トリガイ(鳥貝)の旬

トリガイの旬は、太平洋側では4~5月、日本海側では6~7月です。

なぜ「トリガイ」?

味が鶏肉に似ているからともいわれていますが、貝を開けると、まるで水鳥が泳いでいるような姿をしています。そこから「鳥貝」と呼ばれるようになったそうです。
この、鳥のくちばしのように見える部分はトリガイの足です。トリガイは、普段は砂の中でじっとしていますが、天敵であるヒトデがトリガイを食べようと上にかぶさってきたとき、貝の中に折りたたまれている長い足を使ってジャンプして逃げます。

雌雄同体

トリガイは雌雄同体で、同じ個体の中に卵と精子を同時に持ちます。
産卵は、精子を海水中に放出する放精と、卵を海水中に放出する放卵を、交互に行います。多くは、最初に放精が30分間続き、5分間の静止の後、放卵が10分間続きます。さらに、5分間の静止の後、放精が30分間強続く、というパターンです。
このように、卵と精子の放出に数分間の時間差をつくることで、自分の卵と精子が受精する自家受精の機会を少なくしていると考えられています。

「丹後とり貝」

天然のトリガイは、豊凶の差が激しく、数10万個獲れる年もあれば、まったく獲れない年もあります。トリガイを安定的に市場に供給できるよう、京都府では全国に先駆けてトリガイの養殖を行っています。現在、事業規模でトリガイ養殖を行っているのは京都府だけです。
京都府で養殖されたトリガイは、大きさごとに厳密に選別され、全重量100g以上のものは「丹後とり貝」というブランド名で販売されます。一般のトリガイの大きさは殻長5~6cmで可食部の重さは約4g程度ですが、「丹後とり貝」は殻長8~10cm、可食部の重さは約20~40gもあります。

トリガイ(鳥貝)の主な栄養成分

高タンパク低脂肪

水分の次に多く含む成分がタンパク質。脂質はわずか0.3%です。高タンパク低脂肪のヘルシー食材です。

ビタミンB1とB12が豊富

ビタミンB1は疲労回復のビタミンとも呼ばれています。炭水化物 (糖質)の代謝を促すため、白米を主食にしている日本人にとって必要な栄養素です。また、エネルギーをつくる手助けをすることで、神経や筋肉の機能を正常に保つ効果があります。
ビタミンB12は、ミネラルの一種のコバルトを含むためコバラミンとも呼ばれます。悪性貧血の予防や神経の働きに不可欠な栄養素で、DNAやたんぱく質の合成の調節や補酵素としてさまざまな代謝に関わっています。

パントテン酸が豊富

パントテン酸は細菌やウイルス、異物などに対する抗体の合成に関わり、免疫力を高める働きがあります。また、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きがあり、これにより、動脈硬化を防いでくれます。

おいしいトリガイ(鳥貝)の選び方

殻つきの場合は、足がよく動き、足の部分が肉厚なものを選びます。
むき身の場合は、足の色が黒々としていて、肉厚なものを選んでください。

トリガイ(鳥貝)の下ごしらえ&保存のポイント

トリガイをさばく際、足の表面の黒い色が落ちやすいので、摩擦が少ないガラスやセロハンなどを敷き、その上で開きます。開いたら、流水ではなく氷水に落とし、優しくすすぐように洗います。トリガイは消化管に泥を含んでいるので、通常は湯引きにします。湯引きにする際は、湯の中に塩と酢を少し加え、沸騰している中に泳がせ、すぐに氷水に落として冷やします。
ヒモの部分もさっと湯引きし、あえ物や天ぷらなどにするとおいしくいただけます。