料としても用いられます。
炒った塩と同量の花椒の粉末を混ぜたものを「花椒塩(ホアジャオエン)」と呼び、揚げ物につけて食べます。

山椒(サンショウ)の主な栄養成分

辛味成分「サンショール」と「サンショウアミド」

山椒(サンショウ)の辛味成分は「サンショール」と「サンショウアミド」です。サンショオールやサンショウアミドは、大脳を刺激して、内臓器官の働きを活発にする作用がいます。胃腸の働きが弱まり消化不良になっているときや、消化不良が原因で起こる胸苦しさやみぞおちのつかえ、お腹の冷え、それに伴う腹痛に効果があるといわれています。
また、新陳代謝を活発にし、発汗作用があることが知られており、冷え性の改善に効果があります。

ビタミンA・B1・B2・Cも豊富

山椒(サンショウ)には、ビタミンA・B1・B2・Cも豊富に含まれています。これらのビタミンは、肌の健康を維持し、のどや鼻などの粘膜を細菌から守ってくれます。さらにビタミンCは、ストレスへの抵抗力を高め、活性酸素から体を守り、老化の防止に役立ちます。

おいしい山椒(サンショウ)の選び方

実がふっくらとしていて、色が濃い緑色のもの、枝に実がしっかりとつき、枝が枯れていないものを選びましょう。サンショウの実は、収穫後、時間が経つとしぼんでハリがなくなってきます。
実サンショウは1年に一度しか出回らないうえに、その期間も短いので、品質のよいものが並ぶ出はじめに購入しましょう。
購入したらすぐにアク抜きをしましょう。

山椒(サンショウ)の下ごしらえ&保存のポイント

実山椒の塩漬け

山椒(サンショウ)の実を枝からとり、よく洗います。沸騰した湯に塩をひとつまみ入れ、山椒(サンショウ)の実を入れて10分ほど茹でます。ざるにあげ、しっかりと水けをきってから重さを量ります。煮沸消毒した保存瓶に、山椒(サンショウ)の実と、重量の15%の塩をいっしょに入れます。冷蔵庫で保存し、塩が溶けるまで毎日振ります。(保存期間:1年)

粉山椒は品質の劣化が激しく、空気に触れると色合いも風味も損なわれます。密封して冷凍庫で保存しましょう。