スプラウトの旬

スプラウトは、通年美味しく食べられます

スプラウトとは、野菜の品種などの名前ではなく、種が芽生えた状態の新芽のことで、発芽野菜の総称でもあります。
アメリカでガン予防の効果があるという研究発表があり、日本でも注目され、人気が高まっています。
最近では、ブロッコリーやクレソン、マスタード、赤キャベツなどいろいろな野菜のスプラウトが新しい野菜として出回るようになってきました。

スプラウトは「天然のサプリメント」

スプラウトとは発芽直後の植物の新芽のことです。植物は、発芽し成長を始めると、乾燥した種子の状態では存在しなかった種類のビタミンや、その他の栄養成分を自分で合成するようになります。植物が大きく成長するために、種子や親野菜より栄養や酵素をたっぷりと含んでいる状態なので、「天然のサプリメント」とも呼ばれています。

スプラウトの歴史

日本で「スプラウト」という名前が広く知られるようになったのは近年のことですが、スプラウト自体の歴史は古く、ラディッシュやマスタードなどの新芽は欧米で古くから食べられており、ヴィクトリア朝時代にもスプラウトがブームになったという記録があります。
もやしもスプラウトのひとつで、5000年前の古代中国で栽培されていました。その他、18世紀後半に南太平洋などをエンデバーで航海したキャプテン・クックは、船上で大麦のスプラウトをつくり、船乗りたちの栄養補助源としたといわれています。また、19世紀英国ビクトリア朝時代にメアリー・ジューリーという料理研究家によってマスタードやクレスのスプラウトを使った料理本が残されていたりと、古くから世界各地で食べられていたようです。

日本オリジナルの「スプラウト」といえば、「かいわれ大根」ですが、平安貴族が食した高級食材だったと言われています。実際、1970年代に水耕栽培が普及するまでは高級食材でした。

1994年、アメリカのジョンズ・ホプキンス医科大学のポール・タラレー教授らによって、発芽3日目のブロッコリーの新芽・ブロッコリースーパースプラウトに含まれるスルフォラファンが強いがん予防効果を持つことが明らかにされました。この研究発表を受けてブロッコリースプラウトがアメリカでブームとなり、日本でも人気が高まりました。

スプラウトの主な種類と仲間

スプラウトは主にブロッコリーやマスタード、クレス、大根などのアブラナ科の緑黄色野菜や、豆類の種子が使われます。発芽玄米やもやし、豆苗もスプラウトの仲間です。

・かいわれ大根
スプラウトの人気が出る前から知られている代表的な種類です。ピリッとした辛さとシャキシャキした食感で、ビタミンが豊富です。

・ブロッコリースプラウト
辛味が少なく、マイルドな味わいです。成熟したブロッコリーに比べ、スルフォラファンを多量に含み、需要が増加しています。

・マスタードスプラウト
西洋カラシ菜の新芽で、独特の辛味と苦味があります。スパイシーな刺激で肉料理と合います。

・レッドキャベツスプラウト
他のスプラウトと比べると、味にクセが無く、マイルドな味わいです。葉の緑と、軸が鮮やかな真紅で彩りが良くサラダなどに良く合います。

・クレススプラウト
ガーデンクレス(コショウソウ)というクレソンの仲間の新芽です。わさびに似た辛味が特徴です。肉・魚料理の付け合せ、サンドイッチなどにおすすめです。

・空芯菜スプラウト
シャキシャキとした食感で絡みやクセが無く、葉が細長い形をしています。サラダや炒め物、和え物、汁物など様々な料理に活用できます。

・そばの芽
そばの新芽です。クセがなくてたべやすく、ルチンが豊富に含まれています。

・アルファルファ
ムラサキウマゴヤシという多年草の新芽です。もやしを細くしたような感じで「糸もやし」とも呼ばれます。みずみずしくシャキッとした食感です。

・ブリュッセル・スプラウト(芽キャベツ)
日本で流通しているスプラウト類とは違いますが、イギリスでブリュッセル・スプラウト(brussels sprout、ブリュッセルの新芽)と呼ばれているのが、日本で言う「芽キャベツ」です。イギリスではごく一般的な野菜で、単にスプラウトと呼ばれることも多いのだとか。
芽キャベツには、シミやそばかすを防ぐビタミンC、吹き出物を予防するビタミンB2など美肌に役立つ栄養素が含まれています。

新芽の生命エネルギーを丸ごと!

