ザクロの旬

ザクロの旬は、9月〜11月初旬頃です

現在、日本で流通しているものの多くはアメリカやチリからの輸入物です。
国内で栽培されているザクロは夏の終わりから秋にかけて収穫されます。またアメリカからの輸入も同じ頃流通するので、9月から11月初旬くらいが旬になります。
ちなみに、政府の統計データによると、国内ではこれまで僅かにしか経営的なザクロの栽培はされておらず、平成15年に静岡での収穫が記録されて以降、平成16年からの国内収穫高の記録はありません。

ザクロとは

ザクロは、石榴・柘榴・若榴とも表記され、ザクロ科ザクロ属に属する落葉小高木植物です。硬く先が尖った赤い外皮に包まれ、熟すと自然に不規則に裂け、中には赤く透明な外種皮に包まれた種子が、細かくぎっしりと並んでいます。一般的には種子の周りの外種皮の部分を食べます。

原産地は、トルコあるいはイランから北インドのヒマラヤ山地にいたる西南アジアとする説、南ヨーロッパ原産とする説、およびカルタゴなど北アフリカ原産とする説などがあり、紀元前1000年以上前には、エジプトに伝わり、果樹としての栽培の歴史は世界でも最も古いものの一つと言われています。

日本へは、平安時代に中国から渡来しました。鎌倉時代中期には、栽培が始まったようです。ザクロは中国語で「石榴(せきりゅう)」と表記されます。日本でも「石榴皮(せきりゅうひ)」と呼ばれ生薬として用いられる他、果汁をお菓子の甘味付けに利用したりしていました。

ザクロは古くから「女性の果実」と言われ、美容や健康に効果があると考えられ、イラン・エジプト・インドでは薬用や食用として、ヨーロッパでは調味料として、日本やメリカ絵は健康維持食品・美容食品として広く親しまれています。また、種子が多いことから子宝に恵まれる果実とされています。

健康価値が高いのは「黒ザクロ」

ザクロにはカルフォルニア産、イラン産など産地や品種がたくさんあり、200種類以上あります。
日本でよく見かけるザクロの多くが「ワンダフル」と呼ばれるアメリカ・カリフォルニア産の品種です。ザクロの中でもサイズが大きく、甘酸っぱい味と独特の風味を持ちます。

200種以上ある中で、薬用として長い間珍重されてきたザクロは、「黒ザクロ」という品種です。
黒ザクロは他のザクロと比べると、すこし小ぶりで、熟すと真っ黒になります。果実の一粒一粒が大きくて濃厚です。その大きな種子の中に、エストロゲンを活性化させるエストロンという物質が、他のものよりも多く含まれています。
通常ですと、種子は硬く捨てられてしまうほか、ジュースなどで搾る際にも搾りかすとして残ってしまいがちですが、黒ザクロの種子は通常のものより大きいだけに、ミキサーなどを使って砕き、顆粒と一緒にドロドロな状態にすることで、その薬用効果が期待できます。
黒ザクロはイランでしか育たず、その上収穫量も少ないことから、非常に高価になっています。

ザクロと鬼子母神(きしもじん)伝説

鬼子母神はお釈迦様の「法華経」の中に説かれる神様です。そのお姿は一般的に、左手に子供を抱え、右手に吉祥果を持っていることが多いです。吉祥果とは、鬼子母神が持つ魔障を払う果実のことで、縁起のいい果物のことです。経典がインドから中国に渡り漢訳された時に吉祥果という名前になったのですが、この当時漢訳した人たちは吉祥果というものはこの世で見たことがなかったため、それに似ているザクロが代用されました。それによって、吉祥果=ザクロになったようです。

伝説では、鬼子母神は夜叉の子で、500人とも1000人とも言われるほどの沢山の子供をもっていました。ですが、自身の愛する子どもたちを育てるため、街へ下りてきては人間の子供を捕らえて食べていた為「鬼子母」と称され恐れられていました。人間たちは困り果て、お釈迦様に相談します。
そこでお釈迦様は、彼女がもっとも愛していた末の子を隠してしまいました。彼女は半狂乱になって7日間必死に世界中を探し続けましたが、見つけることが出来ず、最終的にお釈迦様のもとへ赴き、子供の行方を尋ね助けを求めました。
お釈迦様は「お前には沢山の子供がありながら、たった一人失っただけでどうしてこのように苦しむのか。世の中の人々は、子供が1人やたった数人しかいないにも関わらず、お前はそれを殺して食べたではないか」と答えます。それを聞いた鬼子母は己の非を認め、お釈迦様の教えに従い弟子になることで改心し、ようやく我が子を手にすることが出来ました。これ以降「鬼子母神」として仏教の教えを守る、安産と育児の神様となったそうです。

なお、お釈迦様が子供を鬼子母に返した際に「今度、どうしても人の子が食べたくなったら代わりにこれを食べよ」と与えられたのがザクロだった、という話があります。ザクロが人肉の味がするからとお釈迦様が勧めたと言われていますが、これに関しては、日本で作られた、根拠のない俗説のようです。

Pomegranate(ザクロ)の略称「pom」

ザクロを意味する「pomegranate」の略称「pom」は、そのまま「POM」というジュースの商品名になったり、カクテルの「martin(マティーニ)」とザクロジュース(グレナンデンシロップ)を合わせた「pomartini(ザクロマティーニ)」という名前にも使われています。このザクロマティーニは海外セレブたちの間で愛飲されています。

また、オーストラリア人はイギリス人を「poms」とか「pommy」というあだ名で呼ぶことがあります。
なぜイギリス人はザクロを意味する言葉で呼ばれているのでしょう。

これは、白人のイギリス人がオーストラリアに行くと、強い太陽の日差しで日焼けして、ザクロのように肌が真っ赤になってしまうことから来ています。また、「pomegranate」は移民を意味する「immigrant」と韻を踏んでいるので、「pomegranate」は「immigrant」を意味する俗語として使われていました。

多くの場合、ちょっと小馬鹿にするような冗談っぽい、友達の間で使われるような表現ですので、使い方には充分気をつけたほうがいいでしょう。

ザクロの主な栄養成分

ザクロには、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ナイアシンなどのビタミン類やカリウム、グルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸が豊富に含まれています。またタンニンやアントシアニン、エラグ酸などのポリフェノールやクエン酸、エストロンなどが含まれています。

女性ホルモンのバランスを整える

ザクロには、女性ホルモンである「エストロゲン」と全く同じ化学構造を持つ「植物性エストロゲン」のエストロンが含まれています。エストロゲンは、女性ホルモンのバランスを整え、ハリのある肌や髪を保ったり、更年期障害による様々な症状を緩和する効果が期待されています。植物性エストロゲンは、ザクロの種子に多く含まれていて、ザクロ果汁やエキスには含まれていません。
ザクロの加工品で植物性エストロゲンを摂取するには、種子エキスが入っているか、種ごと使って作られたジュースや酵素にしてあるかなどをチェックする必要があります。
とはいえ、ザクロに含まれる植物性エストロゲンは微量です。「黒ザクロ」という種類のザクロが、比較的植物性エストロゲンの含有量が高いです。

美白・美肌効果

シミ・そばかすの原因となるメラニン色素は、アミノ酸の一種であるチロシンから生成されます。ザクロに含まれるビタミンCやエラグ酸には、チロシンを生成する酵素であるチロシナーゼの働きを抑制し、メラニン色素が沈着するのを防ぐ働きがあるので、美白やシミ・そばかすの予防に効果的です。

ダイエット効果

ザクロに含まれている代表的な成分のカリウムは、身体の中の余分な水分を排出しやすくして、身体の塩分濃度を調節する働きがあります。そのため、細胞間に溜まる水分が原因で起こるむくみの予防や改善に効果を発揮します。

また、ビタミンB2やエラグ酸が豊富に含まれています。ビタミンB2には、脂質や糖質を効率よくエネルギーに変え脂肪を燃焼させるサポートをする働きがあるため、ダイエットに効果的です。
エラグ酸には、糖尿病を引き起こすレジスチンの分泌を抑える働きがあります。レジスチンとは、脂肪細胞から分泌され、肥満によって分泌が上昇するホルモンのことで、糖尿病の発症要因を引き起こす原因のひとつと考えられています。エラグ酸を摂る事により糖尿病の予防にも効果があります。

ザクロ酢の効果

韓国で「紅酢」としてブームになり、日本でも取り上げられたザクロ酢というものがあります。
ザクロには上記の効果の他に、タンニンをはじめとしたポリフェノールが多く含まれているので、抗酸化作用が期待でき、アンチエイジングや生活習慣病予防の効果が期待できます。
一方の酢には、内蔵脂肪の減少、血圧の低下、血糖値の上昇抑制の効果が科学的に証明されている他、膵液の分泌を促進し、消化を助けたりする効果が期待できるので、より効果的な健康効果が得られます。
ただしエストロンの効果に関しては、ザクロの種子入りかどうかを確認して下さい。

おいしいザクロの選び方

果皮が赤く色づいていて、持った時にずっしりと重さを感じるものがいいでしょう。水分が多く、新鮮で美味しいです。
皮の表面に傷が無く、つやつやしたものがいいです。茶色く変色した部分が無いものを選んで下さい。
食べ頃は、成熟して果皮が割れ、中の果実が見える状態になった時です。この状態が、生でもっとも美味しい食べ頃です。

食べる時は手で割って、中の赤い果実をそのまま食べます。中の種はそのまま食べてしまっても大丈夫ですが、気になるようなら吐き出すか、あらかじめ搾ってジュースにするといいでしょう。

手で割れない場合は、先端をナイフでカットし、皮に切れ目を入れると、簡単に割ることが出来ます。
また、水を張ったボウルに割ったザクロを入れ、ボウルの中で幾つかに剥がすように割り、さらに薄皮と実をはずしていきます。
こうすると、中の赤い実が飛び散ったり、手に色がつくのを防ぐことが出来ます。

ザクロの保存のポイント

室温でも、皮を剥かなければ数週間は日持ちします。また、密封して冷蔵しておけば、2〜3ヶ月間は保存がききます。
ほぐした赤い粒の状態であれば、密封して冷蔵すれば2〜3日、冷凍なら2〜3ヶ月は保存することが出来ます。

ザクロの食べ方とポイント

ジュースやドレッシング、お菓子などで食されます。

生食の場合は、果皮の中にある赤い果実をそのまま食べます。
種は食べづらいので吐き出してしまってもいいですが、種の部分のほうが効能が多いと言われていますので、ミキサーなどで種ごとジュースやスムージーするのもお薦めです。

ヨーグルトやサラダに加えれば、ささっと簡単にアレンジできます。

フリーズドライにしても美味しいです。ザクロの種子と果実をまるごとポリポリと食べられます。
生のザクロより甘みがより強く感じられ、甘酸っぱくて美味しい味です。
そのまま食べても美味しいですし、グラノーラやデザート、料理やジュースに加えるのもいいでしょう。

ザクロ酢も人気です。
水や炭酸で薄めて飲んだり、牛乳や豆乳で割って飲んだり、ヨーグルトにかけても美味しいです。
お肉など料理の隠し味としても使えます。ザクロ酢の肉用ソース、ザクロ酢ドレッシング、ザクロ酢の寒天などもいいですね。

ザクロの果汁と砂糖から作られるノンアルコールの赤いシロップは「グレナデン・シロップ」と呼ばれます。
カクテルの材料として、味を深めるために、また色合いに赤みを加えるために使われます。
リキュールとあわせてカクテルにする他、水や炭酸水で薄めて飲んだり、ヨーグルトやアイスクリームにかけたりしても美味しいです。