ザリガニの旬

ザリガニの旬は夏です

日本ではあまり食されませんが、海外では夏を旬としたポピュラーな食材です。

ザリガニの歴史

ザリガニと人間の出会いは意外と古く、欧州では紀元前アリストテレスの論文の中に記述が見られ、15世紀あたりも各国の研究者から論文が発表されるようなります。古代ローマ皇帝や中世の王や有力な大司教など貴族階級の人たちがザリガニを料理のために捕獲を命じたという研究論文もあります。

日本では、確認されている文献において、1781年の松前藩の家老が編集した蝦夷地の生活・物産史の中でザリガニの存在を記述しています。

オーストラリアのクイーンズランド州で発掘されたザリガニの巣穴の化石は約1500万年〜6500万年前のものが含まれており、ザリガニの地球上での歴史と生態の面で今も昔もさほど変わらない様式であったことが窺われて興味深いです。

日本に住んでいるザリガニ

現在日本には、在来種のニホンザリガニの他、アメリカザリガニ、ウチダ・タンカイザリガニの3種類のザリガニ類が生息しています。

アメリカザリガニは「食用として日本にウシガエルの餌とすべく持ち込まれたものが逃げ出し広まった」もの、ウチダザリガニは「食用として北海道の摩周湖に持ち込まれた」ものです。

元々の在来種であるニホンザリガニは、単にザリガニと称されてきましたが、帰化後、爆発的に生息範囲を拡大しよく知られるようになったアメリカザリガニと区別するために、ニホンザリガニと呼ばれるようになりました。よく田んぼや小川で見かけるザリガニは、アメリカザリガニです。

ウチダ・タンカイザリガニもアメリカからの帰化種で、北海道に生息しているものをウチダザリガニ、滋賀県淡海湖に生息しているものがタンカイザリガニと呼ばれています。両種は酷似しており、分類的な差異については学者の意見もまちまちです。

特定外来生物 ウチダザリガニ

ウチダザリガニは、アメリカ北西部原産で、1926年に食糧難解決策として摩周湖に持ち込まれ、以後北海道のあちらこちらの河川や湖沼、東北、2016年には栃木県でも初めて確認され、これまでに千葉・長野・福島と生息域を広げているといいます。あらゆる環境に適応し、魚類、エビや水生昆虫などの底生生物、水草などを食べて、体長15cm以上に成長します。最近は、湖や川の生態系に影響を及ぼしており、中でも深刻な被害を受けているのがホタルです。ホタルの幼虫を食べ尽くしてしまうそうで、このままでは絶滅の恐れもあると言われています。

このように、生態系などに影響を与えてしまうウチダザリガニは、「特定外来生物」に指定されています。特定外来生物は、飼育・栽培・保管・生きたままの移動・販売・譲渡・輸入・野外に放つ事が原則として禁止されていて、違反した場合は罰金や懲役が科されます。
同種のタンカイザリガニと共に、日本の侵略的外来種ワースト100に選定されています。

ウチダザリガニを釣り、観察などが終わったら、すぐにもといた場所にもどすか、その場で殺処分してください。
捕まえたその場で茹でるなどして食べることもできます。ヨーロッパでは高級食材です。

ちなみにアメリカザリガニは、外来生物法によって、要注意生物に指定されています。要注意生物は、特定外来生物に指定したいけれども、現在はちょっと見送っているという生物になります。

ザリガニを食べない日本人

他国の人は「なぜ日本人はエビ好きな国民性なのに、ザリガニを食べないのか?」という疑問を持つそうです。

日本でも輸入当初は、タンパク質の補充源としてであったり、食用カエルの餌用だったりしていましたが、一部では食用としてアメリカザリガニを食べたり、あるいはニホンザリガニは江戸時代では薬用、食用として重宝されたりしていた歴史があります。しかし現在では日本人はザリガニを食べない先進国民であると揶揄されたりします。

世界においては、ザリガニの養殖は食用、魚釣り用餌、水田に水生植物が繁殖しすぎないよう土地の耕作化に用いられたりしており、その中でも食材としてアメリカ・ヨーロッパなどで盛んに用いられています。アメリカ南部は、世界のザリガニ生産量の約85%を占めています。
ヨーロッパでは「ザリガニ料理は高級料理」であり、アメリカでは身近な「食材」です。ミナミザリガニ科のマロンは、3年目ぐらいで400g程度になり、伊勢海老並みの体格と美味であることから、オーストラリアでは養殖が行われています。

市場でも、関東の都心部でしか見かけない。主にフレンチの食材であり、特殊なもの。値段はかなり高く、明らかに高級食材となっています。

中国で食べるようになったのは、日本人が持ち込んだから?