植物の種子には、生命を維持するのに必要な栄養素が凝縮されて貯蔵されています。スプラウトは他の野菜と違って根ごと食べられるので、ビタミンの流出の心配もなく、その豊富な栄養そのまま体に摂り入れられるとても機能性の高い野菜です。

野菜高騰時には、強い味方に!

天候不順などで、野菜が高騰した時には、発芽野菜(かいわれ、ブロッコリースプラウト、もやし、豆苗など)がおすすめです。
工場で栽培するので、天候の影響を受けず、年間を通じて安定した価格で販売されていますし、野菜の種子が発芽した「発芽野菜」は、栄養たっぷりです。

スーパーフード

ブロッコリースプラウトのうち、特別な栽培を行った発芽3日目の新芽には、高濃度のスルフォラファンが含まれることが分かりました。その新芽は「ブロッコリースーパースプラウト」と呼ばれ、スーパーフードとして認知されています。
日本スーパーフード協会では、特に重要と考え、「プライマリースーパーフード10」として、スピルリナ、マカ、クコの実(ゴジベリー)、カカオ、チアシード、ココナッツ、アサイー、カムカム、麻の実(ヘンプ)と共に、優先的に国内で推奨するスーパーフードに挙げられています。

スプラウトの主な栄養成分

栄養成分は、もとの種子とほぼ一緒ですが、含有量が増え、消化がよくなります。

ブロッコリースプラウトにはスルフォラファン

アブラナ科の野菜、特にブロッコリーに多く含まれるファイトケミカルの一種で、辛みやにおいの成分です。
ブロッコリーを切ったり噛み砕いたりして植物細胞が壊された時に、ミロシナーゼという酵素と反応してスルフォラファンに変化します。ミロシナーゼは熱に弱いので、生のまま摂取しましょう。
強力な抗酸化作用があり、ガンや老化を促す活性酸素を消去する作用、体内の解毒作用を促す作用、ピロリ菌の殺菌効果などがあります。
抗酸化力のあるビタミンCは、摂取して数時間で効力を失ってしまいますが、スルフォラファンによって生成された解毒酵素の働きは約3日間持続するので、3日に1度食べることによって効率よく摂取できます。

スルフォラファンはブロッコリーにも含まれていますが、ブロッコリースプラウトで約7倍、ブロッコリースーパースプラウトになると20倍以上の濃度になります。

主なスプラウトの栄養成分

・かいわれ大根・・アリルイソチオシアネートと呼ばれる辛み成分が特徴で、抗菌作用や、消化を助けて食欲増進の効果があります。大根にはないβ-カロテンやビタミンC・ビタミンE・ビタミンK、葉酸を多く含みます。
・レッドキャベツスプラウト・・β-カロテンやビタミンC・ビタミンK・ビタミンU・葉酸を豊富に含みます。
・マスタードスプラウト・・ビタミンKや葉酸を豊富に含みます。
・クレススプラウト・・ビタミンEやビタミンK・葉酸を豊富に含みます。
・空芯菜スプラウト・・ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、β-カロテン、ビタミンC、葉酸を含みます。
・そばの芽・・ルチンや、中性脂肪に影響があるといわれるコリンなどが多く含まれています。
・アルファルファ・・β-カロテン・ビタミンK・食物繊維・イソフラボンを豊富に含みます。

おいしいスプラウトの見分け方

茎がピンと立っていて、葉先にみずみずしさを感じるものを選びましょう。
茎が変色していたり、葉が枯れているもの、黒い斑点があるものは鮮度が落ちています。
スプラウトは水耕栽培なので、購入する際には新鮮なパックのものを選んでください。

スプラウトの保存方法

基本的に、容器に入って売られているので、購入後はそのまま冷蔵庫で保存します。
2〜3日ほどの保存が可能です。日持ちはしないので、早めに使い切りましょう。
根元をカットしたものは、ラップでふんわりと包み、冷蔵保存して早めに使い切ってください。

スプラウトの下ごしらえ

スポンジの部分を軽く持ち、逆さにして食べる部分を水を張ったボウルの中で振り洗いします。
種の皮などは、しっかりと取りましょう。見た目や食感が良くなります。
次に根を切り落として、茎側を洗います。