中国では、5月に入ると多くのザリガニが、路地や店先で大きな中華鍋に豪快に放り込まれている光景が見られるようになります。小龍蝦 (xiao long xia) と呼ばれ人気の高い食材で、旬は初夏から夏です。「十三香」という香辛料を使って煮込むのが一般的なようです。

このザリガニですが、「第2次世界大戦期に日本人が何の気無く中国に持ち込んだ食材。その後無数の人が病みつきになった」と中国メディアで記事になりました。記事によると、ザリガニは第2次世界対戦期に日本の軍人によって中国にもたされたものであり、その日本も1920年代に米国から取り入れたと説明されています。

記事では、欧米は比較的単純な調理方法で食べられていたザリガニが、蒸す、香辛料と一緒に炒める、焼く、揚げるといった食べられ方をするようになったと紹介。それが中国人の誇るべき中国の食文化の深さであり、多くの外国人が中国に興味を持つ理由の1つになっているとしています。また「中国にザリガニを持ち込んだ日本人もまさか中国で最も喜ばれるグルメ食材の1つになろうとは思ってもいなかっただろう」と評しています。

ザリガニの主な栄養成分

ザリガニには、多価不飽和脂肪酸、ビタミンE、ナイアシン、葉酸、カリウム、マンガン、タンパク質、リン、セレンなどが多く含まれています。

ザリガニを食べてみよう

日本では食材としてはあまり認識されていないザリガニですが、外国料理店などでザリガニ料理を提供しているところは結構あります。中華料理店や、北欧料理店、期間限定イベントなどで、主に旬の夏に食べられる機会が増えるようです。
通販などでも個人で買うことが出来ます。

釣ったザリガニの食べ方

子供の頃にスルメなどを餌にして、ザリガニ釣りをしたという人は結構いると思います。また、夏休みの子供達が河川や湖などで釣ってきたりなど、獲ることを楽しんだり、飼育したりすることが多く、あまりこのザリガニを食べようとは思わないのではないでしょうか。ですが世界ではとてもポピュラーな食材です。

例えばアメリカでは、家族で湖畔などに出かけ、丸ごと茹で上げたザリガニをテーブルに山積みにして家族で食べるという習慣があります。フランスでは高級食材ですし、中国では丸ごと油で揚げる食べ方が一般的のようです。

世界中で食べられているからといって、釣ってきたザリガニを家庭で食べることはオススメ出来ませんが、ザリガニ自体に毒があるわけではないので、きちんと下処理をすれば食べることが出来ます。

1番に注意をするのは、寄生虫です。ザリガニには寄生虫がほぼ間違いなくいます。生食は避けましょう。
寄生虫を死滅させるには、冷やすか、加熱させるかの2つの方法があります。一般家庭でザリガニを調理する時は、加熱するほうがいいです。沸騰した状態を12分維持すれば、寄生虫を死滅させるのは十分です。

釣ってきたものは、まず泥を吐かせましょう。
水道水をかけ流しにするか、大きめの容器に水をたくさん張って一昼夜絶食飼育します。共食いしてしまうので注意しましょう。
その後、日本酒やワイン、牛乳などで臭みを消します。
あとは、エビやカニだと思って、調理してしまえばOKです。味は蛋白でクセが無く、エビとカニの中間の様な味わいで、食感はシャコに似ているようです。

ザリガニの主な料理法

・塩ゆで
・塩焼き
・炒め物
・揚げ物
・味噌汁
・煮込み料理
・パスタの具 